コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました!!
10月26日(土)、27日(日)の2日間、道の駅阿蘇の第2駐車場で開催した「Demo Day in阿蘇」のレポートです。
春に続けて2回目となるスポーツバイクの試乗会「Demo day in 阿蘇」を10月26日・27日に道の駅阿蘇第2駐車場で開催された。今回の出店は、MERIDA、MIYATA、YONEX、MULLER、OnebyESU、KhodaaBloom、WHEELTOP、NESTOの8ブランドと、サイクルショップからTrekとORBEAの試乗車が提供された。
春に比べたら関東や関西の試乗会と重なって見かけはこぢんまりとしていたので新たな特典が考えられた。そのひとつとして、試乗したブランドの数に応じて抽選回数が増える「ガラポン抽選会」だ。空くじなしで1人最高6回ガラポンくじが引けるというサプライズもあって、来場された方は多くのブランドの試乗車に乗られていた。
Demo day in 阿蘇の魅力は、阿蘇五岳の雄大な景色を眺めながら走れることと本格的な試乗にあるだろう。試乗コースは会場の中の周回と、会場から出てパノラマラインの緩やかな上り2kmを往復するコースがあるので、会場内のコースを走って気に入ったバイクがあれば、踏み込んだフラット走行や、上りの軽快さ、ダンシング、下りのスピード感、安定性、ブレーキの感触など存分にバイクのポテンシャルを確認することが出来ることにあり、ガッツリ走っている方を多く見かけた。
また、事前予約で朝8時から3時間程度3つのコースを各10名試乗車で走ることが出来るライドも両日開催された。アテンドするのはMULLERのブランドマネージャーでNHKの「Cycle around Japan」に出演されているザック・レイノルズさんの旧街道コースと、2024年全日本強化指定選手であり乗鞍や台湾KOMに上位成績を残す牧瀬翼選手のヒルクライムコース、それに私のグラベルコースは毎月開催している阿蘇満喫グラベルライドを兼ねて開催した。
ザックさんの初日は春と同じ豊後街道コースで、2日目は箱石峠がある265号が昭和38年に開通するまで阿蘇谷と南郷谷を結ぶ唯一の道だった日ノ尾峠越えの古道を中腹まで走って、峠の麓の村跡にある天狗神社を訪ね、阿蘇神社と参道の門前町商店街に立ち寄るコースを走られた。
ザックさんのライドは小遣い持参になりカフェやスイーツ店に立ち寄られる。今回は阿蘇神社鳥居前の暖簾が歴史を語る「たしろや」の回転万十を賞味されたようだ。
次は純和風から洋というお菓子工房「たのや」の一口シュークリーム「たのシュー」も楽しまれたようだ。
牧瀬さんのライドはパノラマラインのヒルクライム。
まずは草千里、
続いて火口へ
牧瀬さん自身も初めての中岳火口まで上られて最高のヒルクライムコースになったようだ。
私のグラベルコースは、参加者が重なっていなかったので2日間とも田んぼ道を繋いで豊後街道とニベ塚周辺へ行った。初日、スタートすると雨も止んで、水たまりや泥道がアクセントの格好のグラベルライドになった。
2日目は晴天になり、水たまりやぬかるみは乾いて、まったく違うコースのようなドライコンディションになった。
内牧のマウンテンバイクパークへ立ち寄った。
ここはロードバイクでは厳しいが、グラベルバイクなら遊びのフィールドとして面白い。
豊後街道は戦後の植林で風景が閉ざされているが、阿蘇カルデラに不似合いな太陽光パネルが並ぶここだけは伐採さえているので参勤交代当時の風景が再現されている。
階段区間はMTBなら行けるが、サスペンションのないグラベルバイクは押し歩きになる。
グラベルライドのアクセント、担ぎ。女性や重たいバイクの方は手伝うのでご心配なく。
階段と担ぎ区間の先には、ヴェルベットの絨毯のように「フワッ」とタイヤが沈み込む竹林のグラベルが気持ちいい。
2日目のニベ塚から阿蘇五岳をバックに撮った一枚は逆光なのでシルエットになった。
参加者に高校生とカルデラに興味を持たれていた方がいたので裏側のニベ塚の麓に案内した。
そこは軽石の断層があるところだ。
軽石は溶岩が水の中でできる時の特徴であり、小さな軽石の層やバレーボールほどの大きさに集まった地層もあり、阿蘇谷がカルデラ湖だった存在を示す貴重なものである。ニベ塚の高所には通常の陸上溶岩が分布していて、阿蘇谷がカルデラ湖であった時代に水底で噴火し、山体が水面に出てからは通常の噴火を行ったことを示している希少度の高い場所だ。今後この一帯は阿蘇ジオパーク推進協議会と熊本大学により調査されると聞いている。
この日は草が茂っていたので以前撮った写真で説明しよう。
2021年、小笠原諸島の海底火山の噴火により、大量の軽石が沖縄県や鹿児島県奄美地方の沿岸に押し寄せ、その後は関東や伊豆諸島沿岸等にも次々に漂着したニュースは記憶に新しいが、まさにあの時に映像で見た軽石の層が広がっている。
阿蘇谷がカルデラ湖だったのは約4万年前のこと、北外輪山の縁を縫うようなミルクロードから阿蘇谷を見ると、湖の先に阿蘇五岳が見えていたのだろうか・・・阿蘇満喫グラベルライドでは、カフェに立ち寄ったり食べ歩きも行なっているが、このようなカルデラの成り立ちや歴史の話も盛り込んで阿蘇の魅力が伝わるようにしている。
阿蘇駅前のウソップ像。この写真は私たちの前に並んでいたフランス人カップルに撮ってもらった。2日目は外国人の行列になっていたので諦めてそのままゴールした。2日間とも参加された方は満足の様子で試乗車で3時間走ることが出来る試乗会ライドと、11月の阿蘇満喫グラベルライドが終了した。
試乗されたグラベルバイクとのツーショットを紹介しよう。
