コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「秋におすすめの菊池渓谷オプションルート」

みなさん、こんにちは。涼しくなってきた秋の阿蘇。今回は、菊池渓谷を含む阿蘇の鉄板コースをご紹介です🎵日によって、阿蘇ライドは寒い日もあるかも・・・。そして菊池渓谷は今まで阿蘇ライドでは見れない景色を見ることができ、紅葉の季節にはピッタリ。では、どうぞ↓

自転車雑誌「Cycle Sports」と来春発刊の阿蘇特集ムック本の取材で、阿蘇ライドにおすすめしたい2つのメインルートとして「阿蘇パノラマライン」を巡る「阿蘇一周ルート」と、「ミルクロード」を巡る「阿蘇外輪山ルート」を紹介しました。この2つのルートは阿蘇に走りに来た方には是非とも押さえてもらいたい鉄板ルートになります。

また、この2つのルートに組み合わせるオプションルートとして「南小国・黒川温泉オプションルート」、「菊池渓谷オプションルート」、「高森・山都オプションルート」、「南阿蘇・西原オプションルート」の4つを加えて、リピーターや滞在型のサイクリストにも対応したルートが紹介されています。

そこで今回は紅葉シーズンにおすすめの菊池渓谷オプションルート(距離90km 獲得標高1730m)に12kmプラスして、昨年開通した国道57号北側迂回道路を上から眺める102km、獲得標高2100mのコースを試走しました。

阿蘇は火山特有の樹々のない地肌むき出しの山や草原、それに針葉樹の森など紅葉を見ながらサイクリングする機会には恵まれていませんが、紅葉で有名な菊池渓谷まで足を延ばすといつもの阿蘇ライドに加えて趣のある景観も楽しむことができます。

具体的にはミルクロードの北山展望所から菊池渓谷までは12.3kmの広葉樹に覆われたダウンヒルや、菊池渓谷からは菊池人吉林道という林道には珍しいセンターラインのある走りやすい舗装路や、九州を代表する登山用品店の老舗「シェルパ」が運営する「四季の里旭志」はサイクリストに理解があり居心地のいいエイドポイントになります。

四季の里旭志からミルクロードまでは、鞍岳林道の上りと広々した牧場の道の12.2km、ミルクロードに出て下りになってから森の教会までの9.2kmのダウンヒル、そして国道57号北側迂回道路を上から眺める珍しいスポットなど今までにはない新鮮なサイクリングが楽しめます。

ではコースを紹介します。ミルクロードまでは小嵐山の牧野の道で上り、扇谷展望所、大観峰、スカイライン展望所、北山展望所と、眺めのいい阿蘇平野と阿蘇五岳のセットの景観を楽しみながら菊池渓谷方面に進みます。やがて広葉樹に覆われた木漏れ日の中を12.3km続く4.8%の豪快なダウンヒルになります。

ここを下ると一気に気温が下がりますのでウィンドブレーカーを携帯していたが無難です。

今までの阿蘇ライドにはない景観が次々目に映ります。

菊池渓谷を過ぎて念仏橋の手前から左折して菊池人吉林道を目指します。ここからエイドポイントの四季の里まで13.2kmになります。

ここまでの上りはかなり厳しいです。この先からほとんど車もバイクも通らない快適な幅員7mの菊池人吉林道になります。アスファルトの道は荒れてはいませんし、軽いアップダウンが続きますのでトレーニングにも最適です。この道は自宅から近いので10年以上走っていますが今まで自転車乗りに出会ったのは2回だけです。

ここはセンターラインは消えていますが道路の荒れはありません。

鞍岳の中腹に並ぶ高圧線沿いを通り菊池市内の先には金峰山も見えます。

四季の里旭志はモンベル商品を扱うシェルパさんが今年4月から指定管理者になって運営されています。自転車乗りに歓迎の印バイクラックもあります。

熊本地震前は温泉施設やレストランがありましたが現在はありません。代わりにレストランは、食事の持ち込みが出来るオープンスペースになり冷暖房付きで休憩ができます。売店にはカップ麺が販売されており給湯室もあるので暖かい食事ができます。自販機、アイスクリームの販売、清潔なトイレ、これが揃って利用料は不要とのことでした。

