コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
今回は、台湾へ阿蘇サイクルツーリズムのPRをしていただいた時の様子をお伝えします。
本日は前編の、1月31日~2月1日までのレポートをご紹介します。
台湾南部の高雄市と台南市へ阿蘇サイクルツーリズムのPRとサイクリング事情の視察に阿蘇市観光課の武城さんと、道の駅阿蘇を運営するNPO法人ASO田園空間博物館の下城さん、私、道の駅阿蘇サイクルアドバイザーの中尾の3人で1月31日から行ってきた。
熊本と高雄は週3便の直行便があり飛行時間も2時間30分という利便性と、世界最大の自転車メーカーがある台湾はサイクリスト人口も多いことから、草原をフィールドとして商品化した「草原MTBライド」や、特徴的なカルデラを走る阿蘇サイクリングによる誘致を、2019年7月から阿蘇サイクルツーリズム学校「コギダス」の事業として道の駅阿蘇が取り組んでいた。
同年12月には、その第1歩として熊本・高雄交流アドバイザーの朱さんの協力のもと、台湾のサイクルブロガーやMTB女子プロライダーをファムトリップとして阿蘇に招き、実体験した草原ライドなどアクティビティの感想をSNSで発信してもらっていた。
今回は阿蘇でしか体験出来ない草原ライドを主としたプレゼンと、ファムトリップに参加したブロガーによる阿蘇サイクリングや草原ライド、小雨程度でも参加できるアクティビティ、それに食事や温泉の体験談などを、高雄市と台南市のサイクリストのみなさんに紹介した。
台湾側の窓口となってもらったのは、高雄市国際自転車観光促進協会の楊理事長ほかメンバーの皆さんで、プレゼンの準備からサイクリング、夕食会、企業訪問、最後には手作りの交流会まで、綿密なスケジュールを組んで協力していただいた。お陰で予想を遥かに超える反響と、2日間のプレゼンに配布したアンケート71通を回収し、次の新たなステップに踏み出す貴重な情報となった。
また、自転車の商社であり自社チームのサイクルツアーを開催する企業訪問では、北海道から沖縄まで中上級者向けのサイクルイベントを日本の各地域とつながりを持ちすでに開催されていた。そこで聞かれたのが阿蘇では、いつ、どのような内容の大会があるのか、レンタルロードバイクの台数とスペックについても質問された。人気のツアーは富士山や乗鞍・沖縄などメジャーな大会が多く、レンタサイクルは参加者が所有しているロードバイクに極端に見劣りしない物を求められておりこの条件での競合には少し壁を感じた。
日本のツアーに参加した人たちとサイクリングして思ったことは、阿蘇でしか体験できないMTBやMTB E-bikeによる草原ライドがとてもインパクトある反響だったことである。そこでカルデラを走るサイクリングや、10月開催のASO絶景ライドと組み合わせる商品として第1歩を踏み出したい。またリピート率を高めるためにもサイクリストにとって自治体の枠は関係ないので、多様なニーズに応えられるよう、九州の各地域と連携するサイクルツーリズムの創出が必要ではないかと思った。
高雄市と台南市のサイクル事情は、道路の整備がよく通勤時間帯を外せば街中でも気持ちよく走れた。郊外に出れば心地よい気候もあって爽快感のある走りを楽しむことができた。これはロードバイクに乗るのが苦痛な日本の冬こそ、国内旅行並みに近く、安定した気候のなか滞在費もお得に非日常的な遠征ができるのではないかと思った。
