仙酔峡へと向かう道すがらにある別荘地の一角。道中に看板などを出していないため、知る人ぞ知る隠れ家のような雰囲気を持っています。この店を営むのは神戸から移住してきた林寛さんと明子さんご夫婦。2012年、阿蘇を旅行中にたまたま分譲中だった別荘地に足を運び、この土地に一目惚れ。熊本、阿蘇を訪れたのは生まれて初めてだったにも関わらず、1年後には移住を決意したそうです。「以前から定年後はどこかに移住したいねと話していて、旅行しながら色々な場所を見ていたのですが、ここに出合ってからは定年まで待たなくてもいいんじゃないか?と、一気に話が進みました」。そして2013年、念願だったカフェ『瑞季』をオープンしたのです。
広々とした敷地に立つ自宅兼店舗はゆったりとした時間が流れる空間で、お客さんとのコミュニケーションを大事にするオーナー夫妻との会話も、安らぎを与えてくれます。
至る所に湧水があり、良質な水に恵まれた阿蘇ですが、瑞季がある地域は、その中でも特に美味しい水が水道水として使用されているとか。この店では、その水で煎れたコーヒーと紅茶が最大のウリ。根子岳水系の清涼な水が、コーヒー豆や茶葉の持つ香りや味わいを引き出してくれます。
コーヒーは世界中の豆のうち上位5%のスペシャルティコーヒーのみ。注文を受けてから豆を挽き、煎れたての新鮮なコーヒーを飲ませてくれます。ゆっくり過ごしてほしいという思いから、ホットコーヒーはサーバーで提供。たっぷり2杯分入っているのが嬉しいですね。2人で行って別々のコーヒーを頼み、味比べをしてみるのも楽しいかもしれません。写真の「瑞季ブレンド」(600円)以外にも産地別の豆を常時12種類揃えています。メニューに香り、コク、苦味、酸味、甘味といった味の指標が書いてあるので、それを参考に好みを探すのもオススメです。
紅茶はフランスのお茶の専門店「ル・パレデテ」の茶葉を使用。お茶は産地や農園が同じでも天候や摘み取り時期で風味が変わるため、ティーテイスターが産地に行き茶葉を厳選するのがル・パレデテのモットー。そこの茶葉のみを使うということは、常に世界最高峰のお茶を提供してくれるということです。熊本県下でも、ここまで茶葉にこだわった店は貴重な存在です。種類豊富なフレーバーティーも天然香料のみを使用。「モンターニュ・ブルー」(700円)は、ハニー、ラベンダー、ダイオウ、矢車菊、ストロベリーのミックスフレーバーで、上品な優しい香りが楽しめます。
紅茶と合わせて食べたいのが「焼きたてスコーン」(700円)。サクッと焼き上がり、中はしっとりとしています。上下2つに割ってジャムを塗り、ジャージー牛乳で作ったクロテッドクリームを載せるイギリス式で味わいましょう。つい元に戻してサンドした状態で食べてしまいそうですが、そのやり方は間違いなのだそう。クリームの口溶けを楽しみながら味わうのが、本場イギリスのやり方なのだとか。ジャムはストロベリー、ブルーベリー、ブルガリアローズの3種類から選ぶことができます。
【珈琲と紅茶 瑞季】
住所:熊本県阿蘇市一の宮町宮地5977-73(ロイヤルシティ阿蘇一の宮リゾート内)
電話番号:0967-22-0505
営業時間:午前11時30分〜午後5時(OS午後4時)
定休日:木・金曜日