館内には靴は脱いで入ります。

キャンプ場を備えた施設なのでこのようなものが販売されています。

こんな山奥でも暖かい食事ができるので寒くなっても安心ですね。

フロント横の飲み物販売スペース

懐かしいコーラの100円自販機

ここがレストランだった食事の持ち込みができる休憩室。今回のルートに昼近く食事が出来るのは菊池渓谷にある施設だけだったので、道の駅阿蘇でおにぎりやパンなど買って四季の里のベンチや軒下で食べようと思っていたところ想定外の展開になりました。

ここで寛ぎながら感じたのは、少し大きめのサドルバッグを用意して食事を楽しむサイクリングも可能だと思いました。

和室の休憩室もあるそうです。

至れり尽くせりの四季の里旭志、マナーを守って利用させていただきたいものです。

広大な施設には眺めのいいキャンプ場(持ち込みテント・オートキャンプ・バンガロー)がありキャンプツーリングにも最適です。(キャンプ場利用者のみシャワーができます)

また、指定管理者の条件にもなったカンガルー牧場もありますのでファミリーでの利用も楽しめます。

左が菊池渓谷方面、右上が四季の里旭志、中央の道が鞍岳駐車場まで距離6.9km平均勾配7.5%鞍岳林道になります。キャンプ場を通り登山口を過ぎてしばらくは穏やかな上りになりますが、5km地点から10%越えが連続し最大16%の景色が見えない修行のような上りになります。

やっと鞍岳駐車場到着ここから先は下りと牧場のフラットの道になります。

鞍岳を下ると一直線の道が気持ちいいです。ただし、道は荒れていますし大型の農耕車両も通りますので注意が必要です。

ミルクロードに出てしばらく走ると右に鞍岳電波塔があり、少し先の左側の電波塔で一度停まります。

ここです。

電波塔の前の9.7%の下りの標識から9.2km平均斜度6.5%の下りになります。すぐ先には180度反転させる急カーブが3カ所ありますので、グループ走行の場合はここで少人数に分け距離を空けて走るように注意喚起します。

また、急カーブが近づいたら先頭は手信号で伝えることを説明します。ちなみに声だと急坂を上ってくる車両のエンジン音で聞こえません。

一気に下らないで急カーブに入る前のススキとミルクロードの絶好のスポットで一息。道の先には車帰風力発電の風車3基とその先に俵山の風車10基が並んで見えます。

急カーブを慎重に下って県道23号との四差路から先は、国道57号が熊本地震で通行止めだった4年間、大津と赤水を結ぶ57号の迂回路となり日々大渋滞していました。国道57号及び北側復旧道路(二重峠トンネルルート)の開通後は、車の通りが極端に少なくなり自転車で走りやすくなりました。

四差路から5km下ったところに熊本市内の写真館が運営する結婚式場「森の教会」があります。イングランドに建っていた教会をそのまま移築したここの教会が素敵で、震災前は敷地内から写真を撮らせてもらっていましたが、現在は一般の立ち入りは出来なくなりました。今回のコースのいいフォトポイントと思っていましたが残念でした。

以前はこんな写真でしたが

塀越しになってしまいました。

森の教会のすぐ先から右折して県道23号を上るルートになりますが、四季の里からここまで自販機は全く、県道23号も二重の峠を下ったところにしか自販機はありませんので、右折する先にある自販機での水の補充は必須です。

森の教会の先から右折し、北側復旧道路(自動車専用道)の大津東インターを過ぎると北側復旧道路の上を超える「ふるじょうこどうきょう(古城跨道橋」)があり道路を上から眺めることができます。私の先にあるのが二重の峠トンネルです。

阿蘇方面

大津方面

橋を渡りアップダウンの道を進むと県道23号に出て右折して二重の峠へ上ります。左折して少し降りると菊池人吉林道に出合います。

23号を上り四差路に到着、かなりタフなコースで正直ヘトヘトでした。

二重の峠からの眺めも新鮮です。

阿蘇谷に降りたら外輪山の麓を走る県道149号で帰りました。

ミルクロードと木漏れ日のダウンヒルで行く菊池渓谷、静かで走り応えのある林道、快適なエイドポイント、タフな林道と牧場の道、豪快なミルクロードのダウンヒル、森の教会と北側復旧道路を上から眺めるスポット、最後の上りと二重の峠のダウンヒル、このような盛り沢山の102kmのコースになりました。2100m上るタフなコースですが3か所のダウンヒルは息をのむ絶景が目の前に次々に現れます。それしても遠くから角度を変えて眺める阿蘇山は、今更ながらですが新鮮でした。

 

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