道の駅阿蘇サイクルアドバイザーのコルナゴ部長こと中尾公一さんに、3回目の「阿蘇満喫モニターライド」をレポートしていただきました~
3回目の開催となる「阿蘇満喫モニターライド」をエントリーされた21名のみなさんと走ってきた。コースは阿蘇火口近くを走るルートとしていたが、噴煙が西側や南側方面に流れて、走る予定の坊中線・赤水線・垂玉温泉方面に降灰していたため、「阿蘇の噴煙を眺める3峠超え」に、2014年に九州各地のレース志向の人たち集まった「九州合同合宿」の周回コースである大蘇ダム周辺のアップダウンを加えたコースにした。
9時に道の駅阿蘇に集合しブリーフィングの後わたしと下城さんの二人で案内した。今回もだが参加者の半数が県外なので、ある程度サクサク走って16時にはゴールしたいことと、時間の都合や体力的なことで途中離脱される方のために4箇所の離脱地点を考えてスタートした。
噴煙は南阿蘇方面に流れているのであまり良く見えない。
最初の峠となる小嵐山は最初樹木に覆われ風景が見えない林道のような道だが、阿蘇五岳を右に左に見ながらつづら折りの坂を上っていくといい景色が目に飛び込んでくる。やがて阿蘇山を背に北に進む手前を頂上としている。でないとそこからも緩やかな上りなのでどこが頂上か解らずいい景色を逃してしまうのだ。平坦から下りになると草原(牧野)の道が荒れて砂利や砂のところがあり注意が必要だが一般のクルマはほとんど通らないため雄大な牧場の景色を楽しんで走ることができる。
※家畜が放牧されているところを「牧野」と言い、その中にある道が「牧野道」だがわかりにくいので以後は「草原の道」と表記する。
ここは昔のラピュタと同じで道が荒れているところが多いから下りは避けたがいい。国造神社を通る手野の道の下りがまだマシだと思うが212号や、やまなみハイウェイで阿蘇平野に降りるのが無難だ。牧場からでミルクロードの下を抜けると最も阿蘇らしい見渡す限り草原の道になる。集落近くなると下りで道が荒れているから注意が必要、県道に出たらやまなみハイウェイまではクルマが少ない5キロの道になるので、ガッツリ走りたい人や練習を目的のひとつとして来た人は全開で走ればいいし、後続が来るまで往復するのもいい。
やまなみハイウェイから1キロほどで最初のトイレ付きのエイドとなる「阿蘇の森」で休憩する。昼食はこの先の「阿蘇やまなみ夢広場」の冷やしうどんにしようかと思っていたが、思いのほか早く着いたのでうぶやま牧場に行くことにした。となると大蘇ダムを通ると近いし車も少なく、やまなみハイウェイを左折してうぶやま牧場までの6.7キロは全開で走れて実に気持ちがいいコースだ。
うぶやま牧場のレストランのメニュがバイキングからあか牛やハンバーグの定食などに変わって胃にもたれそうだったので、チーズケーキやブッセ、生プリンや名物キャラメルソフトクリーム、ヨーグルトなど、ここの牧場らしい美味しい乳製品で補給した。23名の大人数なのに、並ばず、待たされず、館内でも外の芝生広場でも食べられて昼食場所としてはおすすめだ。
45分の休憩後はヒゴタイロードとミルクロードで国道57号まで10.5キロのアップダウンが連続する全開コースになる。まだ燃え尽きない人はここでアタックゴッコをすればいい。
57号に出たら1キロで「ドライブイン峠」の手前から杉林に入る道が町古閑牧野道になる。しばらく上りが続き景色が開けると鉄のローラーの牛止めが2箇所あるのでそこは降りてクリアするとススキに覆われた草原の道になる。
やがて根子岳が大きく正面に見えてくる。右に高岳、その横に中岳の噴煙がもくもくと立ち昇る。よく見ると噴煙は一定のリズムで噴き出しているのではなく、「今、噴火した!」と、判る爆発の連続であり、灰色だったり、ねずみ色だったりする噴煙が徐々に巨大になって、数百メートル昇ると「もくもく」と煙になって見える。火口から6.5キロ近づくとそのような阿蘇山の息遣いが感じられるようになる。
箱石峠のビュースポットに到着。
このような自転車乗りが集まる場所の清掃活動を、ライド中にしようと下城さんから提案があり、今回から参加者のみなさんに協力してもらうことにした。景色を楽しむ前にゴミを収拾して集めたものは道の駅阿蘇から時間を打ち合わせて回収に来てもらう。この日の箱石峠は牧野組合の方が清掃された後なのかほとんどゴミはなかったが、自転車乗りが阿蘇へ足跡を残したお返しとして今後とも継続した活動にしたい。
