コルナゴ部長から、2021年最後のレポート「12月後半のサイクルレポート」が届きました。
今年も多くの方に阿蘇の牧野を体験して頂きましたが、牧野ライドの魅力は体験しないと分からない新たな感動が待っています。普段は立ち入ることの出来ない広大な阿蘇の草原。先人たちが代々守り継いできた貴重な草原の中へ、入ることが許された「牧野ガイド」がご案内いたします。
来年は、ご愛読いただいている皆さまのご参加、お待ちしております。
12月後半のレポートは、Sparkle Oita Racing Teamのシーズンエンドパーティ、鬼滅の刃2ndステージライド、熊本県観光動画撮影、鹿児島グラベル倶楽部アテンドのレポートになる。
「九州をひとつに」をテーマに新たな文化を創造し世界に挑戦する大分に今年誕生したプロサイクルチーム「Sparkle Oita Racing Team(スパークルおおいたレーシングチーム)」のシーズンエンドパーティに行ってきた。
レポートする前にチームの紹介をしよう。右から監督の黒枝美樹さん、メカニックの吉田柊哉さん、チーム運営会社3SEEDS株式会社代表で選手の黒枝士揮さん、キャプテンの黒枝咲哉選手、孫崎大樹選手、沢田桂太郎選手、小野寛斗選手、宮崎泰史選手。パーティ会場となったのはカフェとサイクルショップがあるチームのクラブハウスというアットホームの雰囲気で開催された。
2021年度のレース結果としてチーム結成初年度でジャパンサイクルリーグ(JCL)3位、JCLバンクリーグ2021で総合優勝、個人総合では孫崎大樹選手が4位、そして最終戦となる那須塩原クリテリウムでは沢田桂太郎選手の優勝という素晴らしい活躍を見せサイクルスポーツをより身近に感じさせてくれた。
チーム設立後はすぐに九州各県を巡る7日間のサイクリングに挑戦され、レースを直接見ることができない方にもその土地を回ることによってチームの存在を知ってもらい、自転車を通じて多くのみなさんと交流されたようだ。また、4月には大分市内でファンライドや、11月に阿蘇くじゅうサイクリング、12月には宮崎県延岡市でサイクルイベントなど、地域に根差した活動も厳しい練習やレース参戦の合間に取り組まれた。
乾杯はこだわりのスパークリングワインでチームのみなさんが参加者にサービスされた。
乾杯後は選手のみなさんが参加者一人一人に声を掛けられ熱い思いが伝わった。
レース動画は選手の解説付きで、勝ち、負け、落車の模様はその時の感情が伝わってきた。
戦略の立て方と自身のレース展開に興味があるのが孫崎選手だ。遠征の過ごし方や食事のとり方など貴重な話を聞くことができた。
パーティの食事は阿蘇くじゅうサイクリングのイベントで感動の料理を提供してくれた竹田市のイタリア料理店「 Osteria e Bar RecaD (オステリア エ バール リカド)」の桑島シェフによる地元素材を活かした料理で、今回も味も、見せ方も素晴らしくスパークル大分のイベントの定番になりそうだった。
写真は撮り忘れたが、今回も桑島シェフ自慢のスぺインから取り寄せた巨大な鍋で作る具だくさんのパエリアを黒枝監督自ら取り分けされていた。
パーティも半ば過ぎにチームのサイトから報告され今回最も知りたかった2名の選手の退団について報告があった。黒枝監督から『Sparkle Oita Racing Teamのモットーでもある「新しいことにチャレンジし続ける」を胸に秘め、次のステップでも頑張ってもらいたい』と挨拶され花束贈呈のあとに小野選手、宮崎選手の順にマイクが渡された。
小野選手は退団後選手引退、宮崎選手は宇都宮ブリッツェンに移籍される。新たに迎えられる2名の選手は年明け早々に発表されるとのことだった。
九州をひとつにというテーマ賛同し、私も個人的にSparkle Oita Racing Teamの会員になって気持ちばかりだが応援している。自転車を生涯の趣味と決めたことから、サイクルライフのひとつにこのような引き出しがあるとプロ選手との交流という違った切り口で自転車を楽しむことが出来る。2022年春には阿蘇でSparkle Oita Racing Teamのイベントが計画されているのでご期待に沿うよう気合を入れて応援していきたい。
昨年に続いて「鬼滅の刃2ndステージライド」に参加してきた。
久留米の総合スポーツセンターをスタートして、筑後川沿いを下り国指定重要文化財の昇開橋を渡って、大川、筑後から矢部川沿いを八女経由で鬼滅の刃の聖地を巡るコスプレありのキャラ立つライドだ。
この日の天気予報では雨天の確率が高く、残念ながらショートカットすることになったが、いろんなサイクルスポーツの嗜好のひとつとして参加してみないと分からない魅力を参加者の笑顔を見て感じた。
アニメは海外でも想像以上の人気があり、今後自由に行き来できるようになったら「鬼滅の刃」の聖地といわれる九州のサイクリングの魅力になるのではないだろうか。「弱虫ぺダル」、「進撃の巨人」について海外のアニメファンの熱烈さを身近に知ってそう思ったし、全国どこでも同じように見える切り口のサイクルツーリズムのなかで、日本が誇る「オタク文化」のコスプレとライドを組み合わせたツアーを提案したいものだ。
