道の駅サイクルアドバイザーの「コルナゴ部長」こと中尾公一さんからサイクリングレポートが届きました。今回は4月7日のブログ「走って、飛んで、食べる、阿蘇ライドのペアリング」の 後編になります。
陸も空も満喫の遊び場にしてしまう、ラグジュアリーな阿蘇ライドをお楽しみください。
Asukaさんと大久保さんの3泊4日阿蘇ライドの後編。
前編2日間の阿蘇ライドのペアリングに選んだのは、新たな飲み物として可能性を秘めた八女伝統本玉露体験と、追及した地元の食材によるシンプルだけど真似できないイタリア家庭料理だった。e-MTBで阿蘇火口と本塚を走ったあとは、阿蘇の人と交流するギター演奏付のBBQ、そして自転車乗りの条件を満たすゲストハウスの一夜だった。
後編2日間は、19歳の青年ガイドが案内する草原ライドとグランピング気分の草原ランチ、最終日は空からラピュタと天草五橋を眺め天草空港に降りて極上の寿司でランチという阿蘇ライドのペアリング体験を紹介する。
Asukaさんは弱虫ペダルのファンで2015年に上映された「劇場版弱虫ペダル」の聖地を空から眺めようと軽飛行機「エアロスバル」を自分で操縦された。大久保さんは総北ジャージをサプライズでAsukaさんにプレゼント、終始笑いと歓声がやまない「2021弱虫ペダルライド」となった。
道の駅阿蘇をスタートする前のサプライズは、隣の阿蘇駅でクルーズトレイン「ななつ星in九州」の発車に合わせてのタイムスケジュール。機関車の連結シーンは見ごたえあり。
大喜びで写真を撮られたAsukaさんは、撮った以上に撮られたようだった。
草原ライドの案内は「あそたんガイドツアーズ」主催する釜崎笙君ことショウ君。コロナ禍によって海外で活動出来ないライターのお兄さんも取材を兼ねて参加され、e-MTBで町古閑牧野を5名で走り回った。
Asukaさんが乗っているのは、ショウ君が自分用に買ったスペシャライズドのフルサス(ダブルサスペンション)e-MTB。メリダとパナソニックのフルサスと悩んだ末に、体重の軽いショウ君にはパワーは劣るがフィット感と取り回しを重視した選択となったようだ。フルサスの走行感は絨毯の上を走っているようで極めて上質。また、押し歩きにアシストしてくれるウォークモードは草原ライドにジャストな機能だった。
翌日はこの牧野で野焼きが行われる。今シーズン最後の野焼き前の草原ライドとなった。
稜線を走ったらダウンヒル
こんな激坂でも普通に上れる。
午前中楽しんだ後は日陰のない草原にターフを張ってランチ!
弁当は道の駅阿蘇で買った2種類のあか牛丼、デザートに豆の木さんのパネトーネ、コーヒーと紅茶はストーブで火を沸かしショウ君が淹れてくれた。暖かい飲み物はアウトドアでは何よりの贅沢。ちなみに草原での火器の使用は厳禁だが、牧野ガイドのみ道の駅阿蘇に用意してある草原ライド用の消火器持参で使用できる。
午後からも元気よく走った。
仕事を忘れるくらいの遊びじゃないとお勧めできない。
ショウ君のツアーは募集タイプ以外プライベートライドなので安心して参加できる。草原ライドなら走る場所も貸し切りなので安全プラス自由気ままに体験することができる。
また、地面は芝生みたいにフカフカしているので落車しても外傷を負うことは少ない。
e-MTBをレンタルするとヘルメットも付いているのでスニーカーさえあれば参加できる。
ただし、もしものことを考えて、脊髄を守る「バックプロテクター」付きのバックパックで走ることをお勧めする。頭と脊髄を守れば何とかなる。ヘルメットの装着はお辞儀してヘルメットがぐらつかないよう紐で調整、バックパックはショルダーベルト、ヒップベルト、チェストベルトの3箇所で身体に固定することが大切。私はロードバイクの場合、車が少ないルートのヒルクライムが多いので、余計なものは持たない主義だが、MTBの場合、荷物はなくてもウィンドブレーカーなど適当な物を入れて必ず走るようにしている。遊びはスリルを安全に楽しむべきである。すべての装備を知恵に置き換えることである。
