コルナゴ部長こと中尾公一さんからサイクルレポートが届きました。
今回も内容は深く盛りだくさんです。国内外のお客様に阿蘇を楽しんで頂けるよう、道の駅阿蘇から牧野まで快適に自走するルートの開発や、熊本市内の見どころ、晩年を熊本で過ごした宮本武蔵や戦国時代のサムライ・レぺゼン加藤清正公のゆかりの場所などをレポートなさっています。
どうぞお楽しみください♪
4月6日の1回目の阿蘇満喫モニターライドは、平日に急きょ開催ということもあってか参加者がなかったので気になっていたところの試走に行った。まずは、MTBやe-MTBで牧野ライドに道の駅阿蘇から自走で行ける狩尾南牧野への車の少ないいいルートを探した。途中にはここも牧野だが眺めのいい本塚や、美味しい休憩スポットとして、チョコレート専門店の生チョコやチョコレートドリンク、それに老舗肉屋の「パン粉のから揚げ」など走って補給して楽しめる牧野ライドのいい感じのコースになった。特に野焼きの終わった今が旬なのでおすすめしたい牧野である。
CSCの湯野さんにドローンの空撮を試してもらったので後日紹介する。
東海大学阿蘇キャンパス跡近くから国道57号を結ぶ古い橋を見つけた。この橋を利用すれば交通量の多い国道を短縮して新阿蘇大橋を眺めることできる。
来年夏に全線開通する南阿蘇鉄道の見晴台駅に久し振りに行って来た。
満開の桜に、空に舞う鯉のぼりも良かったが駅舎ノートを開くと、
上手いな!駅舎ノートは持ち出せないようになっているので、スケッチじゃなくて写真に撮って書かれたのだろうか。
高森町役場で小倉原牧野は野焼きされていると聞いたので行ってみたら頂上付近だけで上り道はまだされていなかった。
ここの組合員は1名だけなので一斉の野焼きはまだのようだったが、全体が真っ黒になったら見事な景観になるのでこれからが楽しみだ。
17日の2回目の満喫ライドは普段立ち入ることができない小国の一目山牧野を走るコースだが定員になった。そこで走りやすい季節になったので3回目の阿蘇満喫モニターライドを開催する。名水で有名な国造神社がある手野地区のみなさんが毎年開催されている牧野でのワラビ狩りにサイクリングの途中に参加するライドだ。ワラビ狩りのあとはその場で食べる弁当付きで、ワラビ狩り用の靴と収穫したワラビはサポートカーが運ぶので動きやすい靴に履き替えて新鮮なワラビを持ち帰ることできる。サイクリングの参加以外にも一般募集もされるので家族で現地合流も可能。ライドはいつものように無料だがワラビ狩りの参加費と弁当代は必要。
ワラビ料理は一般的には和食のイメージだが、私の行きつけのイタリア家庭料理のコントルノ食堂では、今の時期はワラビやフキ、タケノコ、ウドなど山菜を素材にしたイタリア風の料理を提供されている。そこで菊池シェフにワラビのレシピをお尋ねしたところ、
「ワラビいいですね! 店でも使っています。単純に使うだけならアク抜きをしたワラビは何にでも合わせやすいと思います。 とっつきやすさでは 和風でワラビのパスタ、 オリーブオイルを使い醤油風味程度の量の醤油とタップリのワラビ、仕上げに鰹節をトッピング。ツナなど混ぜても良いと思います^_^ イタリア料理らしいアプローチなら ワラビの特徴を活かして…あのねっとり感と風味を出したいので 今日はペーストにして(ほんのりベーコン風味の脂と一緒に)パスタに和えるかクロスティーニかブルスケッタにしてみようかと思っています。」
そんなお洒落な一品も楽しむことができるので阿蘇の草原の恵みを是非。
道の駅阿蘇の情報を3件紹介する。1つ目は道の駅阿蘇限定販売のクラフトビールASO CYCLE BEERが発売された。この商品は鈴木雷太さんを先日阿蘇に招待されていた福岡のサイクルショップ正屋さんと道の駅阿蘇のコラボ商品、いろんな事業に挑戦されているオーナーの岩崎さんによると、今年が創業25周年になることから大好きな阿蘇のビールを作られたようだ。
