コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
今回は伝説のロードレーサー宮澤崇史さんが阿蘇にお越し頂いた時の、メイキング・オブ・サンライズライドのレポートと、大分県竹田市の岡田跡の魅力についてです。サムライのガイドさんがいるそうです。どうぞお楽しみください!
元プロロードレーサーの宮澤崇史さんに、毎月開催している阿蘇満喫ライドにゲストとして参加していただき、翌日はe-MTBによる牧野ライドのショートムービー作成を道の駅阿蘇から依頼された。牧野ライドの動画はこれまで何度か撮影されているが、いずれも長さが数分間のプロモーション動画だったが、今回はスマホに特化したもので、サイクリストにフォロワーが多い宮澤さんのInstagramやTwitterに何度かに分けて投稿してもらい牧野ライドの魅力を世界中に発信してもらうことになった。
宮澤崇史さんは16年間ヨーロッパで活動され、2008北京オリンピアン、日本チャンピオン、アジアチャンピオンを経て、2012年、日本国籍選手として史上3人目となるUCIプロチーム(チーム・サクソバンク)に在籍、2014年の引退後はベルマーレサイクルロードチーム監督に就任、現在は監督業と共にロードレーストレーナーやサイクリングイベントの企画等もされている。2001年には母に肝臓の一部を生体移植で提供されており、生体肝移植を受けてトッププロまで復帰したほぼ唯一の例と言われている。
私が一番記憶に残っているのは、2011年、ファルネーゼ・ヴィーニ – ネーリ・ソットーリの選手のときに、東日本大震災直後に行われたミラノ〜サンレモで全日本チャンピオンである宮澤さんを中心に日の丸を掲げて黙とうがささげられたシーンだった。2016年の熊本地震の際にも復興に役立ちたいと何度もサイクルイベントに参加され、以後、阿蘇に特別の思いを持たれてよく訪ねられている。
豊富な経験と世界最高レベルのチームで活躍された宮澤さんと一緒に走る阿蘇満喫ライドはかなり期待されていたが、雨予報のためライドは中止して急きょトークイベントとライディングスクールに変更して開催した。
チーム・サクソバンクに在籍して、世界の一流選手とUCIプロレースを走った経験者が語る集団走行や集団での居場所の作り方など、学びと共にサイクルロードレースの観戦がより深まった。
ライディングスクールは動画を撮って自身の体の使い方を前提に、フォームやペダリングに加えてポジションの修正も意見してもらい、私の場合はサドル1cm後方に下げるとペダリングがとってもスムーズになった。
膝が痛くなる井上君は腸腰筋のトレーニングを提案された。身長165cmと小柄な体格の宮澤さんが世界を相手に戦うことが出来た秘訣は、自分の力を引き出すための体の使い方についてくり返し話された。
こちらの方は足の痺れを解消するためタイムのクリートをシマノに変更することを提案された。最初からフォームやポジションを指摘されるのではなく、身体に違和感があるところを尋ねられて、それを解消していく宮澤さんのスクールは、自転車に乗ることがより楽しくなる、あるいは強く早くなることへの早道であり受講する価値はとても大きいと感じた。
翌朝は道の駅阿蘇に5時30分に集合してかぶと岩展望所付近の西小園牧野で撮影した。
途中のスカイライン展望所もいいので早朝の阿蘇谷を眺めてもらった。
北外輪山の縁にあたる西小園牧野は、薄い雲海ではあるもの宮澤さんを幻想的な雰囲気で迎えてくれた。
分というより秒単位で闇が薄れてゆく牧野を宮澤さんが提案されたように走り回った。
インパクトとあるショートムービーにするため、宮澤さんの愛犬にも牧野を駆け抜けてもらった。
この日と同じような朝を何度も見たことがある下城さんと私だが、今日ばかりは特別に美しく幻想的な朝だった。
生まれて初めて見る宮澤さんは、感動のあまり歓声とため息を連発されていた。その6つの目に焼き付いた光景をどのようにして伝えるのか、朝露に濡れた30分間の挑戦だったが、3人ともやり切った感に満ち溢れていた。