熊本県のスポーツアクテビティによる観光用動画撮影の取材に参加した。
メインキャラクターは女性のスポーツ系ユーチューバ―で動画撮影出演とYouTubeでの拡散というデジタルプロモーション。私の担当は女性の後ろを走ってヘルメットに装着された360度カメラとハンドルのGoProで臨場感と自分体験の演出。朝一で撮った坊中線では澄み切った青空と放牧の牛、それに眼下には雲海というベストな条件が揃った絵をドローンで撮影された。これから観光の対象となるのはアクティブな方だろうからオリジナリティのあるスポーツツーリズムは伝わりやすい集客へのプロモーションになるのではないだろうか。
道の駅阿蘇のサイトには私のプライベート草原ライドやサイクリングのエントリーフォームがある。草原ライドはe-MTBのレンタル費用や現地までe-MTBを運ぶ経費が掛かる。サイクリングも友人や自転車仲間ならともかく、知らない方にあえて1日潰してボランティアする余裕もないのでいずれもそれなりの料金になっている。
エントリーされると道の駅阿蘇の担当者から、いつ、どんな人が、何人で、どんなライドを希望されているのかという情報が私に届き、引き受けたり予定が重なっているとお断りしている。この日は鹿児島から4名のグラベル志向の方をサイクリングにアテンドすることになっていた。待ち合わせ場所に行くとよく知る九州でもトップクラスの方と強そうな方々がいらした。いわゆる誤魔化しのきかない私よりはるかに速いメンバーの正体は、サイクルショップ「KOGU鹿児島」さんの遠征グラベルライドだった。
そこで全員タイヤが太い頑丈なグロベルロードバイクだったので、見晴らしのいい長めのオンロードで走った感に浸ってもらい、本命のグラベルを繋いでメインをかぶと岩展望所から清水谷まで往復する林道にした。阿蘇谷に降りたら豊後街道や、激坂のそらふねの桟橋、最後のデザートとして激坂牧野の本塚で締めくくるルートを選んだ。
日ノ尾峠から担ぎの区間を入れての日ノ尾村の跡はイノシシ君や鹿さんの演出もあってなかなか好評だった。
消えた集落と名付けた日ノ尾村に残るミステリアスな天狗神社と、これから箱石峠を上った先に見える町古閑牧野の展望スポットは阿蘇の雄大さを感じてもらえたようだった。
日ノ尾村跡から箱石峠を上って来る町古閑牧野展望スポットは、初めてのルートだったが相互が見えて達成感もあるのでこれからのコースに取り入れたいと思った。
牧野ガイド希望者は地元の方のみならず県外のサイクルショップの方も大歓迎である。KOGU鹿児島さんも興味を持たれたようなので試走してもらい草原ライドの魅力を体験してもらった。
ミルクロードからかぶと岩展望所近くの西小園牧野の外輪山の縁のコースを少し案内して、今回のメインとなる清水谷まで荒れた箇所がある林道を往復で走ってもらった。私はロードだったので途中までしか行けず道だけ教えてかぶと岩展望所で待つことにした。帰って来られると興奮気味にグラベルロードで走るには素晴らしい道だったと感想を述べられた。
ここからミルクロード、二重の峠を下り、豊後街道もマッドなところがありロードバイクでの案内は無理と判断して田子山のそらふねの桟橋、内牧のマウンテンバイクコース、最後に本塚を案内してゴールした。グラベルの魅力に熟知したみなさんに楽しんでもらえたことは本格的なグラベルロードのコースとして手応えを感じた。
これを機にグラベリストのために阿蘇には珍しい林間コースと草原を繋いだ今回のコースを阿蘇グラベルコースとして紹介していきたい。阿蘇でしか体験できない草原ライドは現地まで運搬が必要なMTBばかりと思っていたが、自走で行けるグラベルロードのフィールドとしても最適とは驚きの発見だった。
今回のKOGU鹿児島さんのグラベルライドはYouTubeに前編と後編として紹介されているので是非参考にしてもらえたらと思う。草原ライド付きの場合は牧野ガイドの案内が必要になるので道の駅阿蘇の牧野ガイド(MTBガイド)の以下のサイトを見ていただきたい。
KOGU鹿児島【グラベルロード】コルナゴ部長と阿蘇サイクリング!(前編)
KOGU鹿児島 阿蘇の草原をグラベルバイクで駆け回る!【阿蘇サイクリング後編】
「ハッとする動画がココロに響いてそこを訪ねたくなる」、KOGU鹿児島さんの動画はそんな魅力が伝わるような気がする。阿蘇には珍しい林間コースと定番のミルクロードや牧野の道、そして草原という変化に富んだ区間を組み合わせることを可能とするグラベルロードは阿蘇サイクリングの新たな魅力になるだろう。このような非日常的な体験をしてもらうために、道の駅阿蘇ではみなさんの挑戦を様々な取り組みによってサポートするので来年もまたご期待ください。では今年1年間つたないブログにお付き合いいただき感謝します。2022年もどうぞよろしくお願いします。
道の駅阿蘇 サイクルアドバイザー
コルナゴ部長 中尾 公一