2つ目は、阿蘇駅の隣に世界最大のホテルチェーンマリオット・インターナショナルと積水ハウスが連携した地方創生事業としてホテル建設に着工した。主に訪日外国人をターゲットにしたもので、全国の道の駅の隣接地に建設するプロジェクトのひとつだそうだ。レストランや宴会場を設けない宿泊に特化したホテルで、道の駅を含め地元での食事の提供など新しい消費を生み出すのが狙いとのこと。規模は5階立てで93室、来年10月に開業予定。
3つ目、昨年10月に八重洲出版から発売されたムック本「ニッポンのじてんしゃ旅」シリーズ第7弾目となる「阿蘇サイクリングガイド」の繁体字版が完成した。これは2019年7月から阿蘇サイクルツーリズム学校「コギダス」の事業として、道の駅阿蘇が台湾・高雄のみなさんと相互交流に取り組んでいたことから台湾のみなさん用にとガイド本の出版となった。
2019年12月には相互交流の第1歩として、熊本・高雄交流アドバイザーの朱俊彦さんの協力のもと、台湾のサイクルブロガーやMTB女子プロライダーをファムトリップとして阿蘇に招き、実体験した草原ライドなどアクティビティの感想をSNSで発信してもらっていた。2020年には阿蘇市観光課の武城さんと、道の駅阿蘇の下城さん、それと私の3人で1月末から高雄市と台南市へ阿蘇サイクルツーリズムのPRとサイクリング事情の視察に行った。
そして2021年6月、コギダスと高雄市国際サイクルツーリズム促進協会は、相互に連携強化を図ることで地域に根付いたサイクルツーリズムの発展及び地域の活性化を推進することを目的とした協定が締結され、今回は互いの交流の橋渡しをされていた朱さんのサポートによって、台湾サイクリストに阿蘇を楽しんでもらうために「阿蘇サイクリングガイド」を凝縮した繁体字版が完成した。
最終ページには交通アクセスも乗ってとても分かりやすい。熊本~高雄便の就航が再開したらこの本持ってみなさんに会いに行きたいと思っている。今までの事業についてのレポートは以下のブログ参照。
台湾高雄市サイクルPR事業(1)
http://kikuchinokoto.blog88.fc2.com/blog-entry-1954.html
台湾高雄市サイクルPR事業(2)
http://kikuchinokoto.blog88.fc2.com/blog-entry-1955.html
台湾高雄市サイクルPR事業(3)
http://kikuchinokoto.blog88.fc2.com/blog-entry-1956.html
台湾高雄市と協定締結
http://kikuchinokoto.blog88.fc2.com/blog-entry-2042.html
国内はもとよりインバウンドにおいても滞在型のサイクリストを想定して、火の国熊本を象徴する阿蘇に対し、熊本駅に近く熊本市の象徴的な金峰山(きんぽうざん・きんぼうざん)エリアをサイクルツーリズムの一環として冬の間取材してきた。今回は歴史探訪として剣豪の宮本武蔵と熊本城の加藤清正の足跡をたどってみた。
宮本武蔵は肥後細川藩祖の忠利公に招かれ晩年を熊本で過ごし金峰山の山麓にある洞窟、霊(れい)巖(がん)洞(どう)に籠り有名な兵法書「五輪書(ごりんのしょ)」を執筆した。これは、地・水・火・風・空の五編からなる剣術の一派で、二天一流(江戸時代に二刀一流と改称、二刀を用いたので二刀流ともいう)の集大成とも言うべき兵法書だ。
台湾・高雄市を訪問した際に、熊本・高雄交流アドバイザーの朱さんの視察プランのなかで日本統治時代の高雄市「武徳(ぶとく)殿(でん)」を見学した。
そこには礼儀正しく、大きな声を出し、剣道の稽古に励む日本の高校生と見間違う学生がいて私たちは驚いた。武徳殿は台湾各地に武道鍛錬のために建設された建物であり、朱さんによると今の館主が二刀一流の免許皆伝であり、宮本武蔵は女性には興味なさそうだが、男性には興味ある人が多いと思うとのことだった。
