阿蘇から高森に向かう国道265号線沿いには、見渡す限りの広大な草原が広がっています。これらは、地元の団体によって管理されている私有地であり、主に家畜の餌や放牧に使用されている牧野です。美しい景観に加え、地域の神話を育む特殊な形をした岩があり、訪れる人の好奇心を惹きつけています。
この場所は「町古閑」と言われています。
牧野は阿蘇の宝の一つであり、常にメンテナンスが必要です。残念ながら、この牧野を管理する人は年々減少の一途をたどっています。市原啓吉さんは管理する一人で、私は彼と一緒に「町古閑」のガイドツアーに参加することで、牧野の実情を学びながら、草原を楽しむことができました。
最初に見学した場所は丘の上で、近くの根子岳の雄大な景色が見えました。写真を見ると、「草小積み」と呼ばれる藁の山のようなものが確認できます。これは、牛の飼料として使用するために、草を保存する伝統的な方法です。残念ながら徐々に減少している風物詩ですが、秋から春先にかけて、まだ阿蘇地域で見ることができます。
https://www.aso-denku.jp/event/2021/01/0129kusakozumi/
次に場所を移動して、「牧野」の管理の問題点についてお話を伺いました。毎年この広大な草原は、雑木林になるのを避けるために2月から3月頃には、草原に火が入れられます。野焼きと呼ばれる活動です。毎年、ボランティアとして野焼きに参加する人の手を必要としています。新鮮な牧草を育てることができるので、これらのエリアを放牧に利用しています。
地元農家が放牧などに利用するため、普段は許可がないと入れない町古閑牧野ですが、特別に入ることが許された案内人(牧野ガイド)が“歩く”、“サイクリング”を通じて、ここでしか体感できない体験を、皆様に提供する事業が平成30年度よりスタートしています。もっと詳しい情報は牧野ガイドのホームページをご覧ください。
https://www.aso-denku.jp/bokuyaguide/
ご紹介したように、町古閑には国道から見える珍しい形の石もあります。人面岩は、太陽の位置や日陰によって特徴が強調された人間の顔の形をしています。一時、小泉元首相の顔に似ているという声もありました。箱石はその名の通り重箱を三つ重ねた箱の形をしています。
町古閑牧野は自然が好きな人にはたまらない牧野です。阿蘇に来るときはぜひ町古閑牧野も楽しんでください!
■町古閑牧野(人面岩)
フランク