MULLERのチタンとクロモリのグラベルバイクの試乗車で、大分から宿泊を兼ねて2日間参加されたこちらのご夫妻は、南阿蘇のペンションを素泊まりで利用されたそうだ。最近の旅館・ホテルの週末の料金は驚くほど高価になっているので、目的が試乗会ということは将来自転車を買う想定なので、宿泊費の節約は大切なことだろう。道の駅阿蘇の近くや車で30分以内に、ゲストハウスや民宿など手頃な価格の宿泊施設があるが、外国人の利用が多いため数か月前からの予約が必須になる。ちなみに来年の「Demo day in 阿蘇」は4月12日(土)・13日(日)と決まっているのでお早めに。
こちらはMULLERのチタン&ステンレスフレームに興味津々で春にも参加されている。即決しなくても1年、2年かけて悩む、迷うことも楽しみのひとつだろう。
MTBを愛好されているこちらも初めて乗るグラベルバイクにかなり興味を持たれたようだ。
このポーズを望まれた下城さんは、アルミフレームでカーボンフォークのNESTOのグラベルバイクを試乗、お値段何と138,600円(税込)。このような入門バイクもあるので試してみて幅広い選択、割り切った考えもできる。
午後からこちらも新たな企画として、ザックさん、牧瀬さん、そしてMULLER創設者でデザイナーでもある手塚よしこさんによる「自転車なになに講習会」も今回の魅力だった。
まずは、ザックさんによる「僕の輪行とライド時のトラブル解決法」。
テレビの撮影で全国を輪行されるザックさんならではの体験談が山盛りだった。でもザックさんでさえ最初の頃は輪行袋に入れる際にうまくいかないことがあったそうだ。そのために何度も練習すること、慌てないこと、几帳面が時間短縮につながること、これを学んだのでさっそく沖縄遠征に役に立ちそうだ。
手塚よしこさんは、アートな目線から金属フレームのバイクを提供されており、自ら設計とフレームの表面処理係を担当されていることから、「愛車の病気チェックと化粧直しのアドバイス」のタイトルで講話された。カーボンフレームの傷の重症度のチェックと、金属フレームの傷の初期対応を話されたが、その知識と経験はMULLERのバイクの価値を高めるものだった。人の寿命よりはるかに長く使えるチタンフレームと、宝石のようなステレンスフレームの美しさが響いてきた。
牧瀬さんの講話には多くの質問があった。ペダリング、ポジション、食事、補給食、コンディションの整え方の学びとレースの裏話は興味がそそられた。それと牧瀬さんに提供されているヨネックスのバイクとゴキソのホイールのことを聞けば、ゴキソは高価なので一部の人かも知れないが、ヨネックスのバイクは買いたい人が増えるに違いないと思った。
会場の空いたスペースを利用する取り組みとして、ウエアからビンテージパーツ、小物まで自転車好きのお宝探しとして掘り出し物を見つけるフリーマーケットを募集した。しかし、出店されたのは地元の方一店だけだったが、仲間の方と共同で出されていたので品数が多く、かなり売れており今後につながる企画になると感じた。
特にジャージ類は人気があり、価値が分からないリサイクル店なら100円程度の値付けに対し1000円、2000円で売れていた。来年春はタンスに眠っているベストやレインウェアー、ウィンドブレーカーなど出店したいものだ。
以上、本来の試乗会は全国で開催されていることと同じなので、「Demo day in 阿蘇」の魅力と新たな取り組みについて紹介した。来年は4月12日(土)・13日(日)に開催が決まったので、阿蘇ライドや観光のついでに、カップルや家族連れで来られてもいいかも知れない。今回、女性の方や子供さんが熱心に試乗されているのを見かけたが、メーカーの担当者とゆっくり話をされて、自分に合ったバイクに出会ういい機会ではないかと思う。
最後に今年の4月から毎月1回、阿蘇満喫グラベルライドを開催して、阿蘇のフィールドとグラベルライドの相性の良さを感じていた。参加される方も20名の募集に対してまだ10名程度だが、走行後の参加された方の満足感の様子に手ごたえもあって、今後も継続して実施することにより、オンロードとはまた違った阿蘇の魅力が伝えることが出来そうだと思っている。
写真は試乗して一番印象的だったNESTO KING GAVEL 。
グラベル専用コンポーネントSHIMANO GRXをフル採用、油圧ディスク、ドライブトレインは1×11速のシングル仕様で、フロント40t&リア11-42tという構成なのでオンロードでもオフロードでも楽しめそうだが、アルミフレームなので11.1kgとやや重いがロードバイクと違って速さや上りを競うものではないのでそんなに問題にはならない。
それよりバイクパッキングに最適なことも魅力だろう。ダウンチューブやシートチューブ、フォークにまでダボ穴が装備してあり、キャリアやバッグの取り付けもできるので、ロングライドやキャンプツーリングなど趣味を広げられそうだ。
もちろん、値段が高くなれば当然いいバイクは多いがコスパが優れて何と207,900円(税込)、なのでグラベル入門には最適ではないだろうか。このようなバイクとの出会いは試乗会ならではだと思う。高価になり過ぎて手が出なくなったロードバイクだが、実際オンロード、オフロードをゆっくり走ってグラベルバイクの魅力を感じれば良き買い物になるのではないだろうか。まあ、趣味のことなので慌てることはない。来年春の試乗会でお試しください。
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TEL:0967-35-5077
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