阿蘇山山岳信仰、修験道のお寺「西巌殿寺」にて「阿蘇山観音祭り」が3年ぶりに行われました

みなさん、こんにちは^^ Kanaです。
朝はやはりそれなりに冷え込みますが、日中は汗ばむほどの陽気になってきた阿蘇です。
とても過ごしやすく、景色も明るく、花々があちこちで咲いていて、カルデラ内がカラフルに彩られています。

さて、先日4月13日、阿蘇市坊中にあります西巌殿寺ではこんなことが行われていました!


西巌殿寺の「阿蘇山観音祭り」です。

「阿蘇山観音祭り」はコロナの影響で2年間行われず、3年ぶりの開催となりました!
こういう荒行はテレビで見たことはありましたが、阿蘇に9年住んでいながら、今回初めて見学、さらに参加させていただきましたよ。

西巌殿寺の開基は726年。阿蘇の山岳信仰の中心を担ってきました。阿蘇の山岳信仰が栄えた時代、三十六坊五十二庵あったと言われる古坊中が戦乱に巻き込まれて、焼き払われた後も、麓坊中での復興の流れを汲み、今も阿蘇山山岳信仰の中心として現在の場所に鎮座しています。

さて、花まつりが4月8日ですが、西巌殿寺で行われる阿蘇山観音祭りの4月13日とは何の日なのでしょうか。

いただいた資料を見ますと、西南戦争の際、社寺の代表者には新政府より訓導という役を与えられ、当時の西巌殿寺の厨僧正も人々に争いを止めるよう説いて回っていたそうです。それが、それが薩軍の怒りに触れて、民衆への説得を止めるよう脅され、さらには拷問を受けたそうです。交戦が始まり、その間隙を縫って、西巌殿寺に連れ帰られましたが明治10年4月13日に亡くなられました。
人々は厨僧正の墓を境内に建立し、命日に招魂祭を行うようになったとのことです。

そして、昭和50年頃、先代のご住職が、もともと修験道の寺であった西巌殿寺で、昔行われていた荒行を復活させようということで、厨僧正の招魂祭に今のような火渡りや湯立ての荒行が行われるようになったそうです。

当日、3年ぶりの行事に多くの方が来られていました。

火渡りの荒行が始まるまでも、様々な儀式が行われていましたよ。

その後、中央に組んだ櫓に火を点け、願い事が書かれた護摩木を投げ込んでいきます。


読経や太鼓が途切れることなく続いていました。

その後、櫓を崩し、平らにならすと、いよいよ、荒行、火渡りの始まり。
一度だけ歩くのかと思いましたら、3周くらいされていてさらにびっくり。


走ると風が起こって火が大きくなるため、ゆっくり気を静めて歩けば熱くないそうです!
「心頭滅却すれば火もまた涼し」とのこと。

一般の人も参加できるので、私もさせていただきました。


行者の方にシャンシャン、と錫杖で肩をたたかれ、手を合わせながら渡ります。炭と灰のような状態で、時々熱く感じましたが、静かに渡ることができました!

続いては湯立ての荒行。
観音笹をお湯につけて頭にかぶったり、さらには私たちのほうまで、湯しぶきを飛ばされます。


最後はありがたい観音笹をいただいて帰りました。

お寺に行ったのは久しぶりでしたが、宗派は違えど祖母がお経を読んでいた背中を思い出し、しみじみと懐かしく、自分はやはり日本人だな~と思って、すがすがしい気持ちにもなりました。

毎年4月13日は西巌殿寺の「阿蘇山観音祭り」の日です。阿蘇山山岳信仰の歴史、文化を直に感じられる行事に、皆様もいつか機会があれば是非お越しくだい。

 

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