コルナゴ部長こと中尾公一さんよりレポートをいただきました。
3ヵ月ぶりの「阿蘇満喫ライド」のご様子をお届けします。
第12回となる阿蘇満喫ライドを3ヵ月振りに開催した。
前々日までは完全な雨予想、梅雨真っ只中なので正直諦めていたところ、徐々に天気が回復して朝起きたら青空も見える絶好のサイクリング日和になっていた。この3ヵ月間、仕事のルート調査以外はまったく阿蘇を走っておらず、嬉しくなって少し早いが車で家を出た。
ミルクロードに出ると雨のあとなので予想通りくっきりした大パノラマが広がって、これから始まるサイクリングが祝福されているような気分になった。緑の絨毯に田んぼの鏡が散らばる阿蘇谷、涅槃像の阿蘇五岳、なだらかな往生杵島岳、岩肌が剥き出しの高岳、その間にへそから湯気を出す中岳、ギザギザ頭の根子岳、山田展望所から眺める懐かしい風景にテンションも上がって、思わず乗りのいいBGMで道の駅阿蘇へ急いだ。
集合場所のサイクルラック前にはすでに参加者が集まっていた。久し振りに会う人、初めての人、みんな口をそろえて今日の天気を祝った。運動会や発表会を前にした少年少女のようだった。ブリーフィングを終えると心地よい風に向かって笑顔で走り出した。
「新しい生活様式」に沿って今回の募集はいつもの半分の10名のところキャンセル等があり当日参加されたのは5名、案内したのは井上君とミユキさんに下城さんと私の4名で再スタートの第1歩には余裕のメンバーだった。カルキさんもお祝いに駆けつけてくれて途中まで伴走してくれた。
小嵐山の木落ロードを上り始めると、ミユキさんが小学校の遠足で行っていた展望所が近くにあると話され、遠足気分なので自転車を道端に置いてみんなで小高い丘まで歩いて上った。そこは中通古墳群が一望に見渡せた。一番大きな長目塚古墳も見ることができた。グループで走るのはみなさん久し振りなので息抜きにちょうど良かった。
この後はちょっと頑張って頂上までペダルを踏んだ。木落ロードは日影が多いので暑い日でもそんなに辛くない。これとは逆に真夏の昼間に避けたいのは、坊中線、吉田線、赤水線、箱石峠、そして最悪が地蔵峠だ。
眺めの良い頂上で涼んだあとはトンビの鳴声を聞きながらミルクロードまで大雨で荒れた道を走った。
水溜りは地震のような小石に注意、必ず前走者の通ったあとを走ろう。
ミルクロードの下を通るとそこから先は草原の中を走る合戦群(かしのむれ)の道となる。私の一番好きな道で草原の広々とした開放感が一番の魅力だ。
放牧の牛には胴体にカタカナや数字が書かれている。これは放牧地が共同のため所有者を識別するためのしるしだ。昔や焼き印を使ってしるしを付けていたそうだが現在は白髪染剤で書かれていると聞いた。
アルプスで放牧されている牛には首に大きな鈴、カウベルをぶら下げている。これは群れのリーダーにカウベルをつけて、広い放牧地帯で自分の牛の群れを鈴の音色で見つけるためである。群れを見つけたらリーダーを呼んで定期的に塩分など栄養を与えるためだ。阿蘇の農家の人の場合は、大きな声で叫んで呼び集めているのをよく見かける。誰もいないとき、ここで真似したことがあるが無視された。
県道40号に出て6キロ走ればやまなみハイウェイに出る。時間も押してきたので真っ直ぐ産山村に下って保育園の跡を改装した焼きアーモンドカフェ「DABERIBA」でランチすることにした。ここには生のアーモンドをローストしていろんな味でコーティングした手作りのアーモンド菓子を作っているところでサイクリストにウェルカムの店だ。
ランチは全員「あか牛100%でっかいハンバーガー」にした。産山産あか牛に産山産のトマト、それに産山産トマトを使った手作りケチャップのバーガーは腹にもたれずサイクリングのランチとしておすすめだ。試食でいただいたキャラメルやカカオでコーティングされたアーモンドは美味しかった。ランチの時間がなければアーモンドを買って補給食にすればいいだろう。店を出てご夫妻がいつまでも見送りされていて嬉しかった。
ミルクロードに出てやがて左に折れるとアップダウンの連続で練習にいい。私の場合は沖縄練、今年は中止かもしれない。57号に出たらドライブインの横から町古閑牧野道に入る。上った先のローラー状の牛止めは危険なので必ず自転車から降りて通過すること。
牧野道は適度のアップダウンがあって変化に富んで面白い。
途中、重機で小高いところを削っているところがあった。
牧野の中でいったい何だろう?
