コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポート「貸し切り列車で行く延岡サイクリングツアー」が届きました。
サイクリングで汗を流して、美味しいものを食べて、飲んでと楽しい2日間のレポートです。ご覧ください
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3月1日にJR大分駅発の特別貸切列車を使った1泊2日の延岡サイクリングツアーとバスツアーが延岡観光協会により開催され、阿蘇満喫ライドを案内するガイド4名でサイクリングツアーに参加してきた。
このツアー2023年に大分駅~延岡駅区間の列車の1両を自転車利用者専用として、自転車を輪行袋に入れることなく、鉄道の車内にそのまま持ち込むことができるサービス「サイクルトレイン」として活用するモニターツアーが開催され今回が2回目となる。
最近では観光路線やローカル線活性化の一環としてもサイクルトレインの実施事例があり、近隣ではJR日豊線の大分~佐伯で定期的に運行し、佐伯市には、駅に自転車の点検・整備ができるサイクリングルームや、シャワー室、更衣室も設置するなどサイクルツーリズムを推進している。
サイクリングツアーを案内するのは、延岡市のひむか感動体験ワールド所属のミッチーさんこと三井寿展さんだ。延岡の山岳スポーツ、カヤックの川下り、サイクリング、そして延岡グルメを知り尽くした方である。
三井さんは現役のマウンテンバイクの選手であり、各地域でMTBの講習会をされており、2月23日に佐伯市の道の駅宇目にある宇目マウンテンバイクコースで講習会を開催され、阿蘇満喫ライドでも2月からMTBライドをスタートしたのでこちらにも参加してきた。山の斜面に造られた宇目のMTBコースは、全長950m、巾員2.0~3.5m、最大斜度19度(平均5度)、高低差46mになり、阿蘇でもこのような専用コースが将来出来ればと思っている。
4月12日・13日のスポーツバイクの試乗会「Demo Day in 阿蘇」でライドイベントを開催し、三井さんはマウンテンコースのアテンドを担当される。コースは最も阿蘇らしい野焼きが行われたばかりの真っ黒になった牧野になり、自分のバイクや提供は少ないが試乗車で走ることが出来る滅多にないチャンスなので早めにエントリーされたらと思う。(10名限定)
延岡サイクリングツアーに戻ろう。
前回は大分駅から乗車した。
リュックを背負って押し歩きで駅構内に入り、チラチラ視線を感じながらそのまま改札をパスして大分駅では自転車担いでエスカレーター、そしてホームで列車を待つという超非日常的体験に思わず笑ってしまった。
今回の延岡サイクリングツアーは、大分駅だけでなく佐伯駅からも乗車できたので阿蘇から近く便利になっていた。行きは最後尾、帰りは先頭の普通列車1両が自転車組の車両になり、サイクルスタンドとベルクロのベルトが用意されていたので適当なところに自転車を固定する。ひと息つけると、ここに至るまで痛快な乗車だったので盛り上がって修学旅行のような賑わいになった。ちなみに全員大き目のリュックだが、バンバンさんは身に付ける荷物はなく自転車のバッグ類だけ、さすがブルべ女子だ。
貸切観光列車なので鉄道マニアには嬉しい秘境駅「宗太郎駅」に停車した。ドアが開くと一眼カメラを持った年配の人たちが我先に出て行かれた。この路線の普通列車の停車は大分方面行きが6時39分と20時35分、延岡方面は6時54分の1本だけ、ななつ星in九州も停車するらしいが、その魅力は分からない。
一応ブラブラしてみたが、石に書かれたこれだけは、いいなと思った。
延岡駅到着、阿蘇とは大違い、暑い、冬装備で来たので困った。
戦前から豊富な水資源により宮崎県内屈指の工業都市として栄えた延岡市。旭化成創業地工場が建ち並び、その歴史により企業城下町として高度経済成長期前まで人口増加が続き、昭和30年(1955年)に約11.8万人とピークを迎えた。その後、都市圏への労働力流出に伴い人口減少が続き、現在は6.59万人までになっているものの、まちづくりの雰囲気は独特であり宿泊施設や食事処は街の規模からすると多いように感じる。
延岡駅前にはサイクルラックが用意され三井さんが笑顔で迎えてくれた。
