熊本の飲食業界のプロが求めるハム、ソーセージがある。それら生み出す店の名は「阿蘇クララファーム」。創業者は、蔵原政喜さん。今から35年程前、政喜さんは地元高校の文化祭での出品をきっかけに製造法を学んだ。元々は阿蘇神社前、門前町で薬局経営を行っていたが、店舗の一角を用いてそれらの販売を開始。政喜さんのつくる商品は一つ一つ丹精込めてつくり上げる優しい味わいのものばかりで瞬く間に評判の味となった。
口コミの広がりから、お中元やお歳暮の時期には注文の電話が絶えなかった。さらには、レストランのシェフ、プロからも絶賛され、飲食店との取引も増えていった。
(門前町商店街[阿蘇市一の宮町宮地]にある「阿蘇クララファーム」)
ひたすら一人で製造に打ち込んでいた政喜さんだったが、心臓に疾患を抱えていたため、幾度となく発作を起こし、2009年の4度目の発作ではとうとう長期入院となってしまった。
それを聞いた息子の政和さんは慌てて千葉から熊本に帰郷した。
その後、政喜さんは無事復帰したが、たった一人で根詰め働く父を心配し、政和さんは父と共にハム・ソーセージ作りに専念していくことを決意した。
(蔵原政喜さん、政和さん親子)
親子二人三脚で製品作りに励んでいたが、2019年1月、政喜さんは5度目の心臓発作で倒れ、帰らぬ人となった。途方に暮れ、自分の腕にもまだ自信が持てなかった政和さんは、やむなく店を閉めようと考えた。
その時、一人の常連客が店を訪れ、政和さんに語り掛けた。
「あなたが継がなかったらお父さんを2度死なせることになる。1度目はお父さんの死。2度目はお父さんの味の死。お父さんの味をこの世に残して欲しい」
閉店を惜しむ声を何度となく聞き、改めて父の味への想いの大きさを知った政和さん。
父の味を引き継ぐのは自分しかいないという使命感が沸きおこった。
政和さんは「阿蘇クララファーム」の存続を決意した。
現在、政和さんは「父の味を守りながらもっともっと精進していきたい。」と父の味と想いを継ぎ、大量生産では出せない味、一つ一つ丁寧で美味しいハム・ソーセージを日々作っている。
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Ozima & Vitz Ayaka