阿蘇には数多くの伝説が継承されています。
阿蘇の開拓神「健磐龍命(たけいわたつのみこと)」にまつわる伝説は有名ですが、その他にも様々な伝説があります。ここ、阿蘇市小池(こうじ)地区にも伝説が残されていて、小池七池伝説と言われています。
平成28年に発生した熊本地震では、県内の湧水が枯れるという出来事がありましたが、ここは枯れることなく、大雨が降ってもあふれることもないといいます。
この伝説は、豊後竹田(大分県)の美しい姫君「清夜姫(せいやひめ)」にまつわるお話です。
たくさんの人に可愛がられ、蝶よ花よと育てられた清夜姫ですが、16歳の春、縁談がまとまり、熊本県の菊池に嫁がなければならなくなりました。
竹田から滝室坂を下り、姫の行列は阿蘇の山々を眺めながら輿を進めていきましたが、丁度ここ、小池のほとりに差し掛かった時、姫が「水を飲みたい」と言われたので輿を止めると、姫は降りて池のそばまで行って、何を思われたか突然身を翻して池に飛び込み、みるみるうちに蛇身と化して池の中に沈んでいったそうです。突然の出来事に動転した腰元達6人も悲嘆のあまり次々に入水してすべて大蛇になり、6体の大蛇は、赤池・青池・寄り池・泡池・壷池・鶴池にそれぞれ分かれて棲んだそう。
現在、車を停めて見学できるのは泡池のみとなっていますが、泡池の周辺にその他の池の看板が設置されています。
個人宅で管理されている所もあるので、見学の際はご注意くださいね。
泡池がある場所は、木々に覆われ、ちょっとしたパワースポット的な存在です。
この泡池のほとりに立ってみませんか?池を眺めると、あら不思議???ポコポコと泡が出てきます。それも1ヵ所ではなくアチラコチラからポコポコと。
眺めていると、時間が過ぎるのを忘れるほどです。
「なんでこんなにポコポコ泡が出るんです?」と小池七池を管理する村上政次山田校区公民館長に尋ねてみると、「泡池だけん。」だそうです。水も一緒に湧いてはいるのでしょうが、なぜこんなに泡が出るのかは解明されていないんだとか。
また、清夜姫が入水した池は「本池」で、近くには竜神様を祀る祠があります。