コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇サイクルガイド養成講座」

コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
高橋氏をお呼びしての、ガイド養成講座の様子をお送りします。

北海道・ニセコ地区を拠点に主に海外富裕層向けのスキーやサイクリングツアーのガイド事業を展開するアーチ社代表の高橋幸博氏のサイクルガイドセミナーが、阿蘇サイクルツーリズム学校コギダス協議会主催のもと、道の駅阿蘇で3日間のスケジュールで開催され参加してきた。高橋氏はサイクルツーリズム事業の第一人者であり、単にサイクリングガイドを対象としたセミナーだけではなく、地域プロデューサー・スポーツツーリズムプロデューサー・インバウンドサイクルツーリズムなど、高橋氏の豊富な経歴をもとに観光事業者や行政関係者等にも今後の事業推進や地域振興を目指すプログラムになっていた。特にサイクルツーリズムガイドの実例やノウハウ、サイクリングツアーに必要な知識を幅広い見地から学ぶには絶好の機会であり、私が案内して毎月開催する「阿蘇満喫ライド」をガイドするメンバー5名は全員参加した。また、Withコロナ時代のガイディングも貴重であり、自信を持って開催するための役割の徹底と、観光メニューと連動したサイクリングツアーの行程作りは時間をかけて行われた。

英国サイクルアパレルVelobiciのアンバサダーはKinofit木下さん、石垣美帆さん、そして高橋さん、私も道の駅阿蘇サイクルアドバイザーになってから就任しており初めてのツーショットとなった。

養成講座2日目は走行実技
高橋さんのニセコで培った持論である「地域に根ざしたガイドによる質の高いサービスが富裕層のリピーターを作る」を念頭に高橋さんをお客さんに想定して各自がガイドサービスを行った。

※12月1日に熊本県よりコロナウイルス感染リスクについて特別警報が発表されました。全国的にも感染が拡大し、大都市においては急増している地域もあることから、募集して開催する「阿蘇満喫ライド」は来年2月末まで中止することにしました。よって阿蘇に春の訪れを告げる野焼きがある3月から再開します。なお、プライベートライドや取材や試走、健康維持のためのサイクリング等は従来通り続けますのでどうぞよろしくお願いします。

自他ともに認める晴れ男の高橋さん、絶好のサイクリング日和となり阿蘇パノラマラインの坊中線へ行った。

阿蘇の草原の風景には感動の声の連続だった。

まず私から高橋さんへガイド案内
「草原の牛や馬には所有者を示したら、怪我をしていないか見回る際に遠くからでも見分けられるように背中に番号やアルファベットが書かれていますが、さてどんなものを使って書かれているでしょうか?」

高橋さん「・・・・マジック?」

「答えは毛染めです。人体に害が無いよう牛や馬にも安全です。」
高橋さん「いい説明ですね、放牧の牛や馬を見る視点が違ってきましたよ。」

続いて町古閑牧野組合で仕事をしている18歳のショウ君の説明
「阿蘇では毎年3月になると草原に火をつけ、草原に残る枯草を焼く『野焼き』が行われます。野焼きによって新しい草ができ、冬の間の牛馬の餌とするための草刈り作業もしやすくなります。野焼きをするためには、周りの林や建物に火が燃え移らないように草を帯状に刈込んで防火帯を作ります。この作業を『輪地切り』と呼び夏の終わりから秋にかけて行います。野焼きは1000年以上の歴史があり草原では放牧が行われ人々の暮らしと強く結びついていました。この野焼きをくり返してきたことによって今の草原があるんですよ。」

高橋さん「来年3月の野焼きは必ず見に来ます!」

下城さんからは
「阿蘇地域には約160カ所の牧野があり、野焼きは牧野ごとに牧野組合員や地区の方によって行われています。しかし、農業の変化や農業従事者の減少により野焼きをする人が減り草原の面積は減り続けています。現在はボランティアの応援により野焼きは実施されています。草原を守るためにはボランティア活動以外に、阿蘇に牛が増えることで草原の利用が増えるという「牛を増やすこと」と、草原の文化にふれ地域と草原の関わりを知ってもらうという「草原に親しむこと」があります。そこで阿蘇地域の貴重な観光資源である阿蘇の草原を有効活用していくことを考え、草原の魅力やそこでしかできない特別な体験を提供する取り組みを始めています。普段は許可がないと入れない特定の牧野に特別に入ることが許された案内人(牧野ガイド)が、トレッキング(草原トレイルウォーク)やサイクリング(草原ライド)を通じてここでしか体感できない特別な体験を提供し牧野の維持管理も積極的に力を入れて活動しています。」

高橋さん「草原ライド、是非試してみたいです!」
下城さん「ちゃんと今回の予定に入れてますよ。」

このような通常行っているガイド案内をやりながら高橋さんから意見を頂いた。サイクルスポーツのフィールドとしては、他にはない阿蘇カルデラの景観と走る楽しさを兼ねており、専門のサイクルガイドが育成された2、3年後が楽しみな地域であると目を細めて言われた。