箱石峠からの絶景を堪能したあとは265号から南部広域農道に入り、九州自然歩道でもある日ノ尾林道で日ノ尾峠(距離4.6km 平均勾配7.1%)を目指す。集落を過ぎると鍋の平キャンプ場があり、いつもは閑散としているが、この日ばかりはテントがいくつも張られていた。この先から放牧地となりゲートと牛止めで囲われており、セメント道には牛が寝そべっているので注意が必要だ。特に逆方向の宮地から上る場合は、この辺りは開けたところでのダウンヒルとなるので、スピードを出し過ぎると草陰の牛に激突、ということもあり得るので徐行して下るようにしなければならない。
放牧地を過ぎると森の中に入り景色は全く見えなくなる。荒れたセメント道を上っていくと日ノ尾を示す看板がありそこが頂上となる。この峠道は阿蘇と南郷(高森町や南阿蘇村)を結ぶ道として古来から重要な役割を果たしてきた。南郷方面の人々はこの道沿いにある阿蘇神社詣でや宮地郡役所へ往来する主要路であり、大正8年に書かれた書物には頂上には茶屋もあり、その真下には17戸の集落、日ノ尾村(火ノ尾村)があったと記されている。昭和30年代に車やバスが普及し始めると村人は移転し、現在は杉や檜の山林以外何も見えなくなり消えた集落となっている。
峠を過ぎると見通しが悪く荒れた箇所もあり慎重に下らなくてはならない。中腹を過ぎると九州北部豪雨で崩壊した古道がアスファルトになり走り安くなるが段差がありホッピングで回避しないとパンクするので注意が必要。別荘地はビュースポットで雄大な高岳と中岳の噴煙が見え今回のコースで火口に一番近い4キロ地点となる。
ゆったり目で走れば麓から宮地駅を過ぎて阿蘇神社や門前町の散策も出来るが、この日はサクッと走ってスパッと終了することにした。参加された方の走行感は好評のようで、阿蘇らしいクルマが少ない道に草原の道、それに上級者にも走り応えのある道の組み合わせはモニターライドとして完成したコースになったようだ。
走りやすさの点では、見晴らしのいい草原の道は並走できるし、道の駅阿蘇をスタートして右折するところを間違えなければ信号がひとつしかない83キロのコースになる。Garminでは80.53km、獲得標高1414m、Stravaでは83.21km、1720mと、そこまでは厳しいコースではないものの、休憩なし、もしくは信号はひとつしかないので、極力止まることを少なくすればいい練習コースになるのではないだろうか。途中離脱するショートコースもあるので体力に合わせて一緒に走ることもできるルートとしておすすめだろう。
昨年の日本経済新聞のNIKKEIプラス1にススキの名所ランキング全国1位に阿蘇が選出された。この日走った草原の道がススキの穂に埋め尽くされるのは11月上旬までだろうか、今から阿蘇ライドのトップシーズンを迎える。
道の駅阿蘇→小嵐山→(ショートは212号へ)草原の道→やまなみハイウェイ→(ショートはそのまま下る)大蘇ダム湖→うぶやま牧場→ミルクロード→57号→(ショートはそのまま下る)町古閑牧野道→箱石峠→265号→(ショートはそのまま下る)日ノ尾峠→旧57号→道の駅阿蘇
【風向きや降灰の予報サイト】
気象庁 阿蘇山の活動状況
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/503.html
阿蘇山上空の風
http://www.jma-net.go.jp/kumamoto/volcano/index.html
☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆
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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
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