コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
今回は大分で2日間行われたサイクリングのフェスティバルについてのレポートです!本格的なロードレースも行われ、道の駅阿蘇に素敵なスタンド型サイクルスタンドポールをご提供下さっている、スパークル大分の選手の皆さんが出場しました。
それでは皆さま、迫力あるお写真と一緒にお楽しみください♪
朝は涼しくなったが、9時を過ぎると真夏に逆戻りの猛暑になった。ただ、カラッとして湿度はないので日陰はすごしやすいが、自転車ロードレースの人気観戦ポイントは限られて、いつもより近く感じる太陽に5時間さらされた。
10月1日・2日開催の「OITAサイクルフェス!!!2022」に行ってきた。会場はノリのいい音楽が流れ、グルメゾーンや最新自転車の試乗、自転車関連グッズブースにSparkleブース、そして大分駅前の4車線を封鎖した特設コースが広がりお祭り広場さながらだった。
10月1日「三菱地所おおいたいこいの道クリテリウム」は、大分駅前の特設コース1.0kmを40周回する40.0kmの自転車ロードレースだ。2日目となる10月2日「三菱地所おおいたアーバンクラシック」は、場所を移して「大分スポーツ公園周辺の特設コース11.6kmを13周回する150.8kmのレースとなる。この大会はコロナ禍以降では初めてとなる海外チームの参戦する国際自転車ロードレースとなり、オーストラリアと香港ナショナルチームが出場し、国内ではUCIコンチネンタルチームを中心に13チームが出場した。
自転車ロードレースとは、「OITAサイクルフェス!!!2022」の公式プログラムから引用すると、一般的な自転車競技は「競輪」を連想するかもしれないが、自転車ロードレースは一般公道など100kmを超えるような長距離を一斉にスタートして走り、先頭でゴールしたものが勝者となるシンプルな競技だ。ただ、実際には各チームが自分のチームの中で一番力のある選手(エース)を勝たせにいくチーム戦になる。
どうやって勝たせるかというと、ロードレース競技において空気抵抗が一番選手を苦しめることになり、エース以外の選手たちが、写真の赤いジャージの宇都宮ブリッツエンのように、隊列を組んでエースの前を走って空気抵抗を減らしながら進み、ゴール直前までいかにエースに力を温存させて走るかが勝利のカギとなる。ゴール前でいつエースが仕掛けて前を走り出すかなど、他チームとの駆け引きがロードレース競技の見どころになっている。このようにルール上では個人競技だが、実態はチーム戦というのがこの競技の大きな特徴である。
日本で行われる国際レースは6つあり、そのうちのひとつが「おおいたアーバンクラシック」だ。地元大分開催のレースということから「スパークルおおいたレーシングチーム」は、大会アンバサダーとしてファンのみなさんと一緒に会場を盛り上げていた。
多くの自転車仲間と会場で会った。左から2番目の姫野さんには、仲間に呼びかけてもらい今回掲載の写真を提供してもらった。サイクルロードレースとなると素早い動きや望遠が必要になりスマホでは対応できず一眼レフカメラの出番となる。
チームプレゼンテーションのあと、大分市で実験運航されている低速電動コミュニティービークル3台や水素自動車などのモビリティパレードがあった。エコな自転車の大会とはとても相性のいい車であろう。大分駅前周辺の歩道が広くてとても歩きやすかった。自転車も多く学生さんや主婦の方など心地よく走っている姿をよく見かけた。
ハイブリッド車や電気自動車が増えたとはいえまだまだ化石燃料を燃やして走る車が主流だ。サステナブルな街づくりを目指す欧州の都市は、歩道、自転車道、自動車道の3種類の専用道路が整備されているという。平坦な自転車道を世代に関係なく、のびのびと走ることができて、自転車が自動車以上の市民権を得るようになればと思う。
続いて大分市の佐藤樹一郎市長を先頭に選手と市民サイクリストが一緒に走るパレード走行があり自転車仲間も参加した。有名選手と一緒に走ることが出来て熱狂の20分だったようだ。
そして、いよいよスパークル大分レーシングチームを先頭にレースが始まった。
集団のスピードは凄まじく、駅のホームで通過する列車のような風圧に、よろめきそうになるくらいだった。
