コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「阿蘇満喫ライドwithスパークルおおいた」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新サイクルレポートが届きました。

今回はスパークルおおいたの選手の皆さんにお越し頂き、コギダス協議会と一緒の開催で37名様の開催になりました。とっても盛り上がった楽しいライドが伝わるレポートです。素敵な写真と一緒にお楽しみください!

 

1月22日から雨天延期した阿蘇満喫ライドを2月5日に開催した。

今回は道の駅阿蘇とスパークルおおいたレーシングチーム、そしてコギダス協議会が連携し、阿蘇サイクルツーリズムと新体制になったスパークルおおいたを盛り上げるために「阿蘇満喫ライドwithスパークルおおいた」として総勢37名で開催した。

厳冬期対策として開催時間を10時、終了時間は15時過ぎると阿蘇は冷え込むため14時30分とし、ロードバイクのほかにマウンテンバイクコースを設けて道の駅阿蘇のE-MTBもレンタルできるようにした。

6名参加したスパークルの選手はロードとMTBのライドに分かれることになるが、今回の目的のメインと考えたのがスパークルの選手との交流だったので、ライドは13時までとして以降は一緒に弁当を食べて歓談したり、黒枝監督提案の自転車を水なしで洗車するデモンストレーションが用意された。

 

13時以降はガイド仲間の井上君の自宅と会社があるスペースをお借りした。防寒着や弁当を運ぶためにロードとMTBにサポートカーをつけて、6名参加したスパークルの選手は3名ずつに分かれて走ってもらい、MTBのガイドは道の駅阿蘇の下城さんとミユキさん、ロードは私と井上君で案内した。

 

MTBのサポートカーは阿蘇市役所のハイエース、ロードはスパークルのチームカーに黒枝監督と吉田メカニック、もう1台は2月18日の東京丸の内行幸通りエリアにて「GRAND CYCLE TOKYO 丸の内クリテリウム presented by フィナンシェ」に参戦される沢田桂太郎選手が写真撮影を兼ねて担当された。

 

一緒に走ってくれたスパークルおおいたの選手を紹介しよう。

左からキャプテンの黒枝咲哉選手、熊本出身の住吉宏太選手、選手兼チーム運営会社3SEEDS株式会社代表の黒枝士揮選手、新たな選手として那須ブラーゼンより移籍の竹村拓選手、さいたまディレーブより移籍の半田子竜選手、シエルブルー鹿屋より移籍の西原裕太郎選手。

集合場所は道の駅阿蘇の第2駐車場、広くて道の駅阿蘇にも近くこのようなイベントの際にはとても便利だ。受付はスパークルの選手が担当してくれて、いきなり選手と気軽に話せるところが参加者には嬉しい。参加費は無料だがE-MTBをレンタルされる方のみレンタル代3000円となる。受付が終わった方は道の駅阿蘇などで弁当を買って防寒着等と一緒にサポートカーに預けてもらう。

 

先月、道の駅阿蘇に仲間入りした小柄な方を対象にしたトレックとパナソニックのE-MTBは黒枝士揮選手と女性の方に乗ってもらった。他に乗られた選手やレンタルされた方はそのパワーと軽快な乗り心地に驚かれていた。

 

黒枝監督の挨拶とスパークルメンバーの自己紹介のあとブリーフィングを終えてロード組とMTB組がスタートした。私はロードを担当したので案内された下城さんや参加された方から聞いたことになるが、農道の砂利道や田んぼのあぜ道、林道から一般の方にはあまり紹介していない狩尾南牧野を走られた。

こんな画角の写真は沢田選手撮影

本塚は野焼きがされていた。真っ黒に焼けた野焼きの後の牧野道も阿蘇らしいMTBのコースになる。沢田選手が撮った野焼きの質感がそれを再現している。

スパークルの瀬の本でのイベントで鹿児島の牧瀬さんにポートレートを撮ってもらった3桁一眼の解像度にため息だった。菊池山鹿ライドでは北九州の吉田さんにライカで撮ってもらった八千代座は、江戸時代から伝わる芝居小屋のモノクロ感、真鍮製のシャンデリア、極彩色の天井広告が混在した質感にたまげた。

