コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「特別貸切列車で行く延岡サイクリングツアーレポート」が届きました。
自転車と一緒に旅をする方にとって、分解せずに電車に乗れて、目的地についたらすぐにサイクリングが楽しめる♪というのは理想的ですね。
延岡の美味しいグルメに、道の駅阿蘇で絶賛販売中のCYCLE BEERが作られている「ひでじビール醸造所」も登場します☆
それでは、ご覧くださ~い
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「特別貸切列車で行く!延岡サイクリングツアー」に参加してきた。
1泊2日のこのツアーは、大分駅から特別貸切列車(キハ200系)に自転車は輪行袋でなくそのままで乗車して、秘境駅に停車したりしながら延岡駅までの往復の鉄道旅が楽しめる。延岡駅に着くとNPO法人ひむか感動体験ワールド所属の名物ガイドで、道の駅阿蘇の牧野ガイドの講習会でもお世話になっているミッチーこと三井寿展さん案内によるサポートカー付きサイクリングと延岡のグルメを堪能するツアーだ。
2週間前に開催された八代海沿線のサイクリングと鉄道旅が楽しめる「おれんじシーサイドライド」に続く自転車+鉄道のハイブリッドイベントになるが、本来は「特別貸切列車で行く!延岡三蔵巡りとグルメ堪能ツアー」として50名限定で募集されたものを5名のみサイクルトレインの実証を兼ねて募集したサイクリングツアーになる。主催は一般社団法人延岡観光協会、協力は宮崎県観光協会と、延岡市と佐伯市が「食」と「連携」をキーワードとして新たな経済・文化圏の形成を目指す東九州バスク化構想延岡推進協議会となる。
宿泊費、食事4回(朝食1回・昼食2回、夕食1回)、JR往復運賃(大分~延岡)、保険料、サポートカー付き2日間のサイクリングツアーを合わせて10,000円という破格値。しかし、暮れの2日間ということもあってか4名の参加者だったがメンバーは気心知れた自転車仲間だった。大分駅構内に受付があり延岡三蔵巡りとグルメ堪能ツアー参加のみなさんは年配の方が多く、私たちは一番最後から「輪行袋に入れてください」と言われはしないかと思いながら自転車の押し歩きで改札口に向かった。
すでに新鮮な体験、ワクワク感が半端ない。
エレベーターは狭かったのでエスカレーターで2階へ上がる。自転車抱えてだが何の問題もない。
貸切列車は2両編成で鉄道旅は団体客に混じってということになる。受付をされていた延岡観光協会のお2人が団体ツアーをお世話する添乗員を兼ねられる。最後に乗車した私たちの席は列車後方の席を確保してもらっていた。
自転車3台は車両の後ろに重ねて、1台は通路に置くよう指示された。
さて、これから鉄道旅が始まる。大分駅7時43分発、延岡駅10時23分着、それぞれ用意した朝食を食べながらやや年季の入ったキハ200系はゆっくりホームを出ていった。
列車の通過待ちで8分間停車する佐伯駅に着くと、ホームには自転車仲間の佐伯の浜田さんと川部さんの姿が・・・
お土産を持って来られていた!
このサプライズにはびっくりした。
車内で写真を撮ろうとなり、
運転士さんもと言ったら後ろでしっかりポーズを決めてくれた。
JRの方の接客は通常と違い貸切列車の場合の大らかで驚いた。
朝が早かったのでウトウトしていたら、貸切列車ならでの魅力と言われる秘境駅の宗太郎駅(そうたろうえき)に停車した。ここは大分と宮崎の県境にあり山間部深くに位置し、小さな集落の最上部にあることから、鉄道ファンの間では有名な秘境駅の一つに数えられているらしい。特に延岡方面へ向かう下り列車は、朝6時54分発の1本のみなので“始発が終電” になってしまうと年配の方が自慢げに説明された。
みなさんは降りたらすぐに我先にという感じで駅名標や3本だけ表示された時刻表のところに行って写真を撮られていた。私たちは自転車を降ろして雰囲気の良さそうなところで写真を撮った。屋根が張り出した小さな待合所には、「あわてるな、列車はそのうちやってくる」などユニークなメッセージが書かれた石が並んでいた。長年にわたりたくさんの書き込みがある駅舎ノートもあって、年配の女性は何やら書かれて、それを写真に撮られていた。山深いひっそりとした無人駅が4分間の停車中だけ賑やかなになった。ここで参加された方は鉄道ファンが多いことを知った。
10時23分、延岡駅に到着。
自転車の押し歩きで改札を出た。目の前には2日間ガイドをしてもらう三井さんとサポートカー担当の金子さんが笑顔で迎えてくれた。短い挨拶のあと歓迎セレモニーが行われる場所へ話をしながら案内してもらった。