パノラマラインのダウンヒルを楽しんでもらい昼食場所へ行った。

混み合う時間を外して13時過ぎに「蕎麦処阿蘇の風」へ到着、「ミシュランガイド熊本2018」でミシュランプレートに掲載された店だ。

「サイクリストは蕎麦だけでは物足りない」そこでお得(徳)なフルコースを注文。

別注で北京出身のお母さんが作る「そば水餃子」
蕎麦粉を練り込んだ皮に豚肉や野菜の具を包み込みお湯で煮込んだ絶品のそば水餃子に高橋さん「美味しい」の連発

フルコース1品目はそば豚角煮まんじゅう
蕎麦粉を練り込んだ生地にトロっと煮込まれた豚角煮、蕎麦屋という蕎麦粉料理屋、さすがのミシュランプレート選出店。

ここでお父さんが作る蕎麦登場、迷いに迷って選んだのは人気の焼き鳥掛けそば、走ったあとには九州産鶏もも肉の焼き鳥と、香ばしい焼きネギが太めの面に絡んで最高に美味しい。最後に蕎麦湯で溶いた杏仁豆腐がこれまた絶品で高橋さんも大満足の阿蘇のミシュラン店だった。酒類のメニューも豊富で次回ハンドルキーパーと来たときは「焼酎のそば湯割り」を試してみたいものだ。

午後から小嵐山に上って水田地帯に点在する5~6世紀に築造された中通古墳群へ。いつも阿蘇満喫ライドで参加してもらう女性ガイドのミユキさんのここでの案内は、「小学校の遠足でいつも来ていたところです。あの頃は高い山だと思っていましたが自転車なら一瞬ですね。この風景を眺めながらお弁当を食べていましたよ。」こんな案内が地元ならでは、ほのぼの感に浸れる。

次は阿蘇神社へ
2016年の熊本地震により18mの楼門と拝殿が全壊し3箇所の神殿を損傷、復旧工事の完成は2023年末。ちょっと来なかった間に上に銅版が施工され木造の鳥居が北側と南側に出来ていた。

「阿蘇神社は熊本地震によって壊れました。そのことは神社の建物が身代わりになってくれたので被害は少なくて済んだと近くに住む人たちは言われています。」
『阿蘇神社の参道は阿蘇山に向かって真っすぐ南方に伸びて、その先は阿蘇山火口になり北側延長上には北外輪山の麓にある国造神社が位置しています。阿蘇山火口―阿蘇神社―国造神社は、南北を一直線で結ばれていることから「聖なるライン」と言われています』と説明するのは下城さん。

高橋さん「あまり知らない神話や難しい歴史のことより地元の方の熱心な信仰や神秘的な説明が今風で胸にストンと落ちますね。」

阿蘇神社から続く門前町を散策

今日はお腹一杯なので食べ歩きはしなかった。

明治時代に建てられた旧洋裁女学校跡へ
ここには校舎を利用したお洒落なカフェや雑貨屋があり、今回は英国のアンティーク家具やステンドグラスの専門店「TOMMY’S」を訪ねた。

「廊下」には英国から直接買い付けたステンドグラスが並ぶ

高橋さんのお気に入り。
美しく上質な感じなので値札を見ると、びっくりだった。

「教室」には英国製アンティーク家具や、フランスの雑貨、ステンドグラスで懐かしいレトロな空間になっており、サイクリングの合間の気分転換として高橋さんも居心地良さそうだった。掘り出し物に出会ったらあとで再訪して旅の想い出にいいかも知れない。

3日目は17時からの座学の前にE-MTBによる草原ライドへ案内した。
まずは草原に入る前にタイヤと靴を口蹄疫予防のため石灰で消毒。通常は放牧地のためこのようなルールを厳守するため牧野ガイドが同行しないと草原ライドは出来ない。
また、牛の健康を守るため、草原付近ではゴミゼロを目指して清掃活動による啓蒙も組み込んだライドにしている。

ここが今から走る町古閑牧野、他にも下荻の草牧野と西小園牧野の3箇所が草原ライドのフィールドになる。

準備OK!
高橋さんがリスペクトされているトライアスリート福元哲郎さんの決めポーズ

広々とした草原が貸し切り
E-MTBはこんな上り坂でもアシストパワーでグイグイ上ってダウンヒルを楽しめるスキー場のリフトのようなものだ。

下りもゆっくりと行けば、太いタイヤと油圧式の軽いディスクブレーキで安全、慣れた人はそれなりのスピード感でスリル満点、上級者はレットブル並みに、ぶっ飛ぶ。

西小園牧野からはカルデラの様子が一望できる。

E-MTBの草原ライドは高橋さんの18年のガイド経験のもと、「最高に楽しい!」と、お墨付きをいただいた。E-MTBによるアシストパワーは参加される方の体力の差を解消し、同じコースを遅れることもなく一緒に楽しむことが出来る。ゴルフ場の芝生のように見晴らしのいい草原は、フカフカしているので落車しても怪我する可能性は低く、歩行者や車両、それに岩や樹木もない安全が担保された日本で唯一のサイクルスポーツのフィールドと評価された。ニセコは冬季がスキーで雪のない期間はサイクリングで楽しめて年間通したアクティビティが揃っている。阿蘇は厳しい寒さの冬がオフ期になり、観光業は諦め、雪化粧したフォトジェニックな白い阿蘇山の絶景を見に来る人はほとんどいない。しかし、冬季に何度か草原にMTBで走るにはちょうどいい積雪がありスノーライドを楽しむことが出来る。雲海もいつも見れるわけではないのに阿蘇サイクリングや観光の看板のひとつになっている。このように考えると草原のスノーライドも多様な可能性を秘めているのではないかと思う。ニセコから雪を持ってくることは出来ないが高橋さんとの連携はゼロではないだろう。今後は自転車のコミュニケーションツールによって阿蘇サイクルツーリズムの多様な可能性の追求ができたらと思っている。

Riding on snow field is one of the best bike riding activities in ASO!

Andare nei campi innevati in bicicletta, è una delle migliori attività in ASO!

 

 

☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆

 

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あかうしのあくびvol.26

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