今年の野焼きの予定が決まった。

♢草千里ヶ浜 2月25日(土)10:30~

※予備日  3月4日(土)

♢阿蘇山麓(阿蘇五岳一帯)    2月26日(日) 9:00~

※予備日          3月5日(日)、3月12日(日)

♢北外輪山(大観峰周辺など)  3月5日(日) 9:00~

※予備日          3月12日(日)、3月19日(日)

林道に入ると雰囲気が一変する。

森を抜けると狩尾南牧野になりずっと上りが続く。位置的には阿蘇ハイランドゴルフコースの南側斜面になる。

 

狩尾南牧野の中腹付近。正面は北外輪山で中央がラピュタあたりになるだろう。ラピュタ、狩尾峠はその名の通り狩尾地区にあるのでここは飛び地みたいなところか。狩尾南牧野の先は米塚になる。

 

厳しい上りのあとは軽快なダウンヒル!

前の2名の視線は正面だが、小さい時からMTBに乗っている住吉選手の視線は曲がる方角を見ている。

 

時間が足らず29%の激坂がある本塚はキャンセルされたのでまた次回。道の駅阿蘇や内牧駅の近くあって眺めが素晴らしいところだが、ここも牧野なのでガイド同伴でないと入ることは出来ない。

 

私が担当するロードのコースは悩んだ。

3~4度気温が下がる阿蘇の山は楽しくないので上らなかった。ただ、参加されたメンバーは何度も阿蘇を走られた方が多く、平地のサイクリングだけでは面白くないし、満足させることはできない。そこでスパークルの選手とせっかく一緒に走れる機会なのでいろいろ考えた末に3つの魅力あるポイント案内することにした。

まずは2月になったものの県外の参加者が多いので、1年間自転車事故がないよう選手のみなさんと一緒に全国に約500社ある総本社である阿蘇神社で安全祈願をすること。

2つ目は温まる程度の少しの上りはいいだろうと日ノ尾峠の麓の高岳のビューポイントと、阿蘇神社と国造神社を結ぶかのような3.4kmの一直線の「幸せの一本道」と呼ばれている阿蘇らしい道を案内すること。

3つ目が問題だ。40km弱の山以外のコースにこれ以上魅力あるところは探せない。そこでスパークルの選手に見せてもらえることを考えたら本物のスプリント、ゴールフィニッシュシーンだと思った。レース会場でもゴールエリアは人気のスポットなので観戦者が多くよく見ることはできない。その迫力を近くで見ることが出来たらと考えた。

それに加えてサイクルロードレースで落車事故が多いのが下り、集団の中、そしてゴールスプリントである。であるなら私たちアマチュアライダーも危険を回避する学びがあるのではないかと思った。

阿蘇神社には参道となる門前町の押し歩きで行った。咲哉選手たちには、道の駅阿蘇の情報誌「あかうしのあくび」用に写真を撮らせてもらった。

 

阿蘇とり宮の駐車場には「幸せの石」があるがその由来は書いていないので不明。

 

休日の門前町は歩行者天国になる。しかし、平日でも歩行者は多いので押し歩きをマナーとしたい。

 

実はこの日の下見をしていた2月2日に、阿蘇神社のすぐ近くの狭い交差点で落車して新しい自転車のハンガーを曲げてしまった。交差点で2段階右折する際に車が詰まっていたので、止まろうとした寸前に道が空いたので、そのまま右折してペダルを踏みこんだ。その瞬間にグレーチングと舗装のかなりの段差に前輪を乗り上げ宙に舞って落車した。自宅を昼前に出て自走で来てここまで70km走って何も食べておらず、ガス欠で注意力が散漫になっていたのか知れない。怪我はなかったが思いもよらぬ久し振りの落車は不幸中の幸いと思い手を合わせた。

 

日ノ尾峠の麓の高岳を間近に見れるポイントは天気も良くいい眺めだった。スパークルの選手も阿蘇らしい山の景観に感激の様子だった。それにここまで坂が続くので身体は温まり多少走った感じになれたのではないだろうか。

 

名前の由来は知らないがここがグーグルマップに載っている「幸せの一本道」。3.4kmの長い直線も阿蘇の道らしく特に涅槃像に突き当たるような道は少ない。この道の旬は田んぼに水が張ったときだ。

 

沢田カメラマン!

