コルナゴ部長こと中尾公一さんから「台湾人ブロガーによる阿蘇体験取材」のレポートが届きました。
今回は台湾人ブロガーの方々を、阿蘇を知り尽くしているコルナゴ部長がご案内しました。
行楽の秋。皆さまもコルナゴ部長と阿蘇を満喫してみませんか?
世界最大の半導体受託製造企業であり、台湾最大級の企業でもある台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県菊陽町進出により、増加が見込まれる台湾人観光客向けの旅行プランとして、20~40代台湾人女性を対象にE-バイクを使った個人向け滞在型コンテンツを造成するため台湾人ブロガーに取材してもらった。
プランはJR阿蘇駅に鉄道やバスなど公共交通機関で訪れた台湾人女性が、隣接する道の駅阿蘇からガイド付きのE-バイクによって、内牧温泉や阿蘇神社など5キロ圏内程度にある食や買い物・フォトスポットをサイクリングで巡るという設定。
コースは事前に台湾個人市場に訴求可能なスポット調査を行い、台湾と道の駅阿蘇を結んだWeb会議で取材箇所を絞り込んで行程表を作成、当日は台湾から日本FIT旅行プロデューサーの遠隔による取材サポ―トがあり、現場を共有したアドバイスやインタビューも盛り込んであった。
取材されたブロガーは、台湾南部の嘉義県出身で北九州市在住の阿金「アーチン」(ハンドルネーム)さん(47歳)と、アーチンさんの友人で台湾に中国語で日本の生活や観光情報を発信している前川空さん(25歳)の2人。アーチンさんの巧みな食レポと、空さんの得意な自転車を合わせた取材を、牧野ガイドでお菓子や料理作りとミックスしたキッチンライドを開催されている清田あづささんと2人で案内した。
1日目は、ランチスポットで食事風景から始まったので、コーディネーターの方とアーチンさんと空さんの3人に行ってもらった。ななつ星の朝食店でもある「オルモコッピア」が台湾の女性に評価が高かったが満席だったので「茶蔵カフェ」に変更して取材された。ランチ後に合流して360度視界が広がる阿蘇谷をサイクリングしながら、阿蘇山を背景にした農道でのフォトスポットや湧水地を訪ねてヒバリカフェに行った。
役犬原の湧水スポット
事前打ち合わせでは「削除希望」と評価が低かったところで「ここでの楽しみ方を教えて下さい」とコメントされていた。2名を案内するとそれなりに反応されていたが、行けば解るが写真では台湾の方に伝わらないのだろう。
ランチの後にホットドッグだったが、2人には織り込み済みなので実に美味しそうに食べられていた。
ここでの目的は「店主との会話やふれあい」だったが、話上手なオーナーが不在でちょっと残念。
台湾の女性が絶対行きたいところとして選ばれたのが、阿蘇内牧ファミリーパーク「あそ☆ビバ」。子供たちが遊ぶ遊具があるだけで、何がいいのかよくわからなかったが、可愛い写真が撮れると優先スポットの「長め時間希望」になっていた。行ってみると「大人だけの入場は禁止」と入口に看板に書かれており、期待されていただけに撮影が出来ず残念だった。写真は隣にある公園。
ここも優先スポットで「台湾人受けがいいので長め時間希望」となっていた昭和レトロな駄菓子屋「チロリン村」。
ブロガーの2人は大満足の様子で店の方とのインタビューも盛り上がり個人的にもたくさんの駄菓子を買われていた。内牧に7年、道の駅阿蘇に3年お世話になっているが初めてのチロリン村だった。
ここも初めだった「いまきん食堂」の横にある「でっかい学校椅子オブジェ」。
ここも不思議な取材箇所だった鮮魚店の「渡辺水産」。スタッフの方との会話が盛り上がって夜のBBQ用にサザエやハマグリを買われていた。その後、スーパーの「えびすぱーな」の取材ついでに飲み物を買って1日目の取材終了。
宿泊取材はゲストハウス「阿蘇の森」。アーチンさんの動画で宿の外観や展望スポット、薪ストーブやテラス、客室の間取りや寝具、備品、そしてBBQの様子など詳細にライブ配信されていた。
BBOの材料を手配してもらったカルキフーズの軽木さんから、台湾の方と一緒に食事をする旨伝えていたら、台湾の方は焼いた肉をパンに挟んで食べられるので豆の木さんの食バンを用意したと言われていた。それを伝えるとアーチンさんは大喜びで、焼いた肉をパンに挟んで「美味しいから試して」とサービスされた。
一口食べると「旨い!」、肉はご飯とばかりと思っていたが、好みで焼いた食パンか、そのままの食パンで食べると実に相性がいい。これはみなさんも是非試してもらいたい。特に野外での焼肉やキャンプの際には、ご飯の代わりになるパンは便利でおすすめかも知れない。
2日目、涼しくて気持ちいい朝だったので早起きして阿蘇の森の近くをサイクリングした。
朝一の取材は阿蘇駅前のウソップ像。台湾でもワンピース人気は凄いらしい。このあとは坊中線で放牧の馬や牛を見に行った。
道の駅阿蘇から5km行けば、時期にもよるが、このように多くの馬や牛が放牧されて道沿いに集まっている。
ここまで5kmの平均勾配4.4%の上りなので、疲れ知らずで気持ちのいいE-MTBは観光の足に最適。道沿いの「ここはというスポット」で景色を眺めたり、写真を撮ったりできるのも自転車の特典、クルマだったら駐車スペースを探していたら見逃してしまう。
折り返しの下りでは、E-MTBの安定性のいい太いブロックタイヤと、軽くて手が疲れない油圧式ディスクブレーキは長い下りでそのポテンシャルを発揮し、恐怖感を与えず爽快感を満喫できて初心者の女性におすすめの安全な自転車になる。