延岡駅は東西に長くなって、スターバックス、蔦屋書店、コンビニ、待合室、キッズスペースなど複合施設のようになっていた。また、イベントなのかテントブースがあり食材や雑貨など販売する人たちで活気があった。駅の南側で歓迎セレモニーがあるとのことで一旦2階に上がり長い通路押し歩きしていると太鼓の演奏が聞こえてきた。
延岡市長さんの挨拶のあと「延岡三蔵巡りとグルメ堪能ツアー」のみなさんは2台のバスで2日間の延岡観光へ、私たちは地元紙の取材のあと快晴無風で暖かい絶好の延岡サイクリングをスタートした。
最初に向かったのは昼食場所の元祖チキン南蛮の店「直ちゃん」。
チキン南蛮は延岡が発祥の地、延岡の洋食店にいた2名の料理人によって生まれたといわれている。そのひとりが直ちゃんの創業者であることから「元祖」となっている。よって超人気店で長い行列となるところ、サポートカーの金子さんが早々に並んでいただき2番目に入店することができた。
このようにサイクルツアーの内容は、延岡は料理の美味しい店が多く、三井さんが事前に提案されていた人気店と蔵元を訪ねながらの楽しいポタリングになる。
湯気を立ててチキン南蛮定食が運ばれてきた。この店はソースらしきものがないが器の下には汁のようなものが見える。それに揚げたチキンはパン粉のような衣がある。チキン南蛮を生んだもう一人の料理人の元祖の店「おぐら」ではタルタルソースが掛けられているそうだ。
爽やかな淡いタレが美味しい。普通の南蛮酢というより柑橘系の香りも感じられる。それと衣がタレをくぐらせたからか糸状みたいでパン粉らしくない。そこで思い浮かんだのが、チキンに薄い湯葉を巻いて揚げたという食感だった。南蛮酢の旨味がしみ込んでやや大盛りのご飯がすすむ。テーブルにはマスタードと柚子胡椒の小袋があったので最後はそれぞれ試してみたが確かに合う。2つある元祖チキン南蛮の店の「直ちゃん」は肉と衣とタレが混然一体となって絶妙な美味しさだった。
ランチの後は旭化成の巨大な工場群の横を通りながら三井さんの説明を聞いた。途中、食事したばかりだが味噌ラーメンが絶品の「麺やふじ福」、地鶏が美味しい「矢野若とり専門店」も次回の参考に案内してもらった。お結びと米粉シフォンケーキの「梛(なぎ)」でシフォンケーキを買ってサポートカーで預かってもらい、河川敷のコースや路地裏の道を走りながら佐藤焼酎製造場へ見学に行った。
「輝く焼酎」を追い求めて地元の農作物と、大崩山や行縢山(むかばきやま)を上流に持つ祝子川(ほうりがわ)の深層水にこだわった佐藤焼酎製造場は明治38年(1905年)創業。この日は休日だが三井さんのリクエストで担当の方がいらして説明をお聞きした。
淡麗かつ旨口という高品質な本格焼酎を追求して生まれたのが、輝く水面の光の繚乱がコンセプトの銀の水。こちらが気になったが、サイクリング中なので試飲ができないのが残念だった。
佐藤焼酎製造場に併設されたバルコニーから祝子川とその先が行縢山。ここから山を越えて延岡城・内藤記念博物館へ行った。
延岡の歴史や文化に関する資料が展示されている延岡城・内藤記念博物館は令和4年9月に開館した博物館。建っているのは、歴代城主の居館が置かれた延岡城・西之丸跡地で延岡に城があったとは今回初めて知った。入館無料で延岡を石器時代から居心地良くに学ぶことができてここはお勧めのところだ。
続いて訪ねたのが千徳酒造、サポートカーがあるのでこちらでも買うことができた。
これはさすがに眺めるだけ、
これは珍しいと今夜の試飲用に三井さんが買われて、社長さんみずから瓶詰めしてもらったのは、ブドウを部分乾燥させた稀少なイタリア赤ワイン、アマローネの樽に、3年間瓶で冷蔵貯蔵させた純米原酒をアマローネの樽で熟成させた18度の日本酒、「純米熟成酒2019アマローネ2022。お値段1.8ℓは12000円、三井さんが購入された300mℓでも2150円となかなか高価な酒だ。瓶詰めされていると、甘いフルーツの香りがふわっと漂ってきた。
最後はシルバーのトレーラーが店舗のサンモンカフェのカフェメニュで一息入れて、
宿泊地のエンシティホテル延岡にゴール、部屋は全員シングルで快適だった。
団体の方もこのホテルでバスツアーでも千徳酒造と延岡城・内藤記念館は行かれ、夕食は東九州バスク化構想延岡推進協議会加盟の6店舗に分散されるそうだ。
今回の三井さん厳選の店は勇魚(いせな)。過去3回延岡ナイトに案内してもらっているがここが一番取りにくい完全予約制の店だそうだ。なかでもカウンター席は顧客のみになっている。こういうと気難しいご主人かと思いきや、単に恥ずかしくて緊張するからということだった。
この日蔵元巡りで仕入れた酒や頂いた酒を試飲程度持ち込ませていただき残りはご主人にと三井さんが話されていた。
SNSに出るのは苦手とおっしゃったが、この品だけはいいと言われたので紹介しよう。料理はおまかせの和食のコースになり、最後に出された「だし巻卵と釜揚げシラスご飯」。
だし巻卵と釜揚げシラスをご飯に混ぜて出される。
