コルナゴこと中尾公一さんの最新レポートが届きました。
今回はサイクリング界のレジェンド三浦恭資さんと、まるで室町時代のサムライのようにお茶体験をしつつ(←ロブションさんが絶賛したそうです♪)、満開の桜🌸を見ながら春を満喫する前半、後半は阿蘇山の南側から北まで楽しむルート、さらに4月の満喫ライドのご案内まで、盛りだくさんの内容です🌸どうぞお楽しみください
「キング三浦」ことサイクルスポーツ界のレジェンド、三浦恭資(みうらきょうし)さんと交流会とサイクリングという夢のような体験をしてきた。前回の元プロロードレーサー宮澤崇史さん、マウンテンバイク鈴木雷太さんという名選手でオリンピアのお2人に続き、今回は還暦を過ぎても現役の三浦恭資さんとご一緒したレポートになる。
また、4月23日・24日開催の阿蘇パノラマヒルクライムに出場する女性サイクリストとのライドと、4月から再開する阿蘇満喫モニターライドの開催についても紹介する。
三浦さんは高校2年でインターハイに出場、卒業後は多くの実業団で活躍され、1987年よりスイス・フランス・ベルギーのプロサイクルロードレースチームで活動された。国内では23歳で初優勝以来3度の全日本ロードレースを制し、マウンテンバイクでもアジア王座を獲得、ソウル五輪にはロードレースで出場、アトランタ五輪はマウンテンバイクで出場、シドニーオリンピック、北京オリンピックはコーチとして参加されている。61歳の現在も現役で活躍され、昨年の全日本選手権ロードレース2021マスターズ(60-69)で優勝、同時走行した50歳代を含めて12位の成績を残されている。
2021全日本選手権ロード マスターズ・レポート|サイクルスポーツがお届けするスポーツ自転車総合情報サイト|cyclesports.jp
三浦さんとは自転車仲間の久留米のKeiさんの出会いから始まった。2人のロードバイクがイタリアのDE ROSA(デローザ)であることから始まり、Keiさんが地元久留米や実家がある八女市を中心にサイクルイベントで盛り上げようと活動されていることに共感され、三浦さんの出身が久留米に隣接する佐賀県鳥栖市で実家に時々里帰りされていることから今回の企画にお誘いして実現した。
久留米は昔から競輪が盛んなところで三浦さんもバンクでよく練習をされていたようだったようだ。
交流会は久留米のB級グルメである焼き鳥や餃子を食べながら、海外での体験談や現在もサイクルスポーツを中心した生活を続けられているお話など、夜遅くまで語っていただいた。翌日は久留米陸上競技場をスタートして星野村・筑後・八女市内を走った。黒木町の古い隧道(トンネル)が見えてくると、「ここは高校の時に練習で走っていたよ!」と、40数年振りのサプライズもあって懐かしい風景を楽しんでもらえたようだった。
交流会では初めて外国生活をスタートしたスイスでの逸話や、レースで結果を残さなくては生活できないため、人一倍練習したことをさりげなく笑顔で話された。また、当時一緒に走っていた選手やチームメイト、仲の良かった選手が現在では世界の自転車業界の重鎮ばかりで一同唖然となった。このような1980年代から体験されたエピソードを、日本人の目で見た記録として自分史みたいな形で執筆されたらと思った。同席した全員もこの日お聞きした ”あらすじ” を書籍としてじっくりとページをめくりたいと切望したことだろう。
翌日のライドの一番の目的は、交流会にも参加された八女市星野村の日本茶鑑定士木屋康彦さんのお茶体験だった。日本茶の素晴らしさ、八女茶の真髄を自転車乗りに相性のいいスタイルで世界を知る三浦さんに試してもらいたいことだった。
Keiさんの案内で久留米陸上競技場をスタートして八女中央大茶園へ行った。
久留米市内から郊外に出てしばらく走ると茶畑の丘が見えてくる。適度な上りの先にある広大な茶畑の景観に「まるでぶどう畑のよう!茶畑の中の細い道、あんなところもレースコースにしてるからね」と三浦さんが欧州を思い出して言われた。
ここから星野村までは適度な上りが続く18kmで、車もそんな多くなくサイクリングにはおすすめの道になる。八女茶の生産地のひとつである星野村は気候風土の恵みもあって、日本でも代表的な玉露の生産地である。その恵みとなる地形が急峻なため、石積みの棚田と茶畑が山の斜面に広がる独特の風景が星野村までのサイクリングの魅力だ。
木屋さんの木屋芳友園着くと「茶房星水庵」のテラス席で星野川の川音を聞きながら八女茶体験が始まった。
こちらのお茶体験は、煎茶のコールドブリューや、本玉露のしずく茶、焙じ茶を磁器や陶器だけではなくリーデルの形状が異なったグラスで愉しむものである。