40名のバスツアーと9名のサイクリングツアーを歓迎する地元の和太鼓の演奏が披露され、読谷山延岡市長の挨拶のあと一緒に記念写真となった。その後、バスツアーは2台の貸切バスで延岡のグルメツアーとして駅をあとに、サイクリング組はサポートカーに荷物を乗せられるのでその場からスタートした。
街中から旭化成の広大な敷地の工場群をぐるっと回って三井さんの練習コースに行った。途中、マラソン用の距離を示す標識が要所にあり、さすが旭化成陸上競技部の本拠地だと思った。脇道に入ると集団走行からそれぞれのペースで走った。車はほとんど走らない割には道幅が広い。人気はまったくない。アップダウンが続く。ここで三井さんは強さを維持しているのかと思いながら走って、こういうところもサイクリングするには面白い。
延岡の街中は一級河川の五ヶ瀬川と大瀬川の間の中州にあるため街中に立派な橋がいくつもある。少し上流に行くとこんな沈下橋も多い。
佐藤焼酎製造場到着、スタッフの方が優しく迎えてくれてサポートカーがあるのでショッピングにも力が入るが、リュックひとつなので帰りのことを考えなくてはならない。
このあと早めに昼食場所へ向かった。グルメの延岡を期待されている以上は美味しいところに連れて行きたい三井さんだが、総勢11名でいきなり入れる店はそうそうない。予約もなかなか時間通り行けないので店に迷惑を掛けてしまう。よって早めに行って少し待つのがベストという判断だ。
10分ほどで店に入れた。
注文は最初から決めないで、それぞれ好きなものを注文させるのが三井さんのツアーだ。なので料理が運ばれるまでそれなりに時間はかかるが、味もさることながら居心地のいい店を選ばれているので無問題なのである。
オープンして間もないピザとパスタの店だった。前回はチキン南蛮発祥の店と美味しいそば屋だった。夕食の居酒屋もだが三井さんは同じ店を選ぶことはない。私たちには常に新しい店を提供し、より多くの店に自転車乗りが街にお金を落とすことを知ってほしいと考えているのだろう。
昼食のあとは少し上りを入れたり、川沿いの道を走って街中に帰ってきた。
ここは前回も訪ねた創業昭和2年・和菓子の銘店「おがわ」。三井さん絶賛の店で補給食と試食を兼ねてこの時期限定のさくら餅が用意されていた。
物凄く美味しかったので、みなさん店内で買い物に夢中になった。売り切れの商品もあったので明日また来ることにして予約する人も多かった。三井さんのおすすめは、さくら餅、いちご大福、豆大福、いそべ餅・・・
いそべ餅を1個買ってみた。
とろーりの甘辛タレが海苔に巻かれた餅の中にたっぷり、これは美味しい!
10月になると例年熊本県山鹿市の小春農園の美玖里100%の栗きんとんが販売されるそうだ。これはちょっと押さえねば。緑川ダム近くのいきなり団子、ここのいそべ餅、それに栗きんとん、いつの間にか甘党になったようだ。
最後に女性におすすめの商品がある千徳醸造で買い物してホテルに向かった。
ミッチーさんのナイトツアーが始まった。食事処に行く前に希望者は0次会の提案があり「SANMON COFFEE&BAR」を訪ねた。キッチントレーラーでコーヒーやクラフトビールを提供する店で、テイクアウトやオープンテラスにて楽しむことができる。妹さんオーナーの「SANMON COFFEE&BAR」に続いて、隣接して空き家になった祖母の家を改装してお姉さん担当のCOFFEE部門が今月から店舗開業したそうだ。
懇親会は居酒屋「夜桜」。日向灘の海の幸、
揚げ物も絶品、右が「すり身のから揚げ」、その上にあるのが日向灘の地引網で獲れた深海魚「メヒカリの天ぷら」、中央にでんとあるのはご当地名物「チキン南蛮」、そして左が驚いたが「新物のタケノコの天ぷら」だ。ほかにも地鶏料理やサザエのつぼ焼き等々、素晴らしい料理が並んで大満足だった。
お酒はもちろん佐藤焼酎に千徳の日本酒。
このような席は久し振りだった。9月の大分サイクルフェス以来の自転車仲間との語らいだった。11月のツールド沖縄は雨で流れて、12月の忘年会シーズンは熱発者多数、新年会シーズンなると自身が謎の熱発で義兄宅での法事も断念する始末だった。まあ、時代も変わったが、手のひらでコロコロしながらのお付き合いを今後ともよろしくなのである。
翌朝、早めに目覚めた。
五ヶ瀬川に映る街並み、その先に高さ180mのベンベルグの赤白煙突、延岡の朝だ。
