コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
今回は、先日開催した「緑川流域4町ライド」についてです。
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Photo by onimasa
阿蘇満喫ライドを遠征して緑川流域4町を巡るライドを開催した。
これは以前から紹介している御船町、甲佐町、美里町、山都町のどこからでもスタートできるサイクリングコース造成を私が受けて、阿蘇満喫ガイドメンバーと阿蘇満喫ライドに来られる4町在住の方と取り組んだものだ。そこでいいコースが出来たのでみなさんにも走ってもらおうと遠征ライドとして募集した。厳冬期にあまり馴染みのない地域なので、数名集まればいいかと思っていたら30名の定員に達してちょっと驚きだった。
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4町のどこからスタートするか考えた。
阿蘇で開催する際には特典として阿蘇駅前の夢の湯の割引券を渡しているが、これが他県から来られる方には好評だったので、ゴールしたら温泉が楽しめる美里町の道の駅美里佐俣の湯を選んだ。しかし、開催間近になり30台近い駐車場の問題により御船町に許可を取りスタートを変更することにした。スタート地点の「御船町ふれあい広場」の東側パーキングは、トイレもあり砂利だがかなり広い駐車場なので気兼ねなく利用することができた。
参加者は熊本15名、福岡6名、大分2名、山口1名、宮崎1名の25名と私たちガイド3名の28名のライドとなり、美里町のサポートカーにガイドのミユキさんと役場の方、今回の業務を受託した会社のサポートカーに2名と合わせて32名となった。参加者には今回のデジタルパンフレットのモデルのBekiさんや、大分ケーブルテレビの「友チャリ」の工藤友美さんも参加され賑やかなライドになった。
この日のコースがこれだ。
なかなかタフだが通潤橋がある山都町まで行くから見所は満載だろう。2週間前に試走した際には、美里町の山間部から道路が凍結して全コース走ることができなかったので、2日前に地元の鬼塚さんと阿蘇満喫ライドによく参加される清水さんの3人で試走した。
ライドウイズGPSで作ったコースデータは距離84km・獲得標高1667mになってこの内容で募集していたが、走行後の清水さんのサイコンPolarと私のGarminはほとんど同じで、距離82km・獲得標高は1299mになっていた。
これはライドウイズGPSが衛星からのデータなので、トンネルの場合はトンネル内の標高ではなく、トンネルの上にある山の標高がデータとして利用されていたようだ。清水さんと私のサイコンは気圧高度計を搭載しているため、ある程度正確な標高を記録することができたようだった。走行後の3人の疲れ具合でも獲得標高1667mではなく1299mで間違いなかった。内大臣橋の先と鮎の瀬大橋手前の、見上げる山を貫通する短い3つトンネルが影響していたのだろう。
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御船町は九州唯一の音楽単科大学「平成音楽大学」がある音楽の町だ。しかし、熊本地震によって町内の7割を越える住宅や道路などが被害を受け、平成音楽大学も建物が被災し、地震後約1ヶ月休校を余儀なくされ学内から音楽が消えた。
『そこでONE PIECEの音楽家「ブルック」が登場。音大生と奏でる復興への応援歌と軽快なジョークで住民の心の復興を後押しし、町の明るい復興を目指している・・・』
こんな物語も地域の魅力、御船町ふれあい広場にある自転車乗りには相性のいいワンピース像は最強のフォトスポットだ。
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御船町ふれあい広場にはもうひとつシンボル像がある。
昭和54年(1979年)、日本初となる肉食恐竜の化石(のちにミフネリュウと命名)が御船町から発見され、平成2年(1990年)には天君ダム周辺から恐竜化石がまとまって発見されるようになった。これを契機に「御船町恐竜博物館」が開館し、ふれあい広場の入口には肉食恐竜「カルカロドントサウルス」が設置され、こちらも御船町ならではのフォトスポットになる。
スタートは恐竜、ゴールはブルック像、初の“緑川流域4町ライド”が始まった。
コースは御船町ふれあい広場(御船町スタート地点・駐車は東側パーキング)をスタートし、各町が自慢のスポットを繋いだサイクリングになる。
恐竜博物館・御船町観光交流センター・御船町なかギャラリー、田口橋、甲佐町総合運動公園(甲佐町スタート地点)、甲佐町の街中、八角トンネル(入口より押し歩き可)、二俣橋、道の駅美里佐俣の湯(美里町スタート地点)、霊台橋、緑川ダム休憩所、脇瀬橋、内大臣橋、鮎の瀬大橋、通潤橋ミエルテラス(山都町スタート地点)、道の駅通潤橋、チポリーノ、日向往還・軍見坂、御船町ふれあい広場ゴール。
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恐竜博物館の前を通り橋を渡ると喧騒が消え旧街道のような雰囲気の石畳みの道になる。情緒ある街並みが「本町通り」。かつて酒造りの町として栄え、白壁土蔵造りの酒蔵や商家などが立ち並ぶ御船町の経済の中心地だったという。好天に恵まれた御船川沿いに出るとこの地域に来たことを実感する。
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試走の際に見つけた街中を抜ける自転車の道。サイクリングコースは実際走った分だけ完成に近づく。
