コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポート「菊池・山鹿を走る納車記念ライド」が届きました。
菊池市で美味しいものに舌鼓♡読んでいると、お腹が「グーグー」と催促してきました(●´ω`●)
昨年暮れに自身3台目のコルナゴが納車された。
そこで自転車仲間が納車記念ライドを1月14日と15日の2日間企画してくれた。14日は私の自宅近くにあるイタリア家庭料理の店「コントルノ食堂」でお祝いの食事会と、15日は一般の方も募集してコントルノ食堂の弁当付き記念ライドというものだった。ところが15日は降水確率が高いため3日前にライドは中止したところ、当日の朝は嘘のように晴れたので、食事会に参加して宿泊された方と当日朝募集して来られた2名の方と開催した。今回の納車記念ライドはkeiさんがかなり盛り込んでくれて、サプライズのビデオメッセージも用意されていたので紹介する。最初にシマノレーシングの井上文成選手。
続いて弱虫ペダルの渡辺航先生
渡辺先生からは色紙も頂いた。
最後に軽木さんの雨天にてライドを中止したので土曜のお祝いを楽しんでという曲
今回たいへんお世話になったコントルノ食堂菊池シェフ。
開店当時から通っている店でブログに何度も紹介していたのでかなり期待されていた。
店の入口の看板。
店内の黒板にはこのように書かれている。
「イタリア料理は身近な素材をシンプルに食べてその物を味わう料理です。可能な限り菊池の食材を、できれば身体に優しい食材をできるだけシンプルに、シンプルだけど真似できない、それがコントルノ食堂です」
食材については、「ろのわの自家製粉有機小麦粉:旭志、鞍岳のふもと、豊かな大地でオーガニック栽培、自家製粉、コントルノ食堂の自家製パン、手打ち生パスタはこの粉が無ければ成り立たない分厚い風味を持った地粉です」
「走る豚:菊池渓谷にほど近い放牧地で武藤さんの愛情と、豊かな自然に育まれた放牧豚は旨味が凝縮、安心安全、ここでしか食べられないコントルノ食堂のメイン素材です」
コントルノ食堂は4名用のテーブル席がひとつと、カウンターに6名ほどの菊池温泉街のスナックを改装した小さな店だ。菊池シェフが惚れ込んだ菊池の食材を、イタリアの家庭料理を提供する店としてオープンして8年、リピーター客を中心に市外からの客も多い。メニューは2種類のコースの予約制だが、今回は賑やかな会なので貸切って店としては初めての立食スタイルで受けていただいた。
写真はコントルノのメイン食事、走る豚の自家製ハム。白菜と菊芋のポテトサラダが絶妙の取り合わせだ。
菊池産モッツァレラは、同じ菊池のミシュラン店「イルフォルノドーロ」の商品で、菊池市にある牧場の隣に工場を構え、搾乳からモッツアレラチーズに加工されるまでの時間が日本一短いと言われている。これも金柑との相性がびっくりするほど素晴らしく「こんなに美味しいモッツアレラは初めて!」とみなさん口を揃えて言われていた。
走る豚の自家製生ハム。ナスとトマトのローストマリネを包んでいただく。次回コントルノ食堂のランチ付きのライドをするならこの生ハムでパニーニにしたい。
米を飼料に混ぜた菊池産えこめ牛のローストビーフ。育てているのは同級生やコントルノ食堂を応援する若い農家さんだ。
走る豚のボッリート、「茹でた豚」だが、フランス料理のポトフとか、日本のおでんのような感じの肉料理でイタリア北部の伝統料理。私はこの料理が一番美味しかった。あっさりとして走る豚の味と食感の魅力が堪能できる逸品だった。
コントルノ食堂の名刺代わりの品、ポルケッタ。あっという間にみなさんのお腹におさまった。強い料理で赤ワインがもっとも合うローストポークだ。
料理の一部を紹介したが、いずれもワインがすすむものばかりだった。この日は9人で、うち2名はノンアルコールなので7名で10本空けたと思う。菊池シェフが選ぶワインは見事なもので、さすがワイン食堂である。それにこの時点では明日のライドは雨で中止と思い込んでいたので思いきり飲んだ。
