コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「RIDO AID in SAKAMOTO」

コルナゴ部長こと中尾公一さんからレポートが届きました!!
「RIDO AID in SAKAMOTO」です。
新八代駅から球磨川沿いを南下され、日奈久温泉やさかもと復興商店街を巡られました。ご覧ください。

サイクルイベントを主催するPapicrossは、2016年の熊本地震において医療チームの一員として活動中に震度7の本震で被災され、その体験から復興支援として定期的に被災地でサイクルイベントを開催されている。阿蘇でも何度も開催されており、自転車で被災地を巡るのではなく、サイクリストによる自然災害に対する復興支援活動として、復興を目指す人々の思いに触れるプログラムには関西や関東からも参加される方もいる。
令和2年7月豪雨により熊本県では球磨川流域を中心に69名の死者・行方不明者、5316棟の家屋全壊・半壊・床上、床下浸水という甚大なる被害をもたらし、今も避難先の仮住まいを余儀なくされている方が多い。今回は、熊本県八代市の球磨川流域で昨年に引き続き『RIDE AID in SAKAMOTO』を開催されたので取材に行ってきた。
主催者より今回は多くの方の調整で成立したイベントのため、ルートデータや走行記録、球磨川沿いの工事区間の写真はWEBやSNSに掲載しないよう申し入れがあった。よって写真が少なくなったので昨年地元の工事関係者の方に案内してもらって撮影した写真を「2022年撮影」として使用する。
集合は新八代駅に朝7時と少し早かったが涼しい時間帯からスタートはこの時期にかかせない。ブリーフィングはとても分かりやすく、明確かつ簡潔な注意事項と、思い描けるようなコースの魅力紹介は参加者から好評を得ていた。
八代市内は車の少ない住宅街の道を繋いで球磨川沿いを八代海に向かって走り日奈久を目指した。この八代海沿いの道が清々しくとても気持ち良く走れたが、これも空気が引き締まった早朝ならでは特権だろう。

写真には写っていないが左側に「水島」と「龍神社」の観光スポットで最初の休憩。水島は万葉集に「奇蹟の島・水島」と歌われており、貴重な万葉史跡として知られているそうだ。龍神社は満潮時には海に浮かんだ神社のように見える神秘的なスポットだそうだが、残念ながら干潮でその光景は想像できない。

なかなかこういう所は走る機会がないので新鮮だった。
8時30分、日奈久温泉到着。
日奈久といえば竹輪(ちくわ)、

ちくわが1本配られた。参加費に含まれたもので地域の特産品を専門店で楽しめるのは嬉しいことだ。
ちくわサラダが珍しいと注文する方もいた。ちくわにポテトサラダを入れて揚げたもので、小学校の給食では青のり入って大好物だった記憶が思い出す。
散策時間があったので日奈久温泉の老舗旅館「金波楼」を見学。
明治42年(1909年)に建てられた木造3階建ての国登録有形文化財。
美しく鏡のように黒光りする木造建築に圧倒された。114年の歴史に触れられる金波楼には一度利用してみたいものだ。日奈久温泉には寂れた印象を持っていたが、昭和レトロな温泉街と風格ある宿の存在、やはり訪ねてみないとわからないものだ。
この日は天気が怪しかったのでショートコースに変更され、「名水さくらの雫」や「百済来川遊水公園」はカットとなった。そのため県道253号から県道60号の合流までの5.6km、120m緩やかな上りはフリーライドになった。こういうマイペースで走れる区間があるとより満足感が得られる。

名前はないそうだが立派な杉の木は夕暮れになると神秘的でトトロの世界のようだとか。これがCMにも出れば有名観光スポットになるのだろう。こういう発信も私たちに出来る復興活動ではないだろうか。
いよいよ球磨川沿いの国道219号に合流し、仮設のさかもと復興商店街で営業する道の駅さかもとを訪ねた。

昨年の7月に開業した仮設の「さかもと復興商店街」。ここには店などを失ったアユ料理や生鮮食品・雑貨、地元特産品、電気器具、商工会、森林組合、道の駅さかもとの9軒の事業者が入居している。
道の駅さかもとの道野真人駅長より、復興商店街の仮店舗内で被災メカニズムと今後の国の壮大な復興プランのお話を伺った。


