コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
本日も開催されている「阿蘇満喫ライド」。
9月26日に開催された「阿蘇満喫ライド」の様子をお伝えします。
9月2回目のライドを26日に開催した。
この日も坊中線の草原の風景が旬であることと、やはり火口を見せてあげたい気持ちから中岳火口を目指したが、最近は火山ガスが多く立ち入りできない日が続いており、この日も残念ながら阿蘇公園道路を上ることはできなかった。
火口が見ることができないときのために、南阿蘇方面を何度か試走して魅力的なルートとスポットを探していたのでそのコースを走った。吉田線を13km下って小池水源からこのライドでは初めて訪ねる南阿蘇鉄道の阿蘇白川駅と、無人駅舎内にあるカフェ、それに目の前のオーナーの自宅ではアメリカのアンティーク雑貨を扱われており、トロッコ列車とエイド補給と珍しいアメリカン雑貨は、今回のライドで体験して欲しいサイクリストウェルカムのスポットになる。
また、今回は偶然だったが列車が着くと始まる忍者ショーもあってドロンポーズで盛り上がった。阿蘇白川駅からは黄金色に輝く稲穂と、白い花で満開のそば畑を眺めたら、白川水源の倍の湧出量がある竹崎水源で水を補給、清涼感ある井手沿いの農道をサイクリングするのが南阿蘇らしい景色ではないかとコースに取り入れた。
昼食は今回ガイドを含めて18名と多かったため、テラスや庭で食べることができて、過去参加した方からも評価がいい南阿蘇の天然酵母パン「パンダイゴ」を選んだ。こちらのオーナーもサイクリストウェルカムでいつも冷たい水の補給で迎えてくれる。食事のあとは新阿蘇大橋付近を見学して、最後は阿蘇平野の真ん中を通る一直線の農免道路5.8kmを、それぞれ力のある限り走って燃え尽きる67kmのライドになった。
今まで集合場所にしていた道の駅阿蘇のサイクルラック前は、納品される方や阿蘇駅からの観光客で混雑するので、新しく併設してできた建物のサイクルラック前が広くてゆっくりしているのでこちらに場所を変えた。今回はガイドのショウ君やレジェンド福島雄二さん、参加者のメンバーが増えたりして総勢18名でスタートした。
4連休の週末ということで車もバイクも少なく、緩やかな上りの坊中線を気持ちよくそれぞれのペースで中岳火口を目指した。
赤水線の合流地点から上り坂の勾配がきつくなり風景も閉ざされ単に苦しい坂が続くが、苦あれば楽あり、草千里展望所の雄大な景色が待っているし、今回の峠道はここだけなので朝一頑張ればあとは下りとほとんど平坦な道、でも私の嫌いな区間ベスト3になる。ちなみに1位ははげの湯へ行くアップダウンのファームロード、2位が黒川温泉方面から瀬の本高原に行く442号の最後の直線の坂だ。
草千里展望所到着、寒い。今日は観光客が少ない。
「雄大な景色が待っている」はず・・・だったが、ここが初めての人はいなくて感動はなかった。噴煙はかなりの量、ネットで確認すると立ち入り規制となっていたので、火山博物館でトイレ休憩してそのまま吉田線で南阿蘇へ行った。
南阿蘇方面が一望できるいつものスポットで一息
小池水源着、南阿蘇鉄道のトロッコ列車が阿蘇白川駅に到着する30分前には付きたいのでここではあまり長居しない。
阿蘇白川駅には車の少ない道を選んだコースで11時20分に着いた。57分のトロッコ列車到着まで外にあるトイレや、駅舎カフェとアメリカ雑貨の「Café 57th.St.(セブンティ フィフス ストリート)」の案内をして、列車到着までそれぞれまったりと過ごしてもらう。そんな時間の過ごし方が似合うところだ。
南阿蘇鉄道は高森と豊肥線と接続する立野駅を結ぶローカル線だったものを第三セクターに転換して開業した路線。現在は熊本地震の影響で高森と中松駅までの7.1キロを平日に普通列車1日3本と、土・日・祝日に普通列車1本とトロッコ列車が3月14日から11月30日まで4本運行している。ちなみに通常運行日以外の日・時間でも片道25,000円から臨時運行が可能だという。
駅舎カフェのメニューはトルティーヤピザ、ビーンズカレー、おまかせパスタの3種類、今回人数が多くパンダイゴにしたので、アメリカンアンティーク食器に盛られたバナナパウンドケーキかパンケーキとコーヒーを勧めた。
バナナパウンドケーキは補給食にぴったりの量、味、美味しさの250円。
ここは3回目だが前回は2組の観光客があって話しぶりからリピーターだった。それ以外は見たことがなく、この日も誰も訪ねる観光客はいない。でも私たち自転車乗りからするとトイレがあって、気楽に休憩が出来て、ランチやお茶も楽しめてこんな魅力的なところはない。