これはスマホ、全然迫力が違う。

3つ目の提案となるスパークルの選手に本物のスプリントを見せてもらった。新しい道路を作っていて手前の先は通行止めになっている見通しのいいところで走ってもらった。

 

物凄い迫力だった。

下ハン握って、極端な前傾姿勢に腰を浮かし、全力でもがくスプリントは、ちょっとでもバランスを失うと斜行して周囲を落車させる原因になり、余程レースに慣れた人でないと大変危険であると言われた。歩道から見ているだけでそれは伝わってきた。スポーツ競技ではあるものの私たちはスピードで競り合うより、安全な上りで強くなる方が怪我無く楽しめるという危険を回避する学びの場でもあった。

 

「みなさんは絶対真似しないように!」

特急列車が駅を通過する風圧さえ感じた。滅多に見ることが出来ないプロの凄さを見ることができた。参加された方もいい経験になったのではないだろうか。サイクリングはのんびりと、レースは観戦に限る、そんな学びの場でもあったように感じた。

 

予定より少し遅れて13時過ぎに井上宅に到着。MTB組を数分後に帰ってきた。スパークルのサポートカーによるチームピットがすでに用意され、監督や選手の話を聞きながら弁当を食べた。

 

スパークルが運営するカフェ「COLORS Bike&Cafe」では、選手自らコーヒーのローストを監修したオリジナルブレンドコーヒーやオリジナルマカロンを販売している。会場ではカフェの雰囲気のまま選手がコーヒーをサービスしてくれた。

 

こんな細やかなことがスパークルの魅力でもある。

 

洗車デモンストレーション体験が始まった。講師は自転車ケミカルを展開するシュアラスターのアンバサダーであり今期スパークルに移籍した半田子竜選手だ。吉田柊哉メカニックも近くでサポートしながら真剣に見ていた。

 

半田子竜選手のシュアラスターを用いた洗車は、水を使わずにチェーンからスプロケ、ホイール、フレームまで洗浄するというマンションなど水で洗うところがない方にはとても便利なメンテナンスだ。

 

まずチェーン汚れをふき取る、揮発性のあるスプレーの溶剤で洗浄する、泡の溶剤で洗浄する、スプレーの溶剤で残った泡の溶剤を取る、最後にチェーンオイル。

 

スプロケの洗浄もシュアラスターのスプレーだと簡単そうだった。

シュアラスター商品のお得な価格での販売もあって私も買った。

この日の朝はマイナス4度と厳しい寒さとなったが、朝から晴れているお陰で気温も上がり凍えて走る気持ちが失せるようなことはなかった。特にMTBはスピードが遅いため冷たい風を受けることが少なく、ロードバイクから切り替えて阿蘇のウィンターシーズンを楽しむ提案にもなった。

自分のMTBを持ち込まれた福岡グループの方は阿蘇のフィールドを「楽しい!」と絶賛されていた。このような意見は、今まで牧野ライド以外にMTBのイベントは開催していないので、今後の取り組みとして良き感触だった。

何より牧野ライドと違いMTBを現地に運ばずに道の駅阿蘇をスタート&ゴールすることができる容易さがいいし、E-MTBのレンタルが出来るので参加される対象が格段に広くなる。また、ガイドは全員自分のMTBは持っているものの経験が浅いので、コース作りには詳しい方の知恵を借りて、阿蘇の地域資源を活かした魅力的なMTBコースが出来るのではないかと思った。

 

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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

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