心地よい広大な草原で、e-MTBのアシストにより全員遅れることなく一緒に走って、ダウンヒルはそれぞれのスピードとコースを選んでそれぞれのスリルを体験することができる。タープを張った草原でのランチは格別に美味しく、「単に走るだけでなく優雅な時間を過ごせた」というのがみなさんの感想。阿蘇ライドのメインとなる草原ライドはひとまず終了。明日のペアリングは空から眺める阿蘇と天草である。
翌日の最終日。ちょっと風はあるが天気良し。熊本空港近くのフライトクラブで待ち合わせて駐機場に行くと今日乗る機体がこれ、300機製造されたエアロスバルFA-200。これでラピュタを見て天草へ行ってランチするなんて夢のよう、それもAsukaさんの操縦、いったいどんな人なんだろうと今更ながらの驚きだった。
この機体は背面飛行やアクロバット飛行も可能な装備
隣には前回エアシェアで乗ったスバルブルーのエアロスバル、何となく愛着が感じられる。
実は直前に知ったのだが、株式会社エアシェアのサイトのモデルをAsukaさんがされていて、偶然の繋がりというかびっくりだった。
株式会社エアシェアAirShare
Asukaさんの隣にはライセンスを取ったときの教官がサポート。軽飛行機体験は1ヵ月前にもやっているので、乗り方やヘッドセットの使い方、操縦する人の計器類のチェックや管制塔とのやり取り、滑走路へ進入許可が出てから離陸するまでの流れが分かるので、その間の徐々に期待が高まっていく様が楽しめた。
いよいよ飛ぶよ!
軽飛行機は離陸も着陸もあっけないほど浮かんで降りる。旅客機のあの座席に押し付けられる感じはない。
立野の上空を飛んで阿蘇平野からラピュタを捜すが、野焼きで北外輪山はみんな同じように見えていたが崖崩れの跡が目に留まった。
「あれです!」
旋回してミルクロード上空から近づく。
これだ!
これがラピュタだ!
手前のカーブが展望スポット、
先のカーブが突き出した半島、
激しく崩れてる!
弱虫ペダルファンのAsukaさんの声が大きくなる。
ここは劇場版の中で感傷的なシーンとして使われたところだ。
体中に鳥肌が立った。
無残な姿に・・・
2016年4月14日21時26分 震度7の熊本地震、そして16日1時25分に強烈な本震が熊本を襲い甚大な被害となった。ここラピュタもこのように至る所が崩壊し、この峠道が開通することはなく今後も通行止めのままとなる。
私がラピュタを最後に走ったのは2日前の4月12日、そして私が知る自転車乗りとして最後に走ったのは、地震当日17時間前の4月14日4時14分撮影されたこの方。
雲海を突き抜け、最後のラピュタに上った、佐賀のジャイアントとビアンキ乗りの、弱虫ペダルファンの女性2人だった。
2度旋回してもらった。
想いのある方は空から、是非。
2012年10月にここをヘリで飛んだエントリーがあるので見比べると違いが分かる。
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅 コルナゴ部長阿蘇天空に舞う 其の二 (fc2.com)
天草へ向かう。
山があると気流で揺れるが平地や海岸線はほとんど揺れない。
五橋が見えてきた。
弱虫ペダルファンのAsukaさんの興奮した声がヘッドセットから聞こえてきた。
ここは劇場版の中の1日目のコースとなったところだ。
阿蘇の山もいいが天草の海の景色も素晴らしい。
青い海は空から眺めるとキラキラ不規則に輝いて目を奪われた。
天草空港と連絡を取り合い着陸許可が出た。
ヘッドセットから聞こえるこのやり取りも空の旅ならではだ。
天草空港の滑走路が見えてきた、小さい。
着陸、飛行機もヘリも1機もない。
NO3の駐機場を案内された。
ここの駐機場は3機までで、それ以上は来れないので早めに予約されたようだった。
2階の事務所で着陸料だろうか、1,000円ちょっと払われていた。そのまま空港駐車場に行き、駐車してあるフライトクラブの車で本渡市内へ行った。
ランチで訪ねたのは「蛇の目寿し」