最後に熊本城の築城主であり肥後熊本藩の初代藩主の加藤清正ついて。
まずは城の周りをサイクリングや二の丸公園を押し歩きして散策した。
2016年4月16日、やがて6年となる熊本地震において、熊本城は天守閣の瓦や石垣が崩れたほか、国の重要文化財のやぐらや塀が倒壊するなど大きな被害を受けた。天守閣の復旧は終わったようだが全体的にはまだまだ痛々しい姿だった。
崩壊した石垣の10万個の石にはひとつひとつに番号が振られ、積み直していくという20年以上のプロジェクトになる。
加藤家代々の菩提寺となる本妙寺。ここは何度も訪ねたが今回は遺言状により加藤清正公が祀られている浄地(じょうち)廟(びょう)ではなく、中門(ちゅうもん)を降りたところにある門前宿の御宿廣島屋に宿泊した。
中門(ちゅうもん)から見た廣島屋、その下には大本堂まで胸突(むなつき)雁木(がんぎ)と呼ばれる急勾配の176段の石段と、熊本市内を見下ろす絶景。これは清正の遺言により浄地廟は熊本城の方角を向き天守と同じ高さになるからだ。
灯がともされたこの時間帯の廣島屋は際立った美しい。宿泊すると徐々に暗くなるこの風景を好きなだけ眺めて過ごすことができる。明治時代からの宿を楽しむのは外からでも素晴らしい。
利用した時はコロナの影響により1日1組で朝食付きのプランのみだったが、ゲストハウスのように台所があり料理を持ち込んで夕食にした。
男性3名はこちらだが安眠を妨げる私はリビングの部屋に布団を移動。
2部屋とも石段の参道側にあり癒される風景だった。
肥後・筑前琵琶奏者の岩下小太郎さんによる肥後琵琶の演奏があった。宿の女将さんが琵琶をされることから今夜の演奏会となった。清正公も聞いたであろう琵琶の音色と語り、400年以上前の気配が漂う一夜となった。
翌朝は胸突雁木を降りて仁王門(におうもん)まで散策のあと宿に帰ると、これぞニッポンの朝ごはんだった。
翌朝は熊本城に近い昔ながらの街、新町界隈をサイクリングしてお茶したり甘味でホッとしたりして、サクラマチクマモト付近で開催されている「くまもと花とみどりの博覧会」を押し歩きで見て回った。自然の中に溶け込んで走り回ってばかりいたので、熊本城付近の街は自転車となかなか相性がよかった。
そういえば台湾の高雄市や台南市を走ったときも街中は新鮮だった。それにカフェや美味しい食堂は街中にあるので台湾の魅力をより楽しめた。熊本を自転車で訪ねる場合、ガッツリ阿蘇の山々を制覇するだけではなく、金峰山界隈にはこのような素材を自転車で楽しめることができるので、好みに応じて東の阿蘇と西の金峰山のセットで紹介してもいいのかも知れない。
今が旬の野焼きの後の狩尾南牧野、野焼きが待ち遠しい高森の小倉原牧野。来年夏の南阿蘇鉄道の全線開通式には見晴台駅で上白石萌音さんを見たいものだ。サイクリングの途中のワラビ狩りをする体験は、参加された方の感想を聞いて、希望者があればタケノコやウド、それにコゴミ狩り体験をやって、収穫したものを今までとは違うレシピで紹介することも草原の新たな魅力として面白そうだ。
言葉の壁を越えた阿蘇サイクルガイド本により、台湾のみなさんと一緒に走って感触があれば、次なる言語の本のきっかけになればと思う。そして、武蔵と清正の足跡をサイクリスト風に楽しむ熊本の街の風景は、まずは朱さんに体験してもらい感想を聞きたい。地震前、コロナ前、廣嶋屋は外国の方に人気の宿だったそうだ。宿泊してまさにそうだろうと思ったし、日本のサイクリストにも是非お勧めしたい宿であり、世界中の人にあの琵琶の音を届けたい。
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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
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