気温28.1度、ジリジリと太陽に照らされながら序盤からアタックと吸収が繰り返されながら周回を重ねていった。
26週目、キナンレーシングチームの山本大喜選手が飛び出すとヴィクトワール広島のライアン・ガバナも後を追った。残り10周からは山本選手の独走となり最終回を迎えた。
ところが山本選手は集団に10秒以上の差をつけていたが残り半周を前にコーナーで落車、集団でのスプリント勝負となった。
残り100mでスパークルの孫崎大樹選手が沢田桂太郎選手を牽引して沢田選手が先頭になった。ここからは沢田選手と昨年優勝の宇都宮ブリッツエンの小野寺玲選手と激しいスプリントとなった。
スパークルおおいたレーシングチームにとって念願の地元レース初勝利となった。
ファンの方は自然とスパークルのクラブハウスに集まり、帰ってきた選手たちを拍手喝采で迎えた。
ここからがスパークルらしいチームの側面だ。チーム運営会社の代表を務める黒枝士揮選手と、弟でチームキャプテンの黒枝咲哉選手が帰ってすぐに着替えてクラブハウスのカフェのカウンターに入られた。
注文をされたコーヒーを淹れてくれるのだ。別にファンサービスではなくこれも業務、こういう姿に熱く応援するファンの方は多い。
私の好きな選手の一人、東京オリンピック男子個人ロードレース出場の宇都宮ブリッツェンのキャプテン増田成幸選手は、2017年バセドウ病の羅漢が判明、「神が与えた試練」と語りその年にレースに復帰された。阿蘇に何度か来られた宮澤崇史さんは、お母さんに肝臓の一部を生体移植で提供し、プロ復帰に成功した世界でも唯一のアスリートだ。自転車をやっているからこそ、このような方の壮絶な努力を知ることが出来る。
特設コースは、サッカーのJリーグ2部の大分トリニータのホームスタジアムである昭和電工ドーム前をスタート&フィニッシュとなり、大分スポーツ公園周辺の公道を封鎖して走る1周11.6kmを13周回する150.8kmのレースだ。丘が連続する住宅街を駆け抜けるコースはアップダウンの連続で、地元サイクリストの方は2周走ればお腹いっぱいになると言われていた。
炎天下の中、スパークルを先頭に150kmの過酷なレースがスタートした。
2周回目、宇都宮ブリッツエンの阿部嵩之選手の単独逃げを追って、キナンレーシングチームの小出樹選手、チームブリヂストンサイクリングの河野翔輝選手、宇都宮ブリッツエンの堀孝明選手が追走して4名の集団となった。
メイン集団はマトリックスパワータグのフランシスコ・マンセボ選手が引いて人数が絞られた。7週目にチーム右京の宇賀隆貴選手が追走して先頭集団は5名になった。スパークルは黒枝士輝選手、黒枝咲哉選手が周回遅れとなりコースから外れた。
今回、ゲストカーに乗る機会があったので、最後尾から先頭近くまで車でコースを見ることができた。ちょうど昨日優勝した沢田選手が集団から落ちて苦しそうに単独走をされているところだった。
時に時速100kmとなり、急加速とカーブの感覚はジェットコースター。
この日期待の孫崎選手は集団に残ったものの、昨日の疲れからか抜け出すことはできなかった。
孫崎選手を引くために、住吉選手が力の限り頑張っていたが、ついに力尽きて集団から落ちて行った。
残り500mのゴールに向かう長い上りのスプリントを制して、チーム右京の宇賀隆貴選手が先頭でフィニッシュ。
孫崎選手は13位でゴール、住吉選手が34位、スパークルの完走はこの二人だけとなったが、ファンの方々は最後まで熱い声援を送られていた。
1日目に続いて2日目の優勝はかなわなかったものの、チーム理念である「九州に熱狂を生む」の第一歩は達成された。サイクルロードレースは1チーム6名の出場で参加できる。スパークルはチーム全員が6名であり、今回1名の故障者が出て5名で戦うことになった。前述したとおりサイクルロードレースは、ルール上では個人競技だが、実態はチーム戦というのがこの競技の大きな特徴であり人数が少ないと不利になる。加えてチーム運営会社の代表である黒枝士揮選手は、経営者との二役をこなさなくてはならない。このような前例のない挑戦を続けるプロサイクルチーム「スパークルおおいたレーシングチーム」をこれからも応援していくとともに、今回お会いしたスパークルファンのみなさんと、これを機会に交流を深めていきたいと思い会場を後にした。
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