醤油で食べるのはブリのみ、ウニと車エビは天草ならではの美味しさ。予約していなかったので少し時間がかかって天草窯元巡りできなかった。
3時間天草に滞在して熊本空港へ
離陸の際には消防署の方が手を振って見送ってくれて、ほっこりという気分になった。
陸が見えながらの飛行だと道路や建物でどの辺にいるのか分かるので面白い。
この日は御船のコストコのオープンの日、渋滞した車や満車の駐車場まで見えた。
10時00分 フライトクラブ集合
10時30分 駐機場へ
11時00分 熊本空港発
11時10分 ラピュタ上空
11時40分 天草五橋
11時50分 天草空港着
14時55分 天草空港発
15時30分 熊本空港着 解散
阿蘇と天草のフライトは実に内容が濃く新たな体験の連続だった。
熊本空港からラピュタまで10分、そこから天草五橋を経由して空港まで40分、3時間天草に滞在して熊本まで35分というフライトだった。集合から解散まで5時間30分の空の旅と天草滞在は、車で来る際の渋滞も長時間の運転もなく快適そのもの、まさに時間をお金で買う体験だった。ランチで訪ねた蛇の目寿し以外にも、奴寿司・はなれ利休など魅力的な店が豊富にある。また、天草と言えば1日では回り切れないほどの窯元巡りだが今回は時間がなく残念だった。天草陶石は、単体で磁器を作りことができる世界的にも珍しい陶磁器原料で、全国の生産量の8割を占めており、全国の陶芸家より広く使われている。
空の旅は新阿蘇大橋がある立野付近は、両側が山になるので気流が乱れて揺れることがあるが、阿蘇平野、熊本市内、天草まで居眠りしそうなくらい穏やかだった。空から見るラピュタは、一度走ったことがある人や、弱虫ペダルファンの方なら、私と同じように鳥肌が立つような感激になるに違いない。弱虫ペダルファンのもうひとつのスポットの天草五橋は、波と光で輝く海と、絵にかいたような島と島を結ぶ構図は空からの眺め以外見ることができない光景だった。
今後のアジア富裕層向けのツアープランとしても可能性があるかも知れない。外国人、アジアからの旅行者は、欧米豪と違い、ゆっくりとホテルや旅館で「時間を楽しむ」というよりも日本人と同じように「巡る」ということが旅の前提にあると前職の体験でそう思っている。
コロナ収束後に主たる客層となるのは近隣国の中華圏や東南アジアの旅行者になるだろう。そうなると阿蘇だけで完結する滞在型プランには無理があり、満足度を上げる「素晴らしい体験」をさせてあげるために、日帰りのエアシェアは魅力的な存在になるのではないかと前回の「空から眺める阿蘇ライド」と今回の「阿蘇ライドのペアリング」体験でそう感じた。
予算についてはロブションが認めたお茶体験が3000円台、放牧豚のイタリアン料理が5000円台、阿蘇の草原ライドがe-bikeと草原グランピング付きで9000円、エアシェアは3名集まれば30分飛んで20000円でお釣りがくる。あとは宿を今回のようなお得なゲストハウスにするか、温泉旅館やホテルにするか、旅の目的に応じて選択すればいい。
3泊4日の阿蘇ライドのペアリングに参加した2名は大満足だった。その笑顔を突き詰めれば、お茶の木屋さん、味噌汁のふみちゃん、イタリア家庭料理の菊池さん、カルキBarの軽木さん、ゲストハウスの森さん、草原ライドのショウ君だった。星野村、菊池市、それに阿蘇のみなさんのおかげで2人は阿蘇の風景の一部になることができた。やはり旅は出会った人だ。手のひらでころころと遊ばせてくれた人にまた会いに来られたいい。
こちらが空からのラピュタの道です
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こちらが天草空港へのランディング映像です!
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こちらが天草五橋の空からの眺めです!!
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