工事の看板には「太陽光」・・・嘘だろ
おやっ、山肌に動くものが見えた。
左上を拡大するのでよく見ていただきたい。
黒毛とあか牛、こんなところまで登って草を食んでいる。
あたり一面牧草なのに上の方が美味しいのか、それとも涼しいからだろうか。
反対側を見ると
馬の群れだ
親子も
可愛い、これが阿蘇だ。
根子岳に向かって続く素晴らしい牧野の道
町古閑牧野の展望所スポット
爽やかな風が気持ちいい、いつ来てもいいところだ。
265号を高森方面に下って阿蘇南部広域農道に入ってしばらく走るとこんな立派な道が出来ていた。以前からいったい何の工事かと思っていた。結局、日ノ尾峠に通じる道、この先には鍋の平キャンプ場(この日は休業中)があるだけで道の目的はよくわからない。
キャンプ場を過ぎて牛止めのゲートを超えると放牧地になる。
先の方からジッと見ているのは・・・
ちょっとドキドキ
ここにも
お腹が大きいから身ごもっているのだろう。
ここも格好のフォトポイント
ここから5~8%の上りが続くがやがて樹々に覆われるので涼しい。
左側の環境省の看板が日ノ尾峠の頂上(標高990m)だ。
昔はここから高岳と根子岳を見上げることができたという。今が雑木に覆われ景色はほとんど見えないが涼しくて今からの季節にはおすすめの峠道だ。
別荘地から高岳をバックに最後のフォトポイント
走行距離78km、獲得標高1423m、平均気温23度と梅雨の合間に最高に気持ちのいいライドができた。草原や山頂は実に爽快だった。涼しかったが太陽が強くて今年初めて日焼けした。汗も相当かいて久し振りに水を1リッター以上飲んだ。
たっぷり水を吸った草木は艶やかできらめいていた。軽トラックが集結しているところは地区の草刈りのようだった。あぜの草刈りは車輪の付いた草刈り機をよく見かけ年配の方も楽に作業されているようだった。若い人が運転する巨大な農耕用の大型トレーラーは道幅いっぱいに堆肥を運んでいた。背が「つの字」に曲がったおばあさんが草取りし、手押し車を杖のようにして野菜を運ぶおばあさんもいた。田んぼの水の具合を見つめるおじいさんから湯気が出ていると思ったらタバコの煙だった。梅雨の晴れ間の阿蘇は老若男女とも忙しく働く農家の人の景色だった。そして、ちょこっと会釈したら、ちゃんと応えてくれて、嬉しかった。
山の風景やメンバーの写真は撮ったが、田んぼや農作業している人は1枚も撮っていなかった。そこに暮らす人の風景は大切なのに迂闊だった。人の嫌がる梅雨だが農家にとっては恵の季節であり作物は勢いを増して大きくなっている。梅雨が明けると夏空が輝くようになる。その前にもう一度、彩のある風景を自転車で見に来たいものである。
☆☆阿蘇アクセスルートのおススメはこちら!☆☆
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