フランス菓子教室「ADU-kitchen」を主宰する清田あづささんから、サプライズのセレブレーションケーキ!ケーキ入刀の演出ではちょっとウルっときた。
私がコントルノ食堂を勧めるのは、豊かな良質の水の宝庫である菊池において、こだわった農業に挑戦する若い農家と料理人が一体となってイタリア家庭料理という一般のレストランでは食べることができないイタリアの郷土料理の体験にある。是非一度みなさんも菊池シェフおすすめのワインと一緒に試していただきたい。
15日、雨の天気予報は見事に外れた。前夜祭の宿泊組と念のため当日の朝、募集サイトにその旨連絡すると博多と北九州から2名の参加があったので10時過ぎに菊池武光公銅像前からスタートした。
私が予定していたコースと同じ山鹿で折り返すルートを案内した。山鹿までは菊池川沿いを下って八千代座から不動岩や菊鹿ワインの五郎丸のブドウ畑、岩隈山の切通し、鞠智城、菊池神社、城山公園展望所で帰ってくるコースになる。
今回のkeiさん企画の募集サイトには菊池一族の歴史について触れてあった。南北朝時代に菊池氏が九州を平定できた理由のひとつとして一説には、菊池川で豊富な砂鉄が取れることから、京都から一流の刀工、延寿一族を招いて刀剣を作っていた歴史があった。菊池氏は菊池川を利用して大陸と活発に貿易していたことから、強い刀剣などを輸出し大量の兵や騎馬隊などの軍資金を得ていたのではないかということにある。
私は菊池一族で思い浮かぶのは、菊池軍4万、少弐軍6万の兵力を擁した九州の合戦史上最大の戦い「筑後川の戦い」で傷ついた菊池武光が、太刀についた血糊を小川で洗ったことから「太刀洗」(現福岡県三井郡大刀洗町)という地名になったり、箱根・竹ノ下の戦いで1,000の槍で3,000人を倒したという菊池千本槍など延寿一族が作った日本刀だ。そこでライドの最後に菊池神社にある歴史館でその日本刀をみなさんに見てもらいたいと考えた。
ここはツール・ド・おきなわを想定して練習するアップダウンの直線。
菊池川の支流合志川沿いの道を菊池川本流と交わる分田橋までのんびりと走る。
分田橋。この橋は熊本市と山鹿市を結ぶ旧鉄道の線路跡に作られた自転車道「ゆうかファミリーロード」の橋でここから山鹿までは自転車専用道を走る。
広くなった自転車道のこの付近の土手でコントルノ食堂の弁当を菊池川を眺めながら食べる予定だった。
千代の園酒造の酒造り資料館や隣の味噌や酢を作る木屋本店を見学。
続いて店主さんのトークで盛り上がる「せんべい工房」へ。
ここでは少しの時間で楽しめる一人100円の手焼きせんべい体験が面白い。
ランチは温泉プラザにある華北飯店へ
「熊本セット」という定食があって、太平燕、高菜炒飯、馬すじの煮込みという県外の方におすすめだ。私はこの店にきたら豆乳担々麺と決めている。
今回のメインとなる八千代座には14時前に到着。
コロナの影響でガイドツアーの予約は現在されていないが、1日1回11時からガイドさんの説明があると聞いていた。念のため受付でガイドツアーが出来ないか尋ねると、14時15分からと言われたのでそれまで見学することにした。
廻り舞台では結婚式の前撮りが行われていた。
明治44年こけら落とし、坂東玉三郎や市川海老蔵、中村勘九郎が公演する八千代座、和装が似合うこれ以上の会場はないだろう。木戸口から花道に入り、どこからでも舞台が見やすいような勾配が付いた桝席から全体を見渡して簡単にみなさんに説明した。
舞台や花道の床下の奈落へ。
ここは廻り舞台、直径8.4m重さ3.2トン、4カ所の棒を押して回す日本発祥の仕掛けだ。支えているレールはドイツ製で1910年の刻印がされている。この先にスッポンがある。花道の七三の位置にあり、奈落から役者が登場する仕掛けで男性4人が神輿のように持ち上げる。
そうこうしているとガイドさんが来られた。「よく来られる方ですね」と言われて、今まで10回くらいは自転車の格好で案内しに来ているので憶えてくれていた。特別に私たちだけ当時のトイレなど案内してもらった。この方の話が面白くて前にも書いたと思うが吉本出身じゃないかと思ったくらいだった。やはりガイドツアーでなければ本当の魅力は伝わらない。
