阿蘇お菓子工房 たのや

 水基めぐりでお馴染みの、阿蘇神社門前町商店街にある『たのや』。和風の佇まいが多い商店街の中で、緑の看板が印象的な懐かしさ漂う可愛らしい洋風の外観は、町並みに馴染みながらも目を引きます。店内の一角にはカフェスペースがあるので、町歩きの一休みにも最適。自慢の生クリームを浮かべたウインナーコーヒーが大人気です。

 たのやと言えばコレ!という代名詞的存在の「たのシュー」(130円)。たのやのシュークリームだから、そして楽しいシュークリームだから“たのシュー”というネーミングも秀逸です。トッピングされたアーモンドが香ばしい小ぶりなシュー皮の中は、やわらかな生カスタードクリームがたっぷり。町歩きのお供に頬張っている人の姿をよく見かけます。

「気をつけて食べないとクリームが飛び出しますよ」と言われて、思わず一口で食べちゃいました。

 昨シーズンから本格デビューを果たした、たのやの冬の新名物「苺のレアー大福」(378円)。

 薄皮の大福の下から鮮やかなイチゴが透けて見えています。しかし、通常のイチゴ大福でイチゴを覆っているはずのあんこの姿が見えません。不思議に思ってかぶりついてみると、中に入っているのは生クリームとレアチーズ。真っ白な中にイチゴの赤が映える、見た目も可愛い洋風のイチゴ大福というわけです。

 使っているイチゴは阿蘇産のさがほのか、もしくは恋みのり。生産者から直接仕入れています。あんこを入れたイチゴ大福の場合、あんこの甘さの主張が強いためアクセントになる酸味のあるイチゴを使うのですが、生クリームとレアチーズはイチゴの風味を損なわないため完熟のイチゴが使えるそう。爽やかなイチゴの香りを感じられる上、後味もすっきりしています。フレッシュなイチゴを使うため、イチゴ収穫期の12月頃~5月頃の季節限定品です。

 シェフの田野雅文さんはたのやの三代目。おじいさんの代に和菓子屋として出発し、ご両親の代には喫茶店に衣替えした時もあったそう。パティシエとしての経験を積んだ雅文さんがこだわるのが生クリーム。

「生クリームはとかく重たいとかしつこいとか言われがちですが、それは温度が上がりすぎて脂肪分が分離してしまっているからです。生クリームの最適温度は3℃と言われています。鮮度を大事に温度管理をしっかりすれば、ふんわり軽い生クリームに仕上がります。」

 たのやで使用する生クリームは乳脂肪分48%の最高級品。乳脂肪分が高いほど濃厚でコクのある味になりますが、取り扱いは難しくなります。これを重さを一切感じさせない仕上がりにする技術はさすがです。

 2個、3個と続けて食べたくなる洋菓子を作りたいと話す雅文さん。確かに、伸びのよい大福に包まれた苺のレアー大福は、いくつでも食べられる軽さが印象的な美味しさでした。

 

【阿蘇お菓子工房 たのや】

住所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地3094
電話番号:0967-22-0255
営業時間:午前9時〜午後7時30分(土日祝日は~午後7時)
定休日:水曜日(祝日の場合翌日)

 

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