コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇満喫MTBライド 南小国牧野編」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
今回は、3月30日(日)に開催した「阿蘇満喫MTBライド南小国牧野編」です。
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南小国町マウンテンバイク

2月に「菊鹿みんなの森」で開催した第1回に続いて3月30日に阿蘇満喫マウンテンバイクライドを南小国の野焼きが終わったばかりの黒川牧野一帯で開催した。参加されたのは熊本から2名と最近マウンテンバイクデビューした自転車乗りアナウンサーの友ちゃんこと工藤友美さん、それと下関から友ちゃんの自転車仲間の方も来られて賑やかなライドとなった。

集合場所は瀬の本レストハウスの西側県営駐車場。スタートしてから瀬の本高原と黒川温泉を結ぶ国道442号沿いの日田と竹田をつなぐ九州歴史街道のひとつ、「松にきく虹の道」の愛称で呼ばれる参勤交代の道を見学して黒川牧野へ入った。牧野は立入り禁止だがこの日は特別に許可をいただき、まさに天空の牧野ライドが可能になった。

少し長くなるが牧野ガイド牧野ライドについて説明をしよう。
牧野ガイドについては、筑波大学世界遺産学学位プログラムのサイトに「阿蘇地域の牧野保全における牧野ガイド事業の実態と課題について」という研究レポートがあり、私たちにガイドにとって研究の対象としての客観的な見方に興味をひかれたので一部引用する。
まず、阿蘇では草原のことを「牧野(ぼくや)」と呼ぶ。阿蘇地域には約 2 万2 千ヘクタールに及ぶ牧野が分布し、約170の牧野組合で利用され阿蘇の草原の維持管理を担っている。この草資源は放牧や採草に利用されているため、牛や馬の口蹄疫など伝染病の病菌を持ち込ませないよう牧野組合員以外の立ち入りは禁止だ。
平安時代から、人の手にとって続いてきた阿蘇の草原は、1934年に国立公園になり、2013年には世界農業遺産に登録された。広い草原は自然的な価値だけでなく、牧歌的な風景による文化的な価値も国内外から注目されるようになった。しかし、農業形態の変化や、地域の過疎化による農業従事者の減少により、草原は減少の一途をたどっている。
そこで農業資源としての草原を観光資源として活用する牧野ガイド事業が2018年に道の駅阿蘇と牧野組合が連携し、自転車やトレッキングなどのアクティビティにより、持続的な牧野保全を目的とする取り組みが始まり、現在5カ所の牧野がフィールドになっている。
牧野ライドで走行するところは、ゴルフ場でいえばカート道のような農耕車両が通る牧野道で移動しながら輪地(輪地・わちとは野焼きで焼く草原の周りを、輪っかのようにぐるっと草を刈るための防火帯のこと)と、草が刈られたフェアウェイのような牧野の中になるが、野焼きの後は牧野全体が走行可能になる。
走行できる5カ所の牧野にはそれぞれ地形の特徴があり、比較的平坦なところ、斜面にあるところ、丘陵が連続するところ、小山のようなところなどそれぞれ違う走行感とその風景を楽しむことができる。また、放牧されているところ、放牧はされないが採草されているところがあり、放牧地になっているところは、冬から春にかけて牛や馬を移動されている期間に限定される。

今回立入り許可していただいた黒川牧野は、牧ノ戸峠の向かいにある猟師山の西にあり、一目山に連なる小山のような牧野だ。瀬の本から輪地を走り、一旦公道に出て平野台高原にある「筑後川源流の碑」から黒川牧野に入る。筑後川はここから143kmの旅を経て有明海に流れている。

牧野に入るとセメント道の牧野道の上りが続く。マウンテンバイクの醍醐味はダウンヒルなので上りは仕方がない。中腹から砂利道になると360度の絶景が広がり、苦しさとワクワク感に合いまみれながら頂上を目指す。