宮澤さんの場合、ワンちゃんはこのようにして運ばれる。欧州生活が長い宮澤さんにとってこのスタイルが普通なのかも知れないが、「日本では犬はペット、欧州では家族でありレストランも普通に入れるし、1番良い席を選んでくれます」と宮澤さん。「東京では、リュックに入れると洋服屋や、土産屋も多く立ち寄れるし、レストランは、コロナで飼い主が増えてほとんどの店が入れるようになっていますよ」と話されていた。
撮影はスマホのみだが、変化に富んだ牧野を走りながら巧みに撮影されるバランス感覚はさすがだと感じた。そして、そこで撮れる動画がどのようなものになるのか興味津々だった。
近くにある新たな牧野の視察に同行してもらった。
牧場付近がフィールドの牧野は牛乳やヨーグルトの購入もできる。
牧場の方はとても協力的でまた新たな牧野ライドのフィールドがひとつ増えそうだ。
「一枚の写真を見てそこに行きたくなる」そんな言葉が昔あった。同じようにスマホで見る、説明文も、コメントもない、数十秒のショートムービーも、旅のきっかけになるのかも知れない。
JTB総合研究所は、「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査」のなかで、旅行の動機につながる映像情報に関する消費者傾向を調べた。それによると、「映像を見たことがきっかけで(旅行に)行きたくなり、その場所を実際に訪れた」割合は全体の19.7%、また「映像を見たことがきっかけで行きたくなったが実際には訪れていない」が24.8%。合算すると全体の44.5%が何らかの形で映像をきっかけに旅行に行きたくなった経験をもつことが判明。
なかでも10~40代までの男性や10~29歳女性では「実際に訪れた」割合が比較的多いことが分かった。旅行に行きたくなった理由をみると、「実際に見て実物を確認したい」(59.3%)、「その場所の風や音を感じたい」(55.2%)が過半数を超える。
消費者が映像を見た手段で最も多いのは「SNSに投稿された映像」(45.2%)、次いで「Youtubeなどに投稿された動画」(35.2%)、「インターネット配信の映画やテレビ」(26.8%)と続いた。ただし、その内訳は世代や性別により異なる傾向もみられる。例えば、「SNSに投稿された写真を見て行きたくなった」人の割合は、29歳以下の女性で特に多く、「Youtubeなどに投稿された動画」は40代以下の男性と50代~60 代の女性で比較的多い結果となっている。
それでは現在公開している3つのショートムービーをお見せしよう。
☆第1弾☆
☆第 2 弾☆
☆第 3 弾☆
大分県竹田土木事務所の清永様より阿蘇と竹田が連携する取り組みについて提案があり下城さんと視察に行ってきた。台湾企業の熊本県進出を機に竹田市としてサイクルツーリズムの取り組みを始められた。
整備が進んでいる大分市から熊本市に至る約120kmの地域高規格道路、中九州横断道路は竹田まで開通しており、現在は竹田阿蘇道路(約22.5km)、滝室坂道路(約6.3km)、大津熊本道路[合志・熊本](約9.1km)が事業中であり、残る区間も事業化に向けた検討が進められており、大分駅と熊本駅を結ぶ豊肥本線と組み合わせたアクセスにより、多様なツアーを旅行者に提案できることになるだろう。
視察には清永様と竹田市役所商工観光課の桑島様の案内により、久住・直入・荻町の立ち寄りスポットと、稲葉ダム周回ルート・玉来ダム・阿蘇くじゅう公園線・九重高原野津線・竹田直入線を車で、竹田観光の目玉となる岡城跡と城下町は散策を加えて案内していただいた。
特に岡城は素晴らしかった。海抜325mの岩山の上にひっそりと建つ岡城は、明治維新後、廃城令によって1872年(明治5年)頃には、城内の建造物は全て取り壊されてしまい、断崖絶壁の立地と難攻不落と呼ばれる石垣の構造が岡城跡の魅力である。
外国の方に城は人気がある。なかでも勇壮な熊本城は多くの外国人観光客を集めていた。西の熊本城と東の岡城跡の対比、ボランティアの方による在りし日を彷彿させるほら貝の音には、鳥肌が立った。海外観光客をターゲットとした、阿蘇にはない隣町、竹田の観光コンテンツを組み合わせたサイクルツーリズムの連携は魅力が溢れていそうだ。近いうちに試走もだが、グルメと温泉をセットに行かねばと思っている。
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