地元のサイクリストに聞くとサイクリング専門道や魅力的な観光・食のスポットがいくつも点在しサイクリングで訪ねることができるという。私たちは2日間で50km程度走っただけだがその魅力は十分伝わり、サイクリストに優しい自転車王国であるとあらためて感じた。
17時50分熊本空港を発ち19時40分高雄空港に到着した。空港には熊本交流アドバイザーの朱さん(上写真:左前)と高雄市国際自転車観光促進会の楊理事長(上写真:左2人目)、同じく徐理事(上写真:左3人目)が迎えに来られていた。宿泊先のカインドネスホテルで軽い食事をしながらスケジュールの打ち合わせを行った。
2月1日、高雄市を8時30分からスタートするサイクリングに続々と人が集まり、武城さんと下城さんと多分3~5名くらいだろうと思っていたので呆気にとられ互いに顔を見合わせた。
ロードバイクはレンタルしてもらうため身長を聞かれていた。玄関前に私たち3人に用意されたのは、4日目に企業訪問するフレームメーカーDIZOから提供されたUCIコンチネンタルチームも使用するS6-egoだった。
私も下城さんもDIZOのロードバイクにはご機嫌だった。武城さんはロードバイク初体験で最初に乗るのがフルカーボン製のS6-egoなので少し緊張気味のようだった。DIZOといえばGIANT社と同じくOEMメーカーでもあり、LOOKやBianchiの高級フレームも作っているブランドだからどんな走りをするのか期待が膨らみレンタルバイクが試乗バイクになった。
徐さんの案内でスタートする。
すぐ後ろに私たちが付き走らせてもらうのでマイペースで走れて前方の景色もよく見ることができる。ゲストライダーのポジションはこの位置がベスト。
グループ分けしてこのくらいのパックで走っているようだった。
こちらの後続に知らせる手信号の「止まるよ」は右手を高く上げ後ろまで見やすい。
街中の大通りにはバイクレーンがありここを走ると「危険」を感じることはなかった。ただし左折は慣れる必要がある。欧州でよくあるラウンドアバウトは郊外にあり、車がいないのに信号で待つこともなくとても効率的。
DIZO S6-egoの安定した爽快な走りは大満足だった。下城さんは上質な乗り心地とスピード感ある走りに感動されていた。それにお値段を聞いてびっくりするコスパには驚きだった。この3台の新車のロードバイクはDIZOを作っているアドバンスグループから楊理事長のショップを経由して提供してもらっていた。
日本による台湾統治時代に各地に建てられた武道鍛錬の施設「武徳殿」を見学。
ここから小学校の先生をされているメンバーの方がガイドをされ詳しい説明を聞きながら歩いて散策した。
旧ホテル四海之家史蹟紀念公園で高雄市自転車協会の皆さんと記念写真。
上写真の右端の方は笛を首から下げられ交差点での誘導や車のバイクへの注意喚起をされていた。参加者には子供さんがいるので笛の効果は絶大だった。これも集団走行では見習うべき点である。ちなみにバイクや自転車の方がマスクをされている理由を尋ねたら防寒用との事。
続いてフェリーに乗船して向かうのは高雄の観光名所の旗津半島。
乗船で支払いで使うのが、ホテルを出る前に頂いたこのiPASSカードならぬスターウォーズ(ディズニー)の柔らかいプラスチック製iPASSキャラクター。コンビニでチャージできてバスや地下鉄でも使える優れもの。私たち外国人には超便利だし、残金が残っても可愛い土産にもなるのでこの発想は面白いと思う。
自動改札機には自転車の人、バイクの人、二人乗りバイク用のタッチパネルがそれぞれあり、これにキャラクターiPASSを「ピコッ」とかざして通る。非日常的微笑の一瞬!