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田口橋を渡り緑川沿いの道を進むと甲佐町になる。ここから上流へ、上流へと進んで行くワクワク感がたまらない。
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「巡るライド」なので甲佐町の街中を通る予定だったが、この人数では迷惑掛けそうなので3つのグループに分けて、街中、川沿い、やな場を経由して八角トンネルで合流することにした。
甲佐町総合運動公園から安津橋を渡って本コースは右だが、左に少し行くと高田精肉店があり、そこの甲佐特産の「にら」が入ったメンチカツ「にらメンコ」は、小国の黒豚屋のメンチカツと同じくらい美味しい。店内では揚げたてがイートインできるし、冷凍の自販機もがあるので家人用土産に最適だ。
安津橋から街中に入るルートをどうするか、試走しても散々悩んでいたが、咄嗟の思い付きで何とか通過できた。ちなみに街中にある「ろくじ館」でもにらメンコが販売されている。あと鬼塚さんからイタリア食堂やカフェ、パン屋など教えてもらったので、家内とにらメンコと、ろくじ館で野菜と手作り納豆を買いに行く予定だ。
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コースの中でも最も人気が出そうな美里町にある八角トンネル。南熊本駅から宮崎県延岡市への鉄道敷設をめざして1915年(大正4年)に着工した熊延鉄道跡の遺構になる。1932年(昭和7年)に下益城郡砥用町(現:美里町)まで完成したが建設は中断され1964年(昭和39年)に廃線になった。
トンネルといっても八角形のコンクリートの塊が7つ連なり、それぞれに隙間が同じくらいの間隔で並んで落石を防ぐ施設のようだが、その先は異空間に彷徨いそうな雰囲気があって面白い。
八角トンネルのすぐ先にある二俣橋。手前の「二俣渡」と奥の「二俣福良渡」を総称して二俣橋と呼ばれている2つの橋が直角に交わる珍しいタイプの石橋で「双子橋」とも呼ばれている。二俣渡は1829年、二俣福良渡は1830年架橋。
ここが有名なのは10月~2月の晴れた日の11時~12時にかけて、日光が石橋に当たりアーチ部分と川面を照らす太陽の光がハートに見える。季節も時間もちょうどよかったが曇って残念と思っていたら、一瞬太陽が出てハートを撮影された方もいたようだ。ここでトイレ休憩をしたが男性用は小便器がなく1基だけで行列となった。下見不足、近くの佐俣の湯へ行くべきと猛省、みなさん迷惑かけました。
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3つのグループで霊台橋へ向かった。
国道218号、別名「かみましき阿蘇観光サザンルート」をちょっとだけ走って脇道の321号にコースを引いていた。このルートを知るのは、鬼塚さん、清水さん、緒方さんと私なので、清水さんに一番後方で遅れる人をサポートしてもらい3人でそれぞれのグループを案内した。
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お陰でこんな余裕もできた。
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名越谷阿蘇神社の先あたりでサイレンが聞こえてきた。火事かと思ったが12時を知らせるものだった。今の時代に空襲警報のよう、ふとブラック・サバスの「War Pigs」を思い出した。冒頭のサイレンのような効果音と同じだ。しばらく力強いリフと印象的な単音弾きのメロディが頭に流れ続けた。
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霊台橋到着、トイレ休憩のポイントでもある。緑川に架かる江戸時代末期(1847年)の霊台橋は国の重要文化財に指定されている。ここまでのルートも車が少なく、樹々の隙間から見える緑川沿いの道が心地よい。
霊台橋からは、昼食場所の緑川ダム休憩所に直行する組と、熊本一美味しいと自転車仲間が絶賛する松本商店の「いきなり団子」を買って昼食場所に行く組に途中から分かれることにした。振り分けるのが面倒なので、いきなり団子は私に、昼食場所は鬼塚さんに付いていくことでスタートした。
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霊台橋のすぐ先の横断歩道で445号を渡ってエコーラインに入ると、車がほとんど通らない静かな道で緑川ダム方面に進む。
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この木漏れ日の道を自転車で走るのは3回目だがとても気持ちがいい。しばらく走ると緑川ダムと445号に行く分岐があり、ここで2組に分かれたところ全員いきなり団子組になった。
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分岐を200mほど行くと445号、その突き当りにあるのが昼は食事処で夜は居酒屋の「虹」。美里町役場の方から弁当も作られると紹介してもらったので、この日の弁当は家内と下見に行った際に予約していた。値段も内容もいろいろあるらしいが1000円でお任せした。その虹の隣がいきなり団子の松本商店になる。
ここが松本商店、この付近を走る自転車の乗りの補給に最適、特にソロにとってはオアシスになるだろう。ただし、休日は客が多いので午後を過ぎたら売り切れの可能性あり。隣の虹では試走の際にチキン南蛮定食(850円コーヒ付き)を食べたが間違いない美味しさだった。観光客風の若い女性たちはチャンポンを注文していたがネットで評判なのかも知れない。
