阿蘇に春を告げる農耕祭事「御前迎え」「火振り神事」が3月20日に行われます🔥

みなさん、こんにちは!
Kanaです^^

2月末から3月初めにかけて、阿蘇の野焼きも終わり、道の駅阿蘇の店頭にもついに皆さまお待ちかねの露地の高菜、生葉も登場しています。


先週から急に暖かくなり、雨もしっかり降ったので、高菜のみならず、木々のつぼみも急に膨らんできたように思います。梅の花があちこちで、かわいらしい花を咲かせていますよ。


さて、今週末は少し寒の戻りがありそうですが、野焼きとともに、阿蘇にも春が来たな、と思う祭事が、阿蘇神社で執り行われます。

それはこちら「火振り神事」。(写真は過去のものです)

この神事は3月20日付近の申の日、と決まっていて必ず休日になるわけではないのですが、今年はなんと!3月20日(日)、3連休の中日にあたります。

コロナ禍の前は、みなさんも萱藁に火を点けて一緒に火を振ることができたのですが、今年もまだ、見学だけになるそうです。残念ではありますが、美しい神事をゆっくり眺められるのもいいかな。

3月20日は春分の日の前日で、日もだいぶ長くなるころです。「火振り神事」はようやく暗くなる午後7時からのスタートとなっています。駐車場の混雑も予想されますので、阿蘇神社さんの臨時駐車場の案内をご参考くださいね。

さてさて、この駐車場の案内地図を見て、何かあれ?と思うことはなかったですか?
神事なのに、境内で行わないんだ。参道でするのね。。。。
私は最初のころ、まあ、火を振り回すのは危ないもんね~、文化財が燃えたら大変だし、だから境内の外でやるのかな?と勝手に納得していたのですが。。。。

「火振り神事」は夜に火のついた茅を振り回す、その姿は絵になるし、ダイナミックで魅力的です。
でも実は、この神事は「田作祭」(たつくりさい)という7日間におよぶお祭りの中のあくまで一部なんです。
この「火振り神事」は真ん中の4日目の夜にあたります。

実はこの4日目、「火振り神事」の前後にも、とても大切な儀式が粛々と行われているんですよ。
それは「御前迎え」(ごぜむかえ)と呼ばれるもので、なんと神様の結婚式!その大部分は秘事だそうで(♡?)見られない部分も多いのですが、阿蘇神社から西に12kmほど離れた赤水地区の吉松宮がこの日の儀式の始まりの場所。お嫁さんが出発するところになります。

といっても、こちらに本物の姫様がいらっしゃるわけもなく、決まったご神体を神殿から持ち出すというわけでもありません。
「田作祭」の中日、4日目の朝、神職様が目隠しをして、こちら吉松宮の宮山にある樫の枝の中で、最初に触れた枝をご神体とするそうです!
(こちらの儀式も秘事なので見ることはできません)

そして、真綿、樫の葉で丁寧にくるまれて、お神輿に載せられ、7つの神社を経由しながら、夕刻、阿蘇神社あたりに来られます。いよいよ婚礼の前となり、禊をされ、お化粧までも施され、阿蘇神社参道へ。。。。そこでの歓迎の迎え火が「火振り神事」ということなんだそう!

この一連のお祭りの名前は「田作祭」ですが、お婿さんは、阿蘇の神様である「健磐龍命」(たけいわたつのみこと)の叔父にあたる、阿蘇三の宮「国龍神」(くにたつのかみ)です。この方は彦八井耳命(ひこやいみみのみこと)や草部吉見神(くさべよしみのかみ)とさらには年祢神(としねのかみ)など多くの名前があります。神武天皇の子であり、「農業の神様」として崇められています。この婚儀の儀式をすることで、豊穣が約束されるとのことです!

神話や、言い伝えは奥が深く、頭がこんがらがりそうなお話も多いですが、ちょっとこんな豆知識を持って、「火振り神事」をご覧になっていただけたら、より興味深いかな、と思います。お子様たちには、田んぼの神様の結婚式のお祝いをするんだよ、お嫁さんが今いらっしゃったよ、一緒にお祝いしよう!といった感じで伝えると分かりやすいかもしれませんね^^

今年も豊作となりますように!みんなで、盛大にお祝いしましょう♡
国の重要無形民俗文化財でもある「阿蘇の農耕祭事」を是非ご覧ください。

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