阿蘇山の雪をマウンテンバイクで走る草原ライド。コルナゴ部長もガイドです。前半はちょうど5年目になったツアーのコースが出来るまでの裏話、後半は今年初のライドのレポートです。密を避け、阿蘇の草原を走りませんか?どうぞご覧ください!
寒い日が続いていますが阿蘇の1月の平均気温は何と1.8度なので驚きです。2月になると3.1度、3月が6.5度で4月からやっと2桁になります。厳冬期の阿蘇をロードバイクで走るにはかなりの防寒対策と、峠ではさらに3度ほど気温が下がりますので凍結する道路もありコースが限定されます。
阿蘇山は12月~2月には、ほぼ毎年降雪があり、美しく雪化粧した阿蘇五岳に見惚れてしまいます。また、高岳や根子岳の山裾や上部に積もった雪は険しい岩肌をいっそう際立たせ、雲の隙間から射す陽光は蒼白く山を照らし近寄りがたい雰囲気を醸し出します。
このように雪が積もった阿蘇山は景観が一変し魅了されますが、寒がりの私は阿蘇に春を告げる3月の野焼きまではロードバイクで走る機会が少なく過ごしていました。ところがトリムカンパニーの橋本君に誘われて、雪が積もった小国の山や北外輪山の斜面をMTBで走る体験でスノーライドの魅力にはまりました。そこでグリップ重視でセミファット2.8インチのタイヤを履いた雪に映えるミザーノブルーのMTBを購入、以降は毎年冬になると雪が降るのが待ち遠しい日々になっています。
ということで3月までは楽しめそうな冬の阿蘇の定番になってきた草原のスノーライドについてこれまでの取り組みと直近の情報を紹介します。
2018年1月、冬の阿蘇のアクテビティ発掘に阿蘇サイクルツーリズム学校「コギダス」の事業において、トリムカンパニーの橋本君のフィールドである小国の山で、スノーライド体験を道の駅阿蘇の下城さんを中心に始められました。
私は初めてのMTB体験が雪山となり、真っ白い景色に興奮したこことは今でも憶えています。
まずは頂上付近のフラットなコースの雪山MTBライドの体験でしたが、フカフカと雪が積もった山道は絶対的な魅力でした。
この時は山の頂上まで人とMTBを車で運び麓までのダウンヒルというツアーでした。
試走したコースは実に楽しいものでしたが、観光アクティビティとしては難易度と道の駅阿蘇から1時間もかかる交通の便が問題でした。
道の駅阿蘇からほど近い豊後街道のグラベルも何度か試走しました。
コース途中に長い階段と担ぎ区間があるのでこちらも観光向けには無理でした。
続いて橋本君のフィールドの大観峰近くにある北外輪山の斜面のダウンヒルを体験しました。
スリル満点でしたが、こちらもかなりの難易度で限られた人だけが楽しめるものでした。
ただし、いずれのコースも雪と氷と分厚い霜柱の森は静まりかえり、タイヤが雪を踏む音だけの世界でした。草原に出ると白銀の世界が広がり青い空が映える景色はため息が出るほど美しいものでした。日々の生活では出会うことができないこれらの体験は、日常のストレスを吹き飛ばす強烈なインパクトがあり、子供さんや初心者でも楽しめるコースはないかと考えられていたようです。
そして、この年の12月に道の駅阿蘇主催する牧野ガイド事業がスタートして町古閑牧野をMTBで走れるようになりました。草原という見通しのいいフラットなコースや、丘からのダウンヒルに最適なコース、野焼きの延焼を止めるために草を刈った輪地切りは迷わず走ることができます。路面は芝生のように柔らかで石や岩なども露出しておらず、転んでも怪我のリスクが少なく初心者や子供さんでも安心して楽しめます。もちろん上級者でも難易度の高いコースも取ることができますし、道の駅阿蘇から30分という距離も観光アクティビティに最適でした。
雪が積もりやすい輪地切りを走るとMTBによる草原ライドの新たな感触がありました。
それに広大な町古閑牧野は雪が積もれば無限と言っていいほどのフィールドであり、下城さんや牧野ガイドのメンバーにより、こんなことをくり返しながら現在案内しているコースが完成しました。
草原ライドは牧野ガイドの案内がないと立ち入ることはできません。それは草原(牧野)が牛や馬の放牧地や採草地であり病原菌を持ち込まないために、事前の消石灰による靴やMTBのタイヤの消毒が必要です。他にも牧野に立ち入るには規則があり、道の駅阿蘇による牧野ガイド研修制度を受講し、牧野組合長に立ち入る許可を得た牧野ガイドの同伴が必須となります。
2022年1月15日、雪がまだ残っていそうなので1年振りとなる今年初めての町古閑牧野の試走に下城さんと行ってきました。
この時期の町古閑牧野に行くにはスタッドレスタイヤやタイヤチェーンが必須になります。
雪は少しだけ残っていましたがそれでも楽しめる感触は大いにありました。
中級者以上を案内する林間コースは日陰なので雪はかなり残っていました。
数日前に草原ライドをエントリーされた夫妻がいらしたので、雪が残っていそうなところを案内しようと思いました。
当日は阿蘇山の雪化粧も薄くなり、草原も日当たりのいいところには雪はほとんどありませんでしたがそれでも感動されました。
「波野」という地名の通り、波打つような丘が連続する町古閑牧野は風が遮られ、標高の割には寒さが和らぎこの時期でも楽しむことができます。草原に雪がなくても吹き溜まりに多少の雪が残っていれば少年少女に戻ることができます。
「冬の阿蘇にいったい何があるというんですか?」
という問いに、この笑顔を見ればお分かりでしょう、誰もいない静かな草原をマウンテンバイクで走ることです。大観峰へ雲海を見に行って、海原に浮かぶ五岳という幻想的な風景がなかったらそれで終わりですが、草原ライドに行って雪がなくても十分楽しむことができます。雪原となった牧野には何度も行きましたが日常とは真逆の異世界でした。一度この世界に足を踏み入れるとハマってしまいます。天気予報を見ながらあと少し残されたチャンスに是非トライしてみてください。
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