コルナゴ部長レポート 第6弾「阿蘇満喫モニターライド」🚲

コルナゴ部長こと中尾公一さんに、第6弾となる「阿蘇満喫モニターライド」をレポートしていただきました。
前回に引き続き、夜明け前の冷え込みから始まる早朝ライド、この時期ならではの肌感覚が伝わってくる迫真のレポートをお楽しみください!

 

幻想的な日の出、火山として眺める阿蘇山、復興のシンボル、

この三つの阿蘇の今を見て走ってきた。

今月2回目のモニターライドは、前回と同じく大観峰で日の出を見て、ミルクロードを駆け抜ける朝5時からの早朝ライド50キロと、朝食のあとは西風で降灰がなさそうだったので参加者の了解を得て阿蘇山火口近くまで行き、帰りは熊本地震で崩落し、2020年度完成の阿蘇大橋架替工事の現場を見に行った。

 

大観峰で繰り広げられる日の出の光景は、外輪山と眼下に広がる阿蘇平野、そして正面に立ち並ぶ阿蘇五岳を背景に、地形的な現象による雲海や朝霧が加わり、幻想的かつ豪華絢爛な美しさになる。真逆に、噴煙を吐き続ける阿蘇火口に近づくと、火山としての眺めがそこにあり、爆発の連続が噴煙であり、迫ってきそうな恐怖に思わず後退りしてしまう。地震によって地面が暴れ、崩壊した山、道、そして橋を、再建する人の力。いずれも目の前で見ると圧倒される今の阿蘇がそこにある。

 

朝5時、道の駅阿蘇のサイクルラック前に集まったのは、福岡のイワナガ君と北海道から久留米に赴任中のイシマル君、それにわたしの隣町のシミズ君の3名。案内するのはわたしと井上夫妻、大観峰で合流する下城さんの6名のライドとなった。コース案内のあと街灯の無い真っ暗な国道212号を、VOLT400と800を最後尾から照らし大観峰を目指してスタートした。

 

気温は13度、ウェアーは厚手の半袖とビブにサーマルウォーマーを合わせ、やや厚手のウィンドブレーカー、大観峰での日の出鑑賞用にボトルゲージにダウンジャケットを入れ防寒対策をした。内牧まで緩やかな下りが続き、はな阿蘇美を過ぎると上りが始まる。身体が温まるとウィンドブレーカーのジッパーを開け、中腹からはジャージのジッパーも全開にした。汗をかくと外輪山で凍りつくあの寒さの苦痛は絶対避けたい。

 

5時50分に予定より早く大観峰に着いた。

やはり人が多い。車とバイクでゴチャゴチャしているが静かだ。迷惑にならないようすぐにライトを消す。

 

まだ真っ暗だが目が慣れてくると眼下に街の灯りが見えてくる。前回ほどではないが冷たい風が吹いている。

 

気温は8度、ボトルゲージに入れていたダウンをすぐに羽織る。

 

東の空が明るくなってきた。阿蘇山には薄らと雲海も。

 

黒い東の空が紺色になった。オレンジの光が射すと山が輪郭を現わし、瞬きするたびに雲は曙色に染まる。幻想的な日の出が目の前で始まりだした。

 

阿蘇山と阿蘇平野にも色が射した。白い噴煙は東に流れている。

 

外輪山も姿を現し日の出セットが出揃ったが雲が多く雲海薄い。東にある城山展望所付近には濃い雲海が出ていそうだ。移動も考えたが、留まった。

 

クライマックスに近づくと雲に覆われてきた。輝きが増すはずの日の出がここでフェードアウト、陽は消えた。

 

大観峰の日の出は終わり移動開始。二重の峠まで早朝のミルクロードを駆け抜けよう。防寒さえしていれば明るくなる風景に浮かび上がる阿蘇山を見て走るのは実に気持ちがいい。

 

ここでお知らせだが、大観峰の隣にある扇谷展望所跡は麓の地区名で立入禁止の看板が数日前から設置されている。北山展望所は営業時間外立入禁止と確認した。よって北外輪山から終日展望できるスポットは東側から城山展望所、小嵐山、大観峰、スカイライン展望所、かぶと岩展望所(トイレ・自販機あり)、そして二重の峠展望所になる。

 

北山展望所の交差点を左折し、かぶと岩展望所でトイレ休憩する。走る前に装備を点検し長いダウンヒルに備える。大きなアンテナがある鞍岳無線中継所を過ぎると視界がいいダウンヒルが始まる。ススキの先の雄大な景色を見ながら豪快な下りが続く。急カーブになったら同じような下りのカーブが連続するので減速しなければ危険だ。

 

県道23号との交差点を左折すると二重の峠となりこれを下って阿蘇平野に降りる。

この道は熊本震災で国道57号が崩壊した後の国道の迂回路となって交通量が多く、大型貨物車両も頻繁に通るため日中の上りはやめたがいい。3.2キロの急な坂を、道路幅いっぱいで上る大型車両は、対向車も多く自転車を追い越すことはできず、渋滞の原因となる。

 

二重の峠を下り二重峠トンネル工事の現場に行ってみた。

震災で通れなくなった国道57号の新たなルートとして、大津から新たな道を作り、二重の峠を貫通する工事が震災の翌年の2017年6月から北側ルートの工事と合わせて24時間体制で行われ2020年度に完成する。阿蘇大橋の架け替え工事と合わせて阿蘇における大規模な震災復興工事である。