世紀のフレンチシェフと称されたジョエル・ロブションが生前最後に認めた食材が八女伝統本玉露である。2017年このお茶を初めて体験したシェフは、その場で称賛して「このお茶を世界中に伝えたい」と言われたという。そこで木屋さんの挑戦が始まり、渡米してカリフォルニアの有名レストランとコラボした料理とのペアリングへ進化し、星野の茶房でこのようなスタイルで八女茶を体験することができるようになった。
お茶体験には、あえて旨味を残した本玉露の茶葉を「食べる」という一品もある。素朴な味わいのクラッカーに合わせたブルーチーズの濃い味と塩味が本玉露の旨味を引き出すアクセントになり妙味ある逸品になっている。これだけではない、最後にメイプルシロップを垂らしていただく。これが木屋流、三浦さんもかなり満足された様子だった。
星野村のお茶体験が「自転車乗りに相性のいいスタイル」とは、水分補給を兼ねた和らぐ癒しの空間でリフレッシュできることと、サイクリングの途中にジャージにシューズを履いたまま立ち寄り、椅子テーブルで流儀も作法もなく楽しむことができること。これは世界中のサイクリストを迎えるコンテンツではないかと思っている。
お昼は木屋芳友園の向かいにある築240年の古民家の「ふみちゃんの味そ汁屋さん」へ。この地域で代々受け継がれた保存食の田舎料理は、お茶体験のあとなので素朴な味がちょうど良く、私たちと同じ田舎育ちでほぼ同年代の三浦さんも喜んでもらえたようだった。
星野村から黒木町を走っていると、この先の隧道(トンネル)で三浦さんの40数年振りの記憶が蘇った。久留米は古くから競輪が盛んで三浦さんもバンクによく練習にこられたようだった。公道を走る練習もこの付近が圏内だったのだろう。
私はいつも最後尾を走った。三浦さんのフォームや走り方を観察するためだ。三浦さんはラインを変えずに真っ直ぐ走られて「急」の付く走行はまったく無かった。ストップ&ゴーのときはダンシングで先行者との距離は常に一定に保たれていた。手信号は一瞬だが無駄がなくペダリングは滑らかで常に一定していた。後ろを走っていてまったくストレスがないというのが感想だった。三浦さんの愛車デローザとイメージカラーの青色は、ヨーロッパで過ごした期間の名残のようだった。ロードとマウンテンバイクの両方のオリンピアンには是非とも阿蘇の牧野を走ってもらいたいとご案内したら快く返事された。そして、何より驚いたのが「みんなでヨーロッパに行こう」と普通に話されたときだった。「向こうには自転車仲間の知り合いが多いので困ることはない」と言われた。「向こう」のひとりが娘さんのご主人がフランス人で、パリで暮らしていらっしゃるということだった。それもよく知る自転車関係の仕事なので更にびっくりだった。キングの凄さは、戦歴、経歴、体力、人柄そして人脈、すべて半端ないものだった。
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4月23日・24日の阿蘇パノラマヒルクライムにエントリーされるMさんから、練習を兼ねて走りたいと連絡があり坊中線を案内してきた。自転車を始めて1年半にも満たないMさんは、練習もよくされており私のライドでご一緒する度に早くなられていた。
今回の目的は、少しでも早くなりたいということなので、フォームや走り方を見てその場で教えながら同行した。草千里展望所にゴールすると念願の1時間が切れてかなり自信をつけられたようだった。やはりフォームの癖もあるが、Mさんの場合は勾配が緩くなってもギアがそのままなので、スピードが伸びないところが大きかった。こまめなギアチェンジによる1秒の短縮の積み重ねが大切だと思う。
吉田線を下って久し振りに穏やかな南郷谷を走った。小池水源から田舎道をつないで高森方面に走っていると踏切警報音が聞こえてきた。この日は平日なので普通列車と思っていたらトロッコ列車だった。しかし、列車の動きが変で徐行したり駅でもないのに停まったりとシーズン前の点検か運転の訓練のようだった。
昼を過ぎたので人数の多い時には入れない明神そばへ行った。客は多かったがすぐに席に着くことができて、ゆっくりメニューを見ていると、たまには少人数で美味しいランチに行くライドもいいなと思った。
ちょっと寒かったので温かいそばは身体に優しく、出汁の旨味と塩気が沁み渡った。ラーメンだと重いが、うどんやそばは再スタートに影響ないので次回もと思うが、そもそも阿蘇にはうどんやそばの店が少ないので諦めるしかない。
この先の高森駅の駐車場は舗装工事の真最中だった。来年夏の全線開通に向けて着々と準備が進んでいるようだった。
265号を上り切ってから箱石峠まで一本道なのでそれぞれ走った。この区間はアップダウンが連続するがいつもより格段に速く走れている感じがした。体重も増えて練習もやっていないが、やはりスピードに乗った時の新しいホイールの影響はかなりのものだと思った。特に下りの加速は未体験の領域のように感じる。箱石峠から右折して町古閑牧野道で57号に出て阿蘇神社方面へ行った。