野焼きの後の牧野にキスミレが咲き始めていた。

やがてこのような群生になって真っ黒の草原に可憐な姿を見せてくれる。

牧野道から牧野の中に入ると、急勾配な上に皴のような凹凸があるため直登は出来ずジグザクに上っていく。それを可能にするのはマウンテンバイクの巨大なスプロケットだ。草刈機の刃のように大きく、ペダル1回転でリアホイールが1周する軽さになる。これで野焼きの牧野全体を走ることができる。

頂上が近づいてきた。

少し緩やかになって絶景に感動する歓声が響き渡る。

息を飲むダイナミックな景観は、まさに天空の牧野ライドだ。

やっと、360度パノラマの頂上に到着した。
阿蘇五岳が大観峰から見る涅槃像と同じなので大観峰の真後ろに位置している。ここはかって橋本君がこの急斜面でMTBエンデューロのイベントを開催したそうだが想像を絶する。

せっかく手にした絶景が名残惜しいが、山の頂上と違い山頂標識もなく、風を避ける樹々も、斜面も、岩陰も何もない吹きっさらしなので写真を撮ったら早々に下りの準備をした。

右の山が猟師岳、左の白い斜面は、くじゅう森林公園スキー場のゲレンデ、スキーやスノボーをしている人の姿も見える。さて、これからがマウンテンバイクの一番の魅了になる豪快なダウンヒルだ。長い下りに備えてあるだけの防寒具を身に付け一気に下る。

牧野の中は凄まじいダウンヒルなので写真は牧野道に入ってからになった。

どこかで見たような景色と思っていたら、

狩尾峠、ラピュタの中腹あたりに似ていた。

そんな道を友ちゃんが走る。


行きはオロオロしていたこんなセクションも、帰りは余裕で楽しんで瀬の本レストハウスの木陰で持参した弁当で昼食、午後からは小国の牧野道とグラベルを走った。

かなり激しい牧野の道を下ると穏やかな里山の集落に出て、上り返して次のセクションというコースになる。試走は軽トラックだけだったので、走行中の写真を撮るスポットまでは考えていなかった。なのでこんな静かなところに限られた。

なかなか手強いコースだがグラベルバイクでも楽しめそう。

集落に降りてきたこのセクションも遊園地の絶叫アトラクションのような友ちゃんの悲鳴が響き渡っていた。

南小国町の黒川牧野と小国町のグラベルを走る第2回阿蘇満喫マウンテンライドは、絶景牧野と変化に富んだグラベルの組み合わせにより、参加された方に貴重な体験になったようだ。
巨人の坊主頭のてっぺんのような黒川牧野は天空の名にふさわしく、中腹は野焼きの後に何度も走ったラピュタを想い出し懐かしい記憶が蘇った。小国のグラベルは、黒川牧野の余韻を楽しむ程度と思っていたが、ダウンヒルの難易度も高く、いい組み合わせになった。
1年前のグラベルバイクもそうだが、昨年12月に始めたマウンテンバイクに挑戦したことでこのような体験ができている。ちょっとそこを試してほしいと、4月12日と13日の道の駅阿蘇で開催する試乗会はいい機会になるのではないだろうか。

最後に自転車仲間の出版した本が届いたので紹介しよう。
写真は昨年のツール・ド・佐伯でお会いした福岡で開業医をされている村石さん。何度かサイクルイベントでご一緒したり、阿蘇満喫ライドにも来られている。
村石さんは、忙しい仕事の傍ら小説を書かれており、「カリコ博士と町医者」、「クラスター 五輪の夏の墓標」、「夢の旅路」、そしてこのとき「貴方が出てくる小説を書こうかと思っています」なんてまさか・・・と思っていたら一昨日その書籍が届いた。
まだ、少し読んだだけだが、茶のこの松崎さんや、写真家の丹野さんの名前もあって、私の場合はお恥ずかしい紹介をして頂いて恐縮している。村石さんは、私と同じ年で開業医という長期休暇が取りにくいなか欧州遠征に挑戦され、それが物語のきっかけになっている。いくつになっても思い描く「コト」への挑戦は人生の成長になる。読了したらあらためて紹介しよう。

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