フリーペーパー「あかうしのあくび」連載7回目のコルナゴ部長のサイクルレポートは、自転車雑誌「CYCLE SPORTS」に掲載された内容についてです。
春夏秋冬、それぞれに魅力ある阿蘇。阿蘇イチルートとこの記事を読んだらきっと、「ニッポンのじてんしゃ旅」を片手に出発したくなりますよ!!
阿蘇の雄大な景色を、たっぷりとご堪能下さい!!!!
今回は阿蘇をまるごと自転車で楽しむためのサイクリングガイド本の紹介です。自転車雑誌『CYCLE SPORTS』が提案する旅企画、ニッポンのじてんしゃ旅シリーズの第7弾となる『阿蘇サイクリングガイド』(八重洲出版・96ページ・1320円)が昨年10月発売されました。
シリーズを担当されているライターの栗山尚久さんとは、2008年CYCLE SPORTS誌の阿蘇サイクリングの取材からのお付き合いで阿蘇の自転車旅の情報を全国のサイクリストに紹介されています。この特集本は、2020年秋から季節ごとに取材チームが阿蘇に来られ、今まで紹介されていなかったエリアや、おすすめの道を効率よく取材してもらうため1年間ご一緒しました。
阿蘇サイクリングのメインルートとして設定されているのは、①阿蘇五岳一周ルート(阿蘇パンラマライン)と、②阿蘇北外輪山ルート(ミルクロード)になります。この2つを繋いだルートを「阿蘇イチ(阿蘇一周)ルート」と呼び、地元サイクリスト一押しの最も走って気持ちのいい阿蘇の道になり、阿蘇カルデラの地形の全体像を理解してもらうため立体地図や高低差MAPにより紹介されています。
平野部を巡るエリアには、③阿蘇谷ルートと④南郷谷ルート、北側のくじゅう連山に向かうやまなみハイウェイ周辺の北阿蘇エリアには、⑤産山ルートと⑥南小国・小国ルートの各2つが設定されています。阿蘇のオフロードコースとしては、⑦阿蘇谷グラベルルートと⑧小国グラベルルートが紹介されました。
私が個人的におすすめするのは、阿蘇ライドのリピーターの方でもほとんど知られていない紅葉の名所、菊池渓谷オプションルートです。これは私がよく走るコースで広葉樹のダウンヒルと走りやすい林道のアップダウン、そしてヒルクライムの練習も兼ねられます。阿蘇北外輪山ルートや阿蘇谷ルートに加えると今までの阿蘇にない新鮮な風景が楽しめると思います。
また、阿蘇くまもと空港から南郷谷へ輪行を想定したアクセスルートとなる西原オプションルートも作成されています。飛行機やJRで輪行するプランの参考として、ツール・ド・おきなわ50km年齢別カテゴリーで5回優勝の福島雄二さんや、ニッポンのじてんしゃ旅シリーズに初回からモデルをされている平野志摩子さん、本誌ライターの栗山尚久さん、それに私の2泊3日のモデルプラン(P52)が紹介されています。
なかでも上り坂が苦手の平野さんのレンタカーを使って坂は上らず、いいとこ取りで楽しむプランは幅広い方を対象に阿蘇サイクリングに挑戦できると思います。
噴煙を上げる阿蘇山は、火山活動の状況に応じて近くから遠くから、角度を変えて眺めることが阿蘇サイクリングの魅力です。紹介されている8つのルートと、サイクリング途中に立ち寄りたいカフェや食事のエイドスポット、宿泊施設や温泉情報など阿蘇のじてんしゃ旅のプランを立てる情報が盛りたくさんに収録されており、走ったことがある方は自分の足跡をたどり、遠征を考えている方はもちろん、阿蘇ライドに思いを馳せる方には楽しい夢想にふけることができるのでないかと思います。