Café 75th.St.優しいお母さんの駅舎カフェはサイクリストにおすすめ。
カフェのご主人はアメリカに住んでおられてそこでアメリカンアンティークを集められたようだ。好きな人が見れば掘り出し物があるかも知れない。
汽笛が聞こえた。急いでみんなにトロッコ列車「ゆうすげ号」が来ることを知らせる。
昔ながらの遊園地の乗り物のような特殊客車3両を挟む形で重量感ある機関車を前後に配置し中々の迫力だ・・・と見入っていたら、さっきまで構内のベンチに座っていた男性が逆方向に猛烈に走り出した。この人は私たちが駅に着いた時からツナギみたいな恰好で退屈そうにして、しばらくしたら忍者の衣装に着替え、誰が見ても近寄らない方が無難な感じでみんなスルーしていた。ところが列車が見えると逆方向にダッシュで走り出し「逃げていった」、みんなそう思った。
すると木陰に隠していた刀と袋を取って刀を天に向け、忍者走りで列車の前に戻ってくると、「拙者は」とかサムライ言葉で叫びながら乗客の子供達に何やら配り始めた。飴玉を「手裏剣」として客席に豪快に放り投げたのだ。
忍者キャラの歓迎パフォーマンスはトロッコ列車の乗客に大好評で大いに盛り上がった。静かで乗る人もいない無人駅で大人は笑いに包まれ、子供たちは突然の出来事に泣きそう、列車から降りてきた車掌さんがMC、カフェのお母さんも出て来ての数分間の阿蘇白川駅の歓迎セレモニーだった。
突然の出来事に私たちも大満足で記念写真を撮らせてもらった。トロッコ列車が到着する無人駅でこんなことが行われているなんて驚きだった。
まだ感動が残る駅を後にして竹崎水源に向かった。
何の変哲もない田んぼの先の竹やぶにあるこの水源は、毎分120トンという有名な白川水源の倍の湧出量があり、南阿蘇村湧水群の中でも最も多く、南外輪山に降った雨が地下を通り湧き出す水源でありここから小川が始まる。
ということでこれから先は水をテーマにしたコースになる。
美しい水が勢いよく流れる井手沿いの道を進む。流れるスピードは自転車と同じくらいに感じて不思議な気持ち良さがあった。
井手沿いの区間が終わると所々稲刈りがあっている農道を通ってパンダイゴへ
南阿蘇村のパンダイゴ到着、こちらの店は熊本地震で店が崩壊したため500日後に現在のところに移転された。少し入り組んだところにあるが種類が多くて値段もお手頃、もちろん美味しい。
店も広いので今日くらいの人数のときはとっても助かるエイドとなる。
いつも選ぶのはオイルサーディンのパン
いつも冷たい水を大きなピッチャーで頂いて感謝。
補給が終わったら新阿蘇大橋の工事を見て赤水から一直線の農免道路を目一杯走ってアピカ経由で帰った。
翌日は二重の峠トンネルライドに参加するため宿泊される方がいたので、夜はカルキさんの裏庭を借りて開通の前祝いということでBBQを計画した。参加者のみなさんは熊本地震以降、何度も阿蘇を走られた方は多く、少しでも復興のためという気持ちを持たれていた。豊肥線が開通し国道57号北側ルート、それに現国道57号の開通もカウントダウンとなり何とか一区切りついたように思う。そんなことも考えていたら、いつも熱心に私をバックアップしてくれるkeiさんが大いに盛り上がろうとお祝いの企画をしてもらった。
洋菓子研究家あづささんを迎えての福島雄二さんとカルキさんのライブは素晴らしかった。
ペンライト!
南阿蘇鉄道のサイトには、『トロッコ列車は、失いたくないものを乗せて、新しい時代にゆっくりと走り続けます』とある。なんて素敵なコピーなんだろう。サイクリストにとても参考になるメッセージではないだろうか。今回のライドでは、中岳火口を見せてあげることはできなかったが、その代わりとして南阿蘇鉄道の阿蘇白川駅を訪ねてトロッコ列車の乗客をもてなす、地元の方手作りのサプライズの感動と、湧水地と井手沿いの南阿蘇らしい道には楽しんでもらえたようだ。
自転車にできる非日常的な体験を満喫する心得として、サイクリングを楽しむ時間、のんびりと過ごす時間、全力で走って完全燃焼する時間、この3つの組み合わせが大切ではないかと最近思うようになって走る距離を短くし、参加者の反応もいいので定番化している。これからも阿蘇や南阿蘇にある自転車乗りを楽しませてくれるものを探して、火口や火口に近づくことができなくても、自転車乗りだけはリピーターになてもらえるように、下城さん、橋本君、井上夫妻、ショウ君と一緒に取り組んでいきたい。
☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆
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