2日目のランチは阿蘇神社近くの「ティアンティアン」。人気店だが友人から取材のことを事前に連絡してもらうと開店時間だったら大丈夫とのこと、ただし長年フランスで生活されていたオーナーは、この日不在とのことだったの会話は撮れなかった。
「ティアンティアン」は明治時代の校舎をそのまま利用した旧女学校跡にあり、ノスタルジックな空間で食事やケーキが愉しめる。食材や調味料は地元阿蘇にこだわっている。
ランチは2種類でこちらは「あか牛のグリル:サラダボール仕立て」。
特製バター醤油ソースでソテーされたあか牛と阿蘇の野菜がたっぷり入って、下の醤油バターソースで味が付いたご飯とかき混ぜて食べるお洒落な丼風になっている。季節のスープはパンプキン、デザート、ドリンクが付いていずれもクオリティが高い。
もう一品は「あか牛の粗挽ミンチカレー:旬のスチーム野菜添え」、ご飯の上に乗ったスチーム野菜が歯ごたえ良く薫りも高い。カレーは小さいが重量感あるダッチオーブンで出される。濃厚ながらあか牛のサッパリ感があって素晴らしく美味しかった。
アーチンさん空さんにも味と雰囲気を楽しんでもらえたようだった。
店内にある当時の写真。波野方面の学生は、宮地から豊肥線が開通するまでは、片道2時以上かけて願成就坂を上り下りして通っていたという。
ASO MILK FACTORY
事前情報では「台湾人に人気の阿蘇ミルク商品を探したい。台湾人受けがいいので、長めの時間希望、2人でミルクで乾杯するシーンの動画を撮りたい」。
安くて美味しいとアーチンさんはかなり感動。このあと渡辺まんじゅうに行ったが、販売が終了したのか店は閉まっていた。事前情報ではアーチンさんが「いきなりだんご」が大好きで、台湾人の人はあまり知らないので紹介したいと言われていた。
二辺塚の麓にあるブルーベリー畑へ。
ここも感動されていた。
完全無農薬栽培のブルーベリーは甘くて美味しく、その場で食べられる体験は台湾の人はあまり知らなさそうと言われていた。
今回のメインのひとつ二辺塚。ここも牧野でガイドがいないと立ち入りはできない。激坂だがE-MTBなら頂上まで上ることができる。
360度パノラマビューの景色は、台湾では見ることができないと事前情報で高評価スポット。台湾では阿蘇の定番観光は大観峰だが、ここは阿蘇駅から近く自転車で頂上まで来ることが出来て、何より貸し切りというのが個人旅行にはおすすめだろう。頂上までは動画でどうぞ。
続いてこちらもメインとなる「そらふねの桟橋」。E-MTBで行こうと思っていたら、車同士の事故があり道路が封鎖されていたので登山道で行った。
人気のスポットになって車の事故がよくあるらしく休日は交通規制になるかも知れない。今まで通り自転車で行けるのか今後は未定だ。
最後は道の駅阿蘇で3種類のソフトクリームの食べ比べとプリンと弁当の紹介。
翌日は地元紙やテレビでもアーチンさんの取材のことが紹介された。その「なぜ」と「どうして」が、約1兆円の投資設備額となり1700人が働くTSMC進出ということになる。
2018年12月から道の駅阿蘇は、阿蘇の草原をトレッキングやマウンテンバイク(MTB)によって観光資源として活用する取り組みをスタートした。1年後の2019年12月にインバウンド向けとして、台湾第2の経済文化の拠点であり、熊本との直行便がある高雄市のサイクルブロガーやMTBプロライダーに草原をE-MTBで走る牧野ライドを体験するファムトリップが行われた。2020年1月には阿蘇サイクルツーリズムのPRと台湾のサイクリング事情の視察に高雄市を訪ねて台湾のみなさんとの相互交流が始まった。しかし、新型コロナウイルスの世界的流行により長らく中断していたが、今年4月、阿蘇駅から車で30分のところにTSMCの工場が進出、2024年秋に稼働予定となっていることから今回の取り組みとなった。
旅先を決める決定権がある20~40代の台湾人女性へのメッセージは、在日7年の台湾人主婦ブロガーと、繁体字でブログを発信している20代の日本人女性により、台湾人目線によるWebコンテンツである。今回はE-MTBによる牧野ライドの紹介はなく、台湾ブロガー協会の方々のアドバイスにより、阿蘇山のスポットは少なくして、可愛い要素のスポットのボリュームをアップすべきという時間配分にした。買い物や通勤通学程度に自転車に乗る女性が、長距離や坂道でも疲れず自由に散策できるE-MTBを観光の足とする2日間のサポートは、初めて見る阿蘇も多く広い視野を持って物事を観たり判断することの大切さを感じた。
*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――
道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook、道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。
道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
阿蘇市内の地図はコチラから
あかうしのあくびvol.31 ⇦最新号が出ました!
道の駅阿蘇は、9時~18時まで営業中。
「道の駅阿蘇ネットショップ」で阿蘇の特産品絶賛販売中です!
*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――