八千代座から出てくると微かに雨、雨雲レーダーでは15分に降ってきそうなので、先を急いだ。
今回是非走ってもらいたかった不動岩はパスした。みかん畑の上り道は金峰山みたいで2kmほどで岩の真下に着く。そこからは阿蘇山や金峰山を眺めることができるおすすめスポットだったが残念だった。菊鹿ワイナリーや私の練習コースの菊鹿ワインの地域ブランド、五郎丸のぶどう畑もパスした。
岩隈山の切通しは帰り道だったので立ち寄った。
丘陵だった地域を通行できるように人力で切り開かれたもので、30mはありそうな崖の迫力と付近の静寂さは圧倒される。
こちらも帰り道になる鞠智城。
663年の朝鮮半島における白村江の戦いで大敗したヤマト政権は、西日本の守りを固めるため鞠智城は九州を統治していた大宰府やそれを守るための大野城、基肄城に武器や食糧を送る基地だったと考えられている。
ジャージも濡れてきたので残念だったが菊池神社もパスして隣接する城山公園の練習した最後に立ち寄る展望所へ行った。ここは菊池平野が一望できて普賢岳も見ることができる素晴らしいところだが、散歩する人がたまに来ているくらいで実にもったいない。数年前までは前方に大きなクスの木が数本あって風景を閉ざしていたが、伐採したらこのような景観が蘇った。
私には南北朝時代に活躍した菊池一族が、征西府を置いた山城からの眺めが再現されたように感じる。この景色を見ながら懐良親王と菊池武光が九州を平定する夢を語っていたように思えてならない。菊池一族をテーマにした小説に北方謙三さんの「武王の門」がある。北方さんはハードボイルド小説で有名だったが、武王の門の出版後から歴史小説家にシフトされた。そのきっかけとなったのは、自身のルーツである長崎県松浦の歴史を辿っていたら、水軍(倭寇)として高麗や中国に行き来していた東松浦党であり、菊池一族と東松浦党の出会われを知り、何度も菊池に訪ねて取材されこの本が出版された。
菊池の窓口が郷土史家だった私の父だったので2人で盛り上がった話をされていたのを覚えている。武王の門の構想については手紙でやり取りされていたようだった。そのなかで菊池一族の軍資金は菊池川を利用し、外海では東松浦党と組んだ貿易によるものではなかったのか、この本の主人公である懐良親王と菊池武光の夢が、勢力争いに明け暮れ海外の魅力を知らない日本に嫌気を差し、九州を独立国家にしようとしたのではないか、そんな2人の話を思い出すと菊池に残る歴史的なものよりここが一番タイムスリップすることができる。
今回のライドは参加された方がコントルノ食堂の料理と菊池・山鹿のライドコースを高く評価されたので、阿蘇からサイクリングエリアを拡大したコースのひとつとして自信を持って紹介できると思った。
例えばコロナ禍になる前に案内したシンガポールやマレーシアのサイクリストのグループから阿蘇で走る計画を相談されている。いずれも10日近く日本に滞在されるので、食事の変化という意味ではイタリア家庭料理もいいかも知れない。気分転換としての江戸時代から伝わる芝居小屋八千代座をメインにしたライドは、この日のフラットなサイクリングコースの反応を尋ねたいものだ。
今回のスポット以外に上質なスパークリングワインのような日本酒を造る花の香酒造も山鹿から近いのでおすすめだ。菊池には市営の弓道場が菊池神社の裏にあり、延寿派の日本刀とともに今後外国の方にも体験できるようになればかなりインパクトがあると思う。
エリアを拡大したサイクリングメニューとして2月11日と12日に阿蘇市に隣接する大分県竹田市と連携して阿蘇満喫ライドを開催する。ここは竹田の城下町や岡城跡、世界有数の炭酸温泉長湯温泉にも近く、阿蘇と組み合わせると魅力的なサイクリングコースになるのではないかと思う。日本人のみならず外国からのリピーターに備えてしっかり準備しておきたい。
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