味付けはシラスの塩気とだし巻の旨味だけだが、だし巻卵の優雅で懐かしいを伴う美味しさと、上等な釜揚げシラスの柔らかな磯の香りが口いっぱいに広がり、思わずハフハフとかき込んで食べたくなる極上の逸品だった。
締めの締めは、生卵をいれてゴマ油を一振りの雑炊風に味変。照りが出た卵の色彩の美しさと、上等な胡麻の香りには仰天、釜揚げシラスとご飯はだし巻卵の旨味で膨らみ混然一体と花開いたようだった。おそらく卵もこだわりのものだったのだろう。
卵の持つ底力を知った。勇魚の余韻がいい感じで続いた。
ほろ酔いの私たちは店を出ると延岡ナイト必須のHidejiビールに立ち寄り宿に帰った。
翌朝も天気良し。
朝飯はじゃらんや楽天の評価の高さの通り満足できるものだった。
2日目は9時にホテルをチェックアウトしてサイクリングをスタートした。帰りの貸切列車の時刻が延岡駅14時14分なのでサイクリングは午前中までで、昼食後は駅までゆっくり走ってというのが2日目の予定だ。
まずは行縢山(むかばきやま)の麓にあるひでじビール醸造所まで少し上りコースを楽しんだ。行縢山がだんだんと近くに見えてくると岩肌が剥き出しの山容は独特だ。西側にある標高829.9mの雄岳と東側にある標高809mの雌岳からなり、その間には水の多い時には滝も流れると三井さんが走りながら説明してくれた。
ひでじビール醸造所到着、すでに一緒のツアーの団体さんが来られてレジの前は長い長い行列ができていた。
道の駅阿蘇の「ASO CYCLE BEER」もここで造られている。
右から2番目ひでじビール社長。工場に併設してキャンプ場とMTBコースを作りたいと三井さんに相談されていた。来春は「ひでじビール&BBQ付きMTBライド」が実現するかも知れない。
ここでもたくさん買った。
山を下って次に向かったのは、こちらも人気店のそば乃井さんでランチ。
三井さんをサポートしている台湾の自転車メーカーのメリダから、プロロードチーム仕様と同じCF5カーボンフレーム、SCULTURA 9000ミッチースペシャルモデルが前後輪付いた完成車のまま巨大な箱で届いたそうだ。この日はイブだったので、最高のクリスマスプレゼントになったと感激されていた。
こちらは30分ほど待っての入店だった。
下りで冷えた身体に出汁の効いた蕎麦は最高に美味しかった。
旭化成の煙突が見えると街中が近い。
最後にパワースポットでもある春日神社に参り、老舗和菓子屋おがわ饅頭でまたもや買い物をして延岡駅にゴールした。
延岡駅では少し慣れた押し歩きで改札口を通った。
行きと同じ席が用意されていたので今度は先頭車両の一番前だった。
列車が動き出すとホームの先に三井さんと金子さん、それに延岡観光協会の岩本さんが手を振っている姿が見えた。「三井さんだ!」と知らせると、3人も窓際にいった。見送りする姿がだんだんと近づき、真正面になり通り過ぎていく。
私たちも手を振った。
列車の別れは寂しく、もの悲しい。だから記憶に残る。
16時49分大分駅到着、構内移動も慣れたものだ。
リュックは土産でパンパンに膨れた。
今回、特別に利用させてもらったサイクルトレインは、袋等に入れて運ぶ輪行と異なり、自転車を分解せずにそのまま鉄道車両に乗せることができるサービスであり、沿線住民の足として日常的に使用されている路線もあるが、基本的には観光やサイクリング目的での利用を促進するためのものである。九州では、西鉄天神大牟田線、松浦鉄道、熊本電鉄、肥薩おれんじ鉄道が条件を満たせばサイクルトレインとして利用することができる。
自転車を袋に入れて運ぶ輪行の場合、分解や袋への収納、組み立て、それに肩に担いでの移動は初心者や女性の方のハードルになる。今回のように自転車をそのまま列車に乗せて、改札を出たらすぐにサイクリングがスタートするサイクルトレインの手軽さは、先日利用した肥薩おれんじ鉄道で身に沁みたが、自転車の歴史が古い欧米では輪行やサイクルトレインという言葉もなくごく普通のことである。
三井さんによると、大分から日向までをサイクリングで盛り上げようと日豊海岸サイクルツーリズム推進協議会が設立されたそうで、大分、臼杵、津久見、佐伯、延岡、門川、日向の各市町長や関係者が集まった会合で三井さんとスパークル大分の黒枝監督がアドバイザーとして招かれたそうだ。日南海岸サイクルツーリズム協会がすでに設立されているので、日豊本線を利用することにより大分県と宮崎県を結ぶ縦長の地域が一体になればと思う。
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道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
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