肥後の国1592m阿蘇ヒルクライム

フリーペーパー「あかうしのあくび」連載5回目は、阿蘇観光のメインとなる阿蘇パノラマラインのヒルクライムコースの紹介です。阿蘇パノラマラインは、カルデラの中央に位置する中岳火口や阿蘇五岳を西と南と北から上る登山道路の総称で、五岳を横断する県道111号の北側の坊中線、同じく111号の南側の吉田線、西側の県道298号の赤水線の3本の道路路線で構成され杵島岳の西側の丁字路で合流します。

 

各路線とも見晴らしのいい草原を通るため、阿蘇五岳や火口原を展望するスポットが連続し、車の場合は駐車するところが限られているため自転車で周回するのが最も適しており、ヒルクライムのツラさを忘れさせてくれます。特に坊中線では牛や馬が放牧されていますので、最も阿蘇らしい景観を、好きなところに停まって、眺めるなり写真を撮るなり楽しむことができます。

また、火山活動を続ける中岳火口もガス規制が無ければ行くことができます。その景色たるや一帯が赤茶けた岩石と砂の世界は、まるで惑星に舞い降りたかのような気分になります。

コースは道の駅阿蘇からスタートし、草原の風景、阿蘇の山塊、阿蘇平野を見下ろす雄大な景観がセットとなって目を奪うヒルクライムの9.6km・平均勾配4.8%の坊中線と、米塚の前を通り豪快なダウンヒルが満喫できる赤水線は、国道57号まで行くと車が多く新阿蘇大橋は歩道の押し歩きが無難なので、猿まわし劇場を過ぎて149号に左折し熊本地震で被害の大きかった南阿蘇村黒川地区を通って新阿蘇大橋へ行きましょう。

「ヨ・ミュール展望所」から橋の全貌と熊本地震を物語る断崖の立野峡谷を眺めます。ここにはトイレがありますので一息入れるのもいいでしょう。

南阿蘇方面に行く国道325号は車が多いためファミリーマートの信号から旧道に右折します。しばらく行くと南阿蘇鉄道の沿線になり長陽駅や中松駅など駅舎カフェに立ち寄ってみるのも南郷谷の魅力です。中松駅を過ぎ県道111号の案内標識を左折し325号を渡ったら吉田線になります。この交差点にもファミリーマートがありますので長い上りに備えて補給もいいかも知れません。吉田線には途中に薄暗い800mの日の山トンネルがありますので前後のライトを必ず点灯して走りましょう。

樹林帯を抜けるとつづら折りの道から南郷谷が一望できます。この先もノンストップの絶景が続く12.1km・平均勾配5.9%のヒルクライムになります。

3叉路に出たら阿蘇山上ターミナルでトイレ休憩や自販機で飲み物の補給もいいでしょう。火山ガスの規制が無かったら阿蘇山有料道路(自転車は無料)で中岳火口まで行くことができます。この1.2kmの上り坂が厳しく、平均勾配は8.5%、17%から最大斜度18.7%までの区間13mは足を付かずに上りきることを目標にしたいものです。

火口駐車場に着いたら係りの方が自転車を停めるところを指示されます。そこから少し歩くと火口になります。

火口を見学して特に感動すべき風景ではありませんが、駐車場側から見る草千里方面の眺めは素晴らしいの一言です。

このような景色を見ることができるのは世界でもそうはないでしょう。

火口から上って来た道の強烈なダウンヒルです。

草千里を過ぎたら坊中線パノラマダウンヒルの息を飲む絶景でハイライトを迎えます。

坊中線をそのまま阿蘇駅へ下れば64.5kmとなりますが、いこいの村跡方面に右折して阿蘇神社や門前町を経由して、今走ってきた阿蘇の山々を見ながら道の駅阿蘇へゴールします。

車が少ない一直線の道と田園風景も阿蘇の魅力です。またこのような道や阿蘇パノラマラインは、草原を通る道が多く日陰がないため真夏には早朝のスタートをおすすめします。また、阿蘇の朝夕は夏でも冷えますのでウィンドブレーカーを持参されることを推奨します。

走行距離73.4km、獲得標高1592mのアクセントに富んだ今回のライドコースは、阿蘇五岳の最高峰、高岳の標高1592m、語呂合わせで「ひごくに、肥後の国」に獲得標高を合わせてみました。是非、「肥後の国」を制覇しに阿蘇へお越しください。

 

 

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