30名近くが「いきなり万十」を求めた。まさに「押しくら饅頭」状態、狭い店内は5~6人が限界なので順番に。ラップに包んである万十は1個からでも買える。当然現金のみ1個120円。買った人は店の外で笑顔で食べられていた。サポートカーがあるので5個入りのパックを土産用に買う人もいた。いきなり万十のみ宅配も冷凍でできるので遠来の方にはこちらもおすすめ。
いきなり団子は熊本の郷土菓子、さつまいもとあんこを小麦粉などの生地で包んで蒸した素朴でなじみ深いおやつだ。甘味・香り・食感・腹持ちのバランスも完璧で県外のサイクリストには地域のアピールができると思う。
昼食の弁当は緑川ダム休憩所にある「スイーツ工房きこり」さんに持ち込んで暖かい店内で食事することができた。これを可能にしたのは下見の際に資料館の方に今回の件を話して、屋外のテーブルと椅子の使用は問題なく、この日定休日だったきこりさんに話せば店内でも弁当持ち込みが出来るかもということだった。そこで2日前の試走の際に話したら了解していただいた。
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きこりさんのドアを開けると6人掛けの5つのテーブルにサポートカーの皆さんによって弁当が並べられていた。これで寒風にさらされることなくゆっくり食事を楽しむことができた。ここは「フレンチレストラン木香里」の系列店で休日にはダムカレーもあるが、私たちには美里プリンと150円のホットコーヒーが何より有難かった。
虹さんが作った幕の内弁当も満足だった。
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ここまでの参加者の様子からガイドメンバーと相談した結果、楽しさと安全第一を優先して内大臣橋と鮎の瀬大橋をカットする判断をした。
ここから対岸に渡り、棚田が点在する153号から脇瀬橋を渡り美里町の遠野地区に向かった。
ここから内大臣橋の分岐まで棚田と集落を眺めながらのんびりとしたサイクリングになる。
分岐を過ぎたら445号まで一本道、それから案内看板の通りに行けば通潤橋、そこで合流すべくそれぞれのペースで走ってもらった。
「待ってた!」とばかりに早い人たちが飛び出して一瞬で見えなくなった。
通潤橋到着、フリー走行も時に入れるとアクセントになるし、早い人は不完全燃焼の解消にもいい。
ここで鬼塚さんと最終打ち合わせをした。
予定したコースではなく445号だと御船町まで一本道、よって後続を待つことなくそれぞれのペースで走ることができる。これがベストと判断してこのルートで御船町へ帰ることにした。その前にサイクリストに人気のパン屋「チポリーノ」にケーキ類もあるので寄ることにした。人数が多いので電話すると、出ない・・・月曜・・・定休日だった。残念だが山都町を後にした。
3箇所の上り終わる9km先のコンビニで一旦合流して、そこから18kmのダウンヒルになるのでウィンドブレーカーを着こんでそれぞれのペースでゴールを目指した。
ゴール予定の16時30分に10分ほど遅れてトラブルもなくブルック像が迎えてくれた。
スタート時間は遠くから来られることや、まだ寒さが厳しいので阿蘇と気温が変わらない美里町や山都町の山間部に備えて、通常9時のところ冬時間の10時にしていた。当日の阿蘇は一面真っ白に雪が積もって、ラジオでは山都町の218号は冬タイヤと言っていた。走れるかと心配していたがこの1時間の差でかなり防寒することができたようだ。
コースは最初ほぼ平坦で穏やかなサイクリングになる。昼食後の緑川ダムの先の脇瀬橋から通潤橋までが上り基調になりタフなコースが続くがそこからゴールまで下りになる。上りゴールがいい方は山都町スタートになるだろう。ゴールしたら温泉でサッパリしたい方は美里町、山都町だったら通潤山荘が温泉施設となる。
交通量は少ないところをコースにしているので特に危険な箇所はないだろう。御船町は本町通りに入る橋手前まで歩道を走れる。甲佐町は川沿いのコースも捨てがたいが、鮎の季節はやな場経由で、私が案内した街中コースは安津橋を渡った先が車が多いものの、カフェやパン屋の人気店がありここは好みのルートをとればいいだろう。山都町は車が少ないので、街中のおちかラーメンや今回行けなかったチポリーノは是非とも立ち寄りたいところだ。まだまだ4町の経験が浅いのでもう少し試走をして“緑川流域4町ライド”を開催したいと思っている。
最後に私に3件寄せられた感想を紹介しよう。
『お疲れ様でした!
『大成功』だったんじゃないですか?!
また違った展開で馬見原方面とかも走ってみたい…なんて事を考えちゃってます。』
『無事帰宅しました!寒かったけど、素晴らしいコースでした』
『昨日は、お疲れ様でした。
日本の静かな原風景を巡る素晴らしいコースでした。
車の往来もなく気持ち良く走れました。
また訪れたいです。
久しぶりに老体に鞭打って心身共にRefreshできました。
ありがとうございました。』
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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook、道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。
道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
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