コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「高岳に初冠雪の寒い阿蘇満喫ライドと阿蘇ヒルクライムレース」

コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
11月29に行われた「阿蘇満喫ライド」と11月8日に開催された「RUN&RIDE阿蘇ヒルクライムモニター大会」の様子をご紹介します。

11月29日、阿蘇満喫ライドを開催した。
朝起きると一段と冷え込む寒い朝で二重の峠トンネルを抜けると霜が降りて真っ白い世界が広がっていた。新聞には高岳の初冠雪の記事があり、道の駅阿蘇に近い阿蘇乙姫観測所(標高487m)の最低気温は氷点下1.7度、いよいよ阿蘇は平地でも厳冬期になった。

道の駅阿蘇のサイクリスト専用駐車場に着くと今日のライド参加者よりウェアの選択に悩むと言われていた。私の装備はモンベルの冬用アンダーに起毛ジャージを着て厚めのウィンドブレーカー、それに頭までカバーするネックウォーマー、下はビブタイツに少し厚めのソックスの上にアソスのオーバーソックス(廃版)でシューズカバーはまだしていない。グローブは冬用でラファのコンパクトに収まるウィンドブレーカーをジャージのポケットに入れて最後の防寒具とした。

今回の参加者は県内から3名と大分から1名の4名を下城さんと井上君と私の3人で案内した。コースは11月8日に開催されたランとバイクでタイムを競う阿蘇ヒルクライムレースを試走し、ガス規制がなかったら火口へ上って南阿蘇から日ノ尾峠や黒岩峠を考えていたが、曇り空で想像以上に寒さが厳しく、日が高くなっても気温が上がらないため、峠道を避けて南阿蘇を巡って長陽方面から帰ってくる最近の定番のコースとした。

阿蘇ヒルクライムレースのスタート地点となるいこいの村跡から、ゴールとなる草千里展望所まで「試走」なのでそれぞれのペースで走ってもらった。赤水線合流地点から勾配がきつくなりウィンドブレーカーを抜いて最後尾から走っていると、前を行くみなさんの吐く息が湯気のように白いのが久し振りの光景だった。ゴール地点の草千里展望所は風が冷たく急いで火山博物館へ行った。トイレ休憩の後、中岳火口へ行く公園道路を眺めると車が上っているのが見えたので早速行ってみた。風向きによりいつ封鎖されるかわからないゲートの入口で体温測定をして1.4キロ先の火口へ向かった。最大19%の坂は何度も上っているがキツイ。しかし、火山岩と砂の世界が広がる異様な景色はいつも新鮮で車で見るのとは多分大きな違いがあると思う。(「多分」というのは自転車以外で上った記憶はないから)

到着すると自転車を停める先の橋の手前で立ち入り規制になって火口には行けなかった。風向きによって火山ガスが観光エリアに流れてくるので4つのゾーンごとに規制になっている。いつもは公園道路に続くゲートが閉ざされている場合が多く、この日は火口近くまで行けただけでもラッキーと思っておこう。

火口駐車場の草千里方面のビュースポット。寒くて写真を撮ったらすぐ下の阿蘇山西駅でホットの缶コーヒーを飲みに降りた。たった1.4kmだがこの下りが寒くて仕方ない。西駅で一息入れて吉田線のダウンヒルで小池水源までの14kmの下りに備え、ネックウォーマーで顔を覆い、ポケットに入れていたウィンドブレーカーを着て、薄暗い600mの火の山トンネル用に前後のライトを一番明るくして下った。

小池水源から阿蘇白川駅の駅舎カフェ「Café 75 th st」へ。
さすが南阿蘇、ポカポカして先ほどの極寒気分が消えた。休憩していると7分後にトロッコ列車が来た。

何度も訪ねているがこの雰囲気にホッとなれる。

無人の阿蘇白川駅には犬小屋がありそれが駅長のワンちゃん。今は不在ですが午後から出勤ということを説明するトロッコ列車の運転手さん。いつも乗客を迎えるカフェのお母さんは私たちのコーヒーの準備で忙しい、なので私たちが乗客に手を振って見送った。

12月20日(日)13時よりここでクリスマスソングの演奏会がある。駅舎にあるピアノとギターとサックスを持ってこられるプチコンサート。3年後の南阿蘇鉄道の全線開通まで沿線のみなさんや鉄道のファンの方がこのような地道な活動を続けられている。トロッコ列車は阿蘇の重要な観光資源でもあり時々訪ねて飲食や見送りという応援をしたいと思っている。このあとパンダイゴでランチのあと新阿蘇大橋の架け替え工事の現場を見て、一直線の農免道路を全力で走って15時道の駅阿蘇へ到着。これ以降の時間帯の阿蘇はグッと冷えるのでこのくらいのゴールが無難、まだ割引券をもらった道の駅阿蘇のソフトクリームを食べる気分は残っている。