この朝に似合う曲をさがした。アール・クルーの「Living inside your love」ではなく、Stuffの「いとしの貴方」でもない。シューベルトの「ます」でもなく、スパイロ・ジャイラの「モーニングダンス」、もう少し気分をかきたてるもの、クラプトン&エルトンジョンの「Runaway Train 」が間違いない。そんな朝の1曲だった。
8時40分ロビー集合、9時スタート。
やや二日酔いの頭のなかではRunaway Trainが駆け巡り、コーラス部分を口ずさんでいたが後ろの人は酒臭かったかも知れない。
延岡では菜の花が満開だった。
この日はひでじビールまでのちょっとしたヒルクライムをやって蔵を見学、穏やかな田園地帯を流して米粉のパスタの昼食のあと和菓子のおがわから佐伯駅というコースだ。
ひでじビールがある祖母傾山国定公園、行縢山(むかばき山)の麓に近づいてきた。
最後に上りになる。
延岡市内に四本の一級河川が流れ、焼酎、日本酒、地ビールというジャンルの異なる三つの酒蔵が、独自の味を求めて地域に根付いている。地元ではこれを総称して『三蔵』と呼び延岡の酒として親しまれている。三つ目の蔵、宮崎県延岡市行縢町、標高163m、ひでじビール醸造所到着。
蔵では種類豊富なビールが造られている。
道の駅阿蘇で販売している2種類の「ASO CYCLE BEER」も製造者はひでじビール、阿蘇では只今野焼きのシーズン、私がラベルの野焼きブラックもよろしく。
バスツアーのみなさんが先に着かれていた。サポートをされた延岡観光協会の方お二人と最後に写真撮影した。
昼食の住宅街にある三井さん行きつけの米粉のパスタの店は、定休日のところ空けてもらい貸し切りになっていた。お陰でゆっくりと、まったりと列車の時間まで過ごすことができた。行列の店に並んで、ちょっと食べたら、次の客のためにすぐに店を出る、そんな名店を押さえるのもいいが、私たちの心理はこちらが断然いい、三井さんお見通しなのだ。
今年の10月13日、ツール・ド・九州宮崎・大分ステージは、ここ延岡市役所からスタートし、街中をパレード走行して佐伯市にゴールする初の県境をまたぐステージレースとして開催が決まった。パレード区間の一部を走ったが街のど真ん中だった。
☆ツール・ド・九州クリテリウム
2025年10月10日(金) 長崎県(佐世保市)
☆ツール・ド・九州
2025年10月11日(土) 福岡県
10月12日(日) 熊本県
10月13日(月・祝) 宮崎県(延岡市)、大分県(佐伯市)
延岡駅到着、それぞれ荷物をまとめた。みなさん酒類の買い物でリュックはずっしりと重くはち切れんばかりだ。そんな中バンバンさんはボトルゲージにひでじビールリア、容量のあるサドルバッグに千徳のお酒が数本、お見事。
三井さん、サポートカーを担当されたレイに見送られて延岡を後にした。
参加者全員大満足の延岡サイクリング&ナイトツアーだった。帰りの列車に乗車したらアンケートが配られみなさん今回のお礼を込めて真剣に書かれていた。それは貸切列車代、宿泊代、食事は4食付きで懇親会は飲み放題コース、サポートカー付きサイクリング代、全部合わせて15000円だったこともあるが、三井さんの入念なコースの下見と立ち寄り店とのすり合わせや、当初予定になかったサポートカーの費用に交渉してもらい延岡駅の入りから出まで帯同していただき快適だったことである。
もし次回開催があるとすれば、延岡の今後のサイクルツ―リズムに使えるよう写真撮影が上手な人やモデルになりそうな人に声を掛けて、私が応援できることをお礼にしたいと思っている。
最後に私たち阿蘇満喫ガイドとして参加させてもらい大きな学びを得ることができた。それは参加者への絶好なタイミングでの声掛や、私たちの走力やマナー、協調性という自転車力を判断して、一見放し飼いのように自由に走らせながらも、ここはというマストな所はギュッと綱を引くガイドとしての観察力とセンスである。高等な技だがこれを成し得るのは三井さんの延岡愛である。
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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
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