ゴールの前にカフェや甘味処の希望を訊ねると笑顔で「行きたい」と言われた。人数が多いと門前町あたりの立ち食いか道端の椅子になるが2名だとどこでも入れる。そこで門前町を外してヒバリカフェに案内した。
まるで世田谷ベースのような敷地内の雰囲気、カフェの居心地、吹き上がる湧水を見ながら頂く美味しい水、これを考えると、フレンチプレスで淹れたコーヒー374円だけではなく、Mさんのようにあと一品注文すべきと反省。
ひとりでは写真も撮れないし、そば屋やカフェも行きづらくて、せっかく阿蘇を走るのに、もったいない。でも1人旅・・・そういえば内牧の旅館時代は1人旅の男性や女性の方をよく案内していたと思い出した。1名で旅館を利用すると結構なお値段だったはず、昨今の時代で価値観が変わり大切なお金の配分を考えると、女性の1人旅でも安心でお得な阿蘇の宿泊施設も多い。それに旅行代金を補助する事業が再開するだろうから、スタートしたら自転車1人旅に挑戦されたらと思う。そんな群れたくない方の応援として、道の駅阿蘇には女性スタッフも多いので、サイトを見てメールでご相談されたらどうだろう。
〇 4月の阿蘇満喫モニターライドの開催のお知らせ 〇
4月6日(水)と4月17日(日)に開催する。6日は80km程度で1400m上り、17日は小国町の方と合同開催で普段は立ち入ることができない一目山の牧野道を走ることができる。結構上るが頂上の風力発電所からの眺めは圧巻だ。
🚲↓こちらがイベントの詳細とお申込みフォームです↓🚲
4月6日(水)と4月17日(日)に開催します。集合場所が違いますので下記のイベント紹介をご覧ください。
走行距離は60~80kmで汗冷えしないようペースを落として走行したいと思います。
【イベント詳細】
- 日程:4月6日(水)
- 集合時間:9:00
- 終了時間:15:00~16:00
- 集合場所:道の駅阿蘇 新設トイレサイクルラック前
- 募集人数:20名
【イベント詳細】
- 日程:4月17日(日)
- 集合時間:9:00
- 終了時間:15:00~16:00
- 集合場所:小国町商工会近く「けやき広場」
- Googleマップ(集合場所)
- 募集人数:15名
- 17日は小国町の方と合同開催で普段は立ち入ることができない一目山の牧野道を走ることができます。結構上るが頂上の風力発電所からの眺めは圧巻。
※雨天等中止は前々日の天気予報で判断させていただきます。
※コースを途中離脱する場合は個人での走行になります。
※防寒対策を備えてお越しください。
申し込みは下記のサイトからどうぞ。グループの方は参加者情報を明記されれば代表者のみで受け付けます。
申し込み条件としてはエントリーサイトに明記してありますので必ずご確認ください。
特に自転車保険、個人賠償責任保険等の加入、それからエマージェンシーカードは下記からダウンロードして用意してください。
4月6日(水)お申し込みはこちら↓
お申し込みフォーム
4月17日(日)お申し込みはこちら↓
お申し込みフォーム
エマージェンシーカードのダウンロードはこちら↓
http://www.shimano-event.jp/17bikers/pdf/card.pdf?fbclid=IwAR1-N5YwFW_SNIz_cFoKucvRK-37nTPeKos0Jo-E4ov-vI7z76X9NL2szZo
なお、当日のマスク着用については、受付やブリーフィングでは必須としますが、走行中は十分な呼吸を行うことができず、人体に影響を及ぼす可能性がありますので参加者個人の判断でお願いします。
また、プライベートなライドなのでエントリーフィーは不要ですが、撮った写真や動画は、阿蘇サイクリングの広報を目的に、道の駅阿蘇や自転車雑誌やそのサイト、及びコルナゴ部長のブログやSNSに使用しますのでご理解ください。
みなさんのご参加お待ちしております。
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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook、道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。
道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
阿蘇市内の地図はコチラから
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