八重州出版の自転車専門紙「CYCLE SPORTS」の今期2回の掲載のための取材があり2週に渡って案内と実走をしてきた。

阿蘇白川駅では平日だったのでトロッコ列車は運行していなかったが普通列車のいい感じの写真が撮れたようだ。

ゆったりとした気分で朝食を食べることが出来る坊中線沿いの「あそら食堂」は自転車乗りに貴重な店。自然素材の定食から、おにぎりやみそ汁の単品もあり、サイクリストに秘かな人気。

創業明治3年の高森の「阿蘇まるきち醤油」の「しょうゆ最中アイス」は、サイクリングの途中で食べたアイスの中では断トツの1位ではないかと思っている。サクサク最中は口の中にまとわりつかず爽やかで甘塩っぱいアイスに絶妙、鼻孔をくすぐるほのかな醤油フレーバーは小豆島を思い出した。

天気が心配だったが、粘りに粘って極めつけの写真が撮れたようだった。
CYCLE SPORTS誌連載の「ニッポンのじてんしゃ旅」シリーズ第1弾として「しまなみ海道」がムック本になり、滋賀のびわ湖、大分のやまなみハイウェイなど6冊がシリーズ本として出版されている。7冊目のムック本に阿蘇特集が決まれば、阿蘇の自転車旅コースと立ち寄りスポットを網羅した、完全保存版の阿蘇サイクリングガイド本が実現するので、是非とも活字としての最終目標としてムック本作成を目指したい。

阿蘇ヒルクライムレース赤水線合流地点を走るライドのトップ通過者、ゴール後の平均時速は23.7km。

阿蘇山へ上るメインルートとなるパノラマラインの坊中線(北登山道)を一部封鎖し、九州在住者限定でランとバイクの阿蘇ヒルクライムレース「RUN&RIDE阿蘇ヒルクライムモニター大会」が11月8日に開催された。ボランティアとして参加したので、真っ暗な中での受付の一部と赤水線合流地点の立哨、火山博物館でのバイクの表彰式とランの選手のマイクロバスの乗車案内以外のことは知らなかったが、選手のみなさんの満足度は高かったように感じていた。

大会のコースは、スタート地点のいこいの村跡地からゆっくりとした勾配の杉林の中を進み、最大12%の上りを含む3.5km、平均斜度4.5%で坊中線に合流、そこからは牛馬が放牧された眺めのいい阿蘇らしい景色が広がる4.8km、平均斜度5.1%で足切りとなる赤水線合流地点からは厳しい上りコーナーが続く。特に長い直線の上りは気持ちが折れそうになり私が一番苦手なところだ。2.8km、平均勾配6.7%で草千里展望所の上りゴールとなる走行距離11.1km、獲得標高592m、阿蘇のど真ん中をコースにしたランとライドの競技だ。

ランニングの部
男子優勝47分05秒
ライドの部
男子優勝28分48秒

ランニングの部
女子優勝53分23秒
ライドの部
女子優勝43分47秒

後日開催された意見交流会において、参加者の意見や安全性、運営方法の確認、及び全体の流れや改善点などの報告により、本大会も実現可能と判断され来年春に第1回大会を行うことで決定した。想定では熊本地震復興祈念として開催されている南阿蘇から吉田線(南登山道)を上る阿蘇パノラマラインヒルクライムレース(熊本県自転車競技連盟主催)との2日間のサイクルイベントとして計画されている。

コロナ渦のなか苦悩の末に急きょ開催された経緯として、熊本地震による阿蘇復興をスポーツとして一日でも早く発信するために決定されたのではないかと感じている。そして、熱い思いの実行委員会のみなさん、地物企業・商店の応援、熊本県自転車競技連盟のサポート、阿蘇警察署の協力など、様々な方々の力添えがあって夢が実現し、参加選手の皆さんのアンケートの約9割が「来年も出たい」という満足度の高い大会であったことが来年以降の本大会に向けて何よりの自信になったのではないだろうか。

「RUN&RIDE阿蘇ヒルクライムモニター大会」
» RUN&RIDE阿蘇ヒルクライム (local-gain.com)

 

☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆

 

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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

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あかうしのあくびvol.26

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