つり革が面白い。
高雄最古の「旗津天后宮」は残念ながら改装中だったがメンバーの方に詳しい説明を受けた。
海岸線の公園の道が気持ちいい。これが台湾のサイクリングロードだ。
台湾の人は写真を撮るのに物凄く凝る人が多く、これも何度も笑顔でやり直しをさせられた一枚。こうやってあとで見ると漠然と立つだけよりはるかにいい写真になる。下城さんといろんなポーズをさせられて1年分くらいは撮られたんじゃないかと話した。
海沿いの公園で普通の集合写真。
女性の方から「一緒に撮りましょう」と、よく声を掛けてもらう配慮(おもてなし)。
こういう全員集合の写真撮りはやってみると実に楽しい。真っ直ぐ飛び上がるより足を曲げると宙に浮いているようになって絵的に映える。
単に写真を撮るだけでもこの3パターンがあって、サイクリングで「観光スポットに行く」ということに、そこで「印象的な写真を撮る」という目的を加えることを学んだ。
露天商や夜市風の店が並ぶ旗津らしい街並みを走るのも楽しい。
フェリーで帰ってきて港近くにある小本愛玉で昼食。
ホテルに戻るとプレゼン用の資料配布やお土産の袋詰めのため楊理事長の車で会場へ急いだ。
会場は社会局婦女館多目的室、玄関には「マスクをしないと入館できない」と公共サインが示されていた。そこでマスクが配布されることはなく、この時点で常に持ち歩くことを指導されていたのだろうか。ドアを開けるとすぐに受付で体温測定をされ、手の消毒後やっと入ることができた。この時点ですでに公的施設における台湾の感染防止対策の徹底に私たちは少し驚いた。
受付の準備をしていたら高雄市国際自転車観光促進協会の皆さんが集まられ瞬く間に完了した。プレゼンの休憩時間用には、コーヒーや紅茶、手作りのクッキーなども準備され、その配慮にはびっくりするしかなかった。
マスク着用のまま予定時間に下城さんのプレゼンが始まった。隣は通訳の朱さん。
その後、ファムトリップに参加したララさんと黄さんによる阿蘇サイクリングや草原ライドの感想、阿蘇アドベンチャートラック、エル・パティオ牧場での乗馬体験、ホテルと旅館での滞在、居酒屋の食事と締めのラーメンの話など、高雄市のサイクリストに響く巧みなトークで紹介してもらった。この日、ララさんと一緒に来られたダウンヒルの女王とされるペニーさんはタイの大会に遠征されており、事前に収録された徐さんとのトークの映像で細やかなプロの目でライドの楽しさと阿蘇滞在の面白さを話してもらっていた。いずれにしても私たちのプレゼンでは台湾のサイクリストに伝わるニュアンスやイメージとして距離があるが、ララさんたちの体験談は説得力があり質疑応答でも多くの質問が出て会場に訪れた皆さんに伝わる価値あるプレゼンとなった。
天泌食府での夕食会。
高雄市経済界や高雄政府観光局の方など役職のある方が来られた。私たちは3つのテーブルに分けられ、武城さんは朱さんが通訳として、下城さんは通訳デバイスで、私は通訳の呂さんに同席してもらい話をすることになった。
日本と同じように役職のある方は途中退席され、最後まで残られたサイクリストのみなさんと記念撮影。
私が2016年に58歳の時に世界でも有名な台湾で開催される海抜ゼロからスタートする「太魯閣国際ヒルクライムレース」に完走したことを知っている人がいた。それも74km・2375m上る「CHALENGE」ではなく、88.83km・3275.4mがゴールの「INTERNATIONAL」を完走したことを2日間走った若い女性の方からも尋ねられた。それは台湾のサイクリストが憧れる大会を完走したという、いわゆる熱いリスペクトのまなざし…やはりここは自転車王国である。
「太魯閣国際ヒルクライムレース」参加のブログhttp://kikuchinokoto.blog88.fc2.com/blog-entry-1616.html 1日目http://kikuchinokoto.blog88.fc2.com/blog-entry-1617.html 大会当日
カインドネスホテルから歩いて5分で六合夜市があり2泊目の夜は満腹だったがせっかく近くにあるので訪ねてみた。そこで発見したのが台湾の冬のフルーツのナツメ、リンゴより小さくてプラムくらいの大きさ、見かけと味は梨みたいだが果汁が少なくさっぱり感があった。私たちは素朴な美味しさに感動して朝食や夕食の時に見かけたら必ず食べていた。
2日目終了。
☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆
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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
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道の駅阿蘇は、9時~18時まで営業中。
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