コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「一目山ヒルクライム&杖立温泉鯉のぼりライド」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポート「一目山ヒルクライム&杖立温泉鯉のぼりライド」が届きました。

それではご覧ください。

今年も年に1度だけ走ることができる南小国町の一目山と、3000匹の鯉のぼりが空にふわふわ泳ぐ「一目山ヒルクライム&杖立温泉鯉のぼりライド」を案内してきた。

一目山(ひとめやま)は放牧地になり通常は立ち入ることはできない。しかし、牛が麓に降ろされ、野焼きが終わった今の時期に、地元の自転車乗りの佐々木さんが牧野組合に許可を取られ、山肌が剥き出しになった牧野の道を走る貴重な体験ができる。

今回も4月1回目の阿蘇満喫ライドとして27名の参加者と、途中から合流する大分から自走組4名を私と下城さん、井上君、ミユキさんの4名で案内し、佐々木さんはサポートを出されて合計36名で風力発電機5基が目印の一目山頂上を目指した。

南小国町役場に8時30分集合。遠方からの参加者のことを考えると少し早いが、立ち入りが午前中だけという条件なのでこの時間になる。この日は天気も良く車が多そうなので、地元の下城さんに役場から裏道や農道でファームロードまで案内してもらい、牧野に入るところで毎年参加される大分の自走組と合流した。ここまで70km、頂上まで5.7km、トータル151kmがこの日の彼らのサイクリングになる。参加者は熊本、大分、福岡、宮崎、そして東京、韓国の自転車仲間も走りに来られた。

少し走ると鍵の掛かった上田第1地区牧野組合のゲートがある。佐々木さんが鍵のついたゲートを開けて待機され、最後の参加者が通過したらまた施錠されるので、以降立ち入る車両はなく頂上まで走ることができる。

貸し切りの私道ゆえに並走ができる。

5.7kmの上りが続くが久し振りに会う自転車仲間と話が弾む。

いい写真だ。星さんのミラーレス一眼。

一目山らしい牧野道

平均斜度は8.8%、12,14,16%の坂が続き、最大は19.9%になる。

それでも笑顔の福島雄二さん

風力発電機が見えてきた、もうすぐ頂上だ。

最後の勾配が厳しい。

頂上到着!
無風、ドカンとした360度の視界が広がる。
これだな、一目山。

最初来たのは確か2017年、
上り坂にとことん絶望した。
でもここに来たら目の前の壁が消えて、
希望が湧いてきた記憶がある。
自転車で来るには空が近くていいところだ。

「ツール・ド・沖縄市民50km」を2012年の初優勝から通算5勝の福島雄二さんは、大腿骨骨折後3度の手術の間に優勝2回、2位も2回経験されている。座右の銘は「年齢や怪我を言い訳にしない」。サイクルロードレースという勝負の世界を経験されている66歳の背中はこう語っているように思えた。

「人生は後半戦が勝負、他人との比較の意味での勝負ではなく、せっかく生まれてきた自らの人生を活かすかどうかの勝負である。」

韓国の自転車仲間、イ・ジンウォンさんと抱き合って感動を分かち合った。私たち自転車乗りには「一度走ればお友達」というフレーズがある。それは世界共通の合言葉にも通じる。

新旧お揃いの土橋塾ジャージはジュンコさん、早くて強くて来年には付いて行けそうにない。

一目山は大観峰の北にあるので阿蘇五岳が大観峰から見た同じ涅槃像に見える。大観峰の標高が936m、一目山の私たちが立っているところが1158mなので高いところから見下ろす景観で気分がいい。

あまりに景色がいいものだから長居したが、佐々木さんが出してくれたサポートカーにダウンやウィンドブレーカーを預けていたので冷えずに済んだ。佐々木さんは塩せんべいとクッキーと飴玉をそれぞれ1個ずつテープで付けたものを補給食に配られた。自費で何から何まで大変お世話になって感謝である。


帰りは一目山の頂上からダウンヒルの途中にある電波塔に希望者だけ上った。細いセメント道で勾配は多分25%くらいはあるだろう。頂上に続く今日の絶景スポットである。

空がまた近くなった電波塔の頂上。
最初に上ったのはイ・ジンウォンさん。右が東京からお越しのワタナベさん、いずれも冒険心で激坂に挑戦し息をのむ景観に衝撃を受けられたようだった。それは野焼きされ、異星のようになった牧野(草原)が広がる放牧地という異文化の体験である。

一目山ヒルクライム、終了。

北フランスには石畳が舞台となるパリ~ルーベという120年の歴史ある大会がある。阿蘇の牧野(草原)と同じように石畳の道は採草地や放牧地を走る農業用の道だ。阿蘇の牧野(草原)は千年以上野焼きなど人の手により維持されてきたが、農業の後継者不足等により年々減少し千年の歴史ある草原の危機といわれている。

そこで放棄されて荒地となった牧野や、放牧や採草をされているが許可いただいた牧野に牧野保全料として使用料を払ってサイクルスポーツやトレイルラン、トレッキングなど持続的な観光資源として2019年より道の駅阿蘇で活用することをスタートした。
これを将来、パリ~ルーベのように牧野の道を繋いで走る国際的なサイクルイベントができたら、世界中の人に日本を代表する風景として紹介できるのでないだろうか。そんな夢を見て来年は、世界を走ったサイクリストを一目山に招待したいと参加者の感動にふれて思ったりした。

昼食は一目山を下りて小国町の木魂館と、すぐ近くの北里駅跡公園で地域の美味しいものが集まるマルシェ「北里カフェ」が開催されていたので分散して行った。写真は地元ラジオ局のインタビューを受けるイ・ジンウォンさん。動画が2つあるので紹介しよう。

下城さんと井上君、ミユキさんが北里カフェに行かれたので私は木魂館に行った。ここに来たら必ず食べるのが「ふき味噌豚焼き定食」。「ふき味噌」の「ふき」とは、フキノトウのことで、この時期に牧野を走ると道端に生える山菜だ。独特の芳香と苦味により味噌に混ぜると風味が良く、この地域では伝統的な保存食として親しまれている。このふき味噌で炒める小国豚は昔から愛される郷土料理ではないだろうか。

昼食の後は杖立温泉の鯉のぼり祭りに行った。

300匹の鯉のぼりが杖立川の空に舞うしみじみとした光景は心を打たれる感動があった。一目山を上った参加者みんなの気持ちは「来て良かった!」である。

サイクリングでどこを走るか、阿蘇らしい絶景ポイントが一番だが、リピーターを超えたファンになってもらうためには、その時期の旬の場所であることと、地域の人の生活道である田舎道や農道など阿蘇の文化を感じることができるところだと思う。

そんなところはカメラを向けると何も言わないでもこうなる。

食べ物については、行列の店、地元ブランドグルメ、お洒落スイーツは一般観光客やインバウンド用であり、継続的なリピーターや阿蘇のファンになってくれるサイクリストには、地元の人が通う店や地域の商店街やスーパーに昔から愛されている食べ物である。

一目山を走り、木魂館や北里駅跡公園のマルシェで昼食を取り、杖立川の鯉のぼりを見たライドは、地域の風景に溶け込んだ1日になってとても良かったと思っている。

 

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