2022年、一勝地駅に併設する資料館で撮影したもの



復旧工事は球磨川沿いの住宅地や道路を2mかさ上げする途方もない規模という。
2022年撮影
2022年撮影

2022年撮影
2022年撮影
2022年撮影

店舗内をよく見ると道の駅さかもとは多くの特産品を並べて元気に営業されていた。

ミカエル堂のシュードーナツは昨年も食べたが実に美味しい。
駅長さんのお話は参加費に含まれる絶品の晩白柚アイスを食べながらお聞きしたが、このアイスは絶対リピートしたい美味しさで、これを食べに坂本町を訪ねる価値はあると思った。
同じ敷地の道の駅さかもとに移動して駅長さんのガイドにより被災した当日の状況を話された。昨年はここで営業されていたが現在は閉館して寂しく感じた。
国道219号線沿いにある道の駅さかもとは、球磨川が氾濫し、濁流が流れ込むなどの大きな被害を受けて休業を余儀なくされた。被災後、施設にはボランティアが支援に入り、特に多くのサイクリストも泥だしなど復旧作業を進めた結果、豪雨から1年近くがたった令和3年に営業再開を果たした。しかし、敷地が球磨川の治水対策の対象地域と重なることから、現在の施設での営業を終えて仮設の「さかもと復興商店街」に移られた。

球磨川の氾濫では水位はあっという間に屋根まで達したと話された。

爪痕残る館内を特別に見学させていただき当日の様子を説明された。「館内に水がどんどん入ってきて雨宿りしていた5人で館内の中2階にいったん逃げたが、水位が上がったため排煙窓を破って屋上に垂直避難し自衛隊に救助された」と振り返られた。最後に「今回のような水害は水平ではなく垂直に避難すること」と締められた。
泥に埋もれた館内は換気のため、床板、壁の断熱材、天井板を剥がして再建の用意がされていた。
昼食は球磨川のほとりにある昭和29年(1954年)創業の木造三階建旅館の「球磨川温泉 鶴之湯旅館」だった。1階部分は豪雨災害で柱以外のものがすべて流されてしまったため、被災した集落約60軒の家屋から譲り受けた建具や木材を利用して再生されたそうだ。

暖簾をくぐると香ばしい匂いを感じた。ご主人の土山さんが球磨川名物の大きな天然鮎を炭火で焼いている匂いだった。
ご飯は羽釜ご飯
鮎の炭火焼きは感動の美味しさで骨まで食べられた。鮎の甘露煮がこれまた絶品で最後に残った汁をお代わりしたご飯に掛けていただいた。10月になれば鮎は倍くらいの大きさになり「サバ」とも言われるという。
あまりに美味しくてその感動を伝えたいので動画で紹介しよう。是非とも鮎料理と羽釜ご飯を食べに鶴之湯旅館を訪ねてほしい。食事のあとは土山さんから被災からの旅館再開、今後の復興事業への物語を語っていただいた。


食事の後は道の駅の道野駅長より被災地の案内があった。

「坂本駅」看板の下の赤い印のところまで水が押し寄せたという。近くには庁舎などがあり町の中心部だったが壊滅的な被害になり現在は更地になってその面影はない。
最後に道野駅長のご自宅に移動して復興のお話を聞いた。

ご自宅前の川の上流に水力発電のダムがあり、水位が高まったため放流したところ増水した球磨川本流に流れきれず床上浸水となった。近くには民家が多かったが現在は更地になっていた。
暑さしのぎにその透明度が高く美しい川にドボンした。道野さんも子供の頃泳いだ川で今は息子さんが川遊びをされている。

15時に新八代駅にゴールして『RIDE AID in SAKAMOTO』が終わった。
まさにこのライドの趣旨の通り「水と人との共生、文化と食、人々の思いに触れるプログラム」だった。球磨川流域の被災地をサイクリングで訪ねた私たちにできる復興支援は、道の駅さかもとの道野さんと、鶴の湯の土山さんのお話から、明日からでもお客さんとして来て欲しいということだった。よって、車でドライブを兼ねて食事や買い物をすることが具体的な復興への応援となる。
また、今度、自転車で通行可能な時期が来てからになるが、自転車乗り目線のフォトスポットや、魅力的な景観と走り応えのあるライドスポットを発見して、その点を繋いで線にしたサイクリングコースの造成を復旧工事の進展に合わせて行い、SNSで発信してサイクリストに来てもらうことにあると思うし、この地域には自転車乗りを満足させるポテンシャルは絶対ある。
呼びかけた訳ではないがツール・ド・九州アンバサダージャージで参加の方もおられた。九州の経済団体トップと各県知事で構成される九州地域戦略会議において、九州でのサイクルツーリズムの推進と、九州を襲った自然災害からの復興を象徴するのが「ツール・ド・九州」の目的であり、『RIDE AID in SAKAMOTO』に相応しいサイクルジャージだった。今後も復興支援活動という趣旨のサイクルイベントには、10月開催のツール・ド・九州が終わったあとでも着用する意味があるので、この黄色いジャージが多くの方に広まればと思う。

 

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