 

国道57号には陸橋で繋がるようだ。

ジオ・ライドの見学箇所の阿蘇西小学校前の農道の陥没は、何事もなかったかのように舗装され、なだらかな道になっていた。ただ、側溝はそこだけ急勾配になったままで断層による陥没を残していた。小学校は新しく新築されていた。農免道路の凸凹や砂利のグラベルもなく、簡易の鉄塔も、露出された水道管も跡形もなく震災の痕跡は消えていた。そのようなことを説明しながら走り、道の駅阿蘇のサイクル専用駐車場に着くと防寒具を車に入れ身軽になって朝食を食べにあそら食堂に行った。

 

6時から食べられる朝定食は4つあり、いつもは和食か米粉パンのトーストだがチキンスパイスカレーを食べてみた。さらっとしていてもたれず、50キロ走ってきた空腹感を満たせ、今から50キロ走るにもちょうど良かった。

 

風向きは西、予定通り坊中線で阿蘇火口へ向かった。杉林を抜けると車が通るたびに降った灰が舞い上がるかと多少覚悟はしていたが、バスや工事用のトラックが通ると少し口の中がジャリッとするだけで目や喉に影響は全くなかった。

 

放牧の牛に草原の草だけでは摂れない塩分などを飼料に混ぜて食べさせてきた農家の方がいた。「ドーイ、ドォーイ」と叫ぶと、どこからともなく牛が現れて、喜びの雄叫びあげるかのように「ブォーッ」と吠えながら集まってきた。下城さんが親しく話され道の駅阿蘇近くの焼肉の「小次郎渕」のご主人だった。ここで放牧し育てた牛を店で使っているとのことだった。参加された方から牛を間近に見ながら放牧についていろんな質問をされた。強い阿蘇の方言で面白可笑しく答えられたが、このような地元の方との会話こそが無防備だからこそ近寄れるサイクリングのいい点ではないだろうか。

 

あまり長く止まると冷えるのでお礼を言って早々に出発する。赤水線の分岐を過ぎると勾配がキツくなりカーブが連続する。ここから平均斜度7%を2.6キロ上ると草千里展望所、そして5.5キロ先が目指す阿蘇山に再接近する阿蘇山西駅となる。

 

阿蘇山西駅到着。

遠くからだと噴煙は煙突の煙のように吹き出すように見えるが、近くからだと火口の中で爆発が起こり、噴煙が空に勢いよく立ち昇り、それが連続して起こっているのがよく判る。そして、こちらにも爆風や噴煙が来そうな気がして後退りしそうだった。これこそが火山として眺める阿蘇であり、単なる山の景色ではないことが参加された方もあらためて解ったことだろう。

 

坊中線を下り、赤水線、栃木線、149号で阿蘇大橋の崩壊現場を久し振りに訪ねた。

震災で325号への道が閉ざされた中、河陽地区を抜けると阿蘇大橋に行くことができた。その角にあるのがもともとはスナックで震災以降は「猪の復興カレー」を提供している食堂「まどか」さんだ。地震による数メートルの陥没に見ることによって、何万年という時間軸の火山活動で形成された1000m規模の地殻のギャップのカルデラ大地を知ってもらおうという「ジオ・ライド」を考え、震災後、阿蘇でサイクリングができるタイミングに合わせてお客さんを案内してきた。

その際に食事と震災の語り部であるご主人の話を聞きに何度かお邪魔したがこの日も元気に営業されていた。河陽地区は断層の真下だったためか、コンクリートで強化されたまどかさんの店以外家屋はすべて爆撃の後のように崩壊していた。今は更地も多いが新築の家が所々建っていた。まどかさんの隣にはグループの自転車乗りにうれしい弁当屋が営業されていた。その先には定食や赤牛丼の「おふくろ亭」ものれんを出されていた。次回は是非この地区で昼食を食べるライドをしよう。

 

阿蘇大橋崩壊現場は山の中腹まで工事用の道が行き交っていた。この山が崩れ真下の国道57号とJR豊肥本線が阿蘇大橋とともに消滅した。ここがどのように工事されるのか想像できないが、現在、肥後大津駅から阿蘇駅まで不通のままのJR豊肥本線は2020年度には開通されるようだ。

 

すぐ近くから阿蘇大橋の架け替え工事現場が見えた。しばらく見ない間に着々と橋が架かりつつあった。この工事の完成も2020年度、国道57号の開通、豊肥線の開通、全部2020年度、それまでに何をしたら良いのだろうか。阿蘇が生まれ変わるまでに、発想を変えて、新たな取り組みに備えなくてはならないことだけは、ハッキリとしている。

 

阿蘇に5時集合という参加するには壁の高いライドではあったがそれに見合う圧倒的な感動は参加者を見ていて感じた。前回の早朝ライドは2名、今回は3名で普通の時間に開催すれば1回で募集定員の20名は集まる。「2回でたった5名」と否定するか、それとも「5名も」と未来を感じるか、わたしは後者で今後参加された5名の方に詳しく改善策を聞き、3回目、4回目を開催し、多くのみなさんに三つの阿蘇を見て欲しいと思っている。

 

※なお、コチラの記事はサイクリストHPでも、阿蘇の今の魅力をご紹介する情報として掲載されています

 

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あかうしのあくびvol.24

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