コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました!
自転車をそのまま持ち込める『サイクルトレイン』のご紹介もございます♪
それではお楽しみください!
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サイクリングと鉄道旅が楽しめる「おれんじシーサイドライド」に参加してきた。
この季節でも温暖で一度走ってみたかった八代海沿いのサイクリングと、ゴールした後の帰りは輪行袋不要で自転車ごと乗車する肥薩おれんじ鉄道の貸切サイクルトレイン旅がこのライドの魅力だ。これはもしかしたら、日本で初めての鉄道を利用したワンウェイライドになるかも知れない。一緒に参加したのは阿蘇満喫ライドを案内するいつもの4人で、私と下城さんは招待選手としてロングのAコースを視察、井上君とみゆきさんはマーシャルライダーとしてショートのCコースの選手をサポートされた。
貸切のサイクルトレインは効率よく往復で利用するため、八代から水俣までのAコース77kmと、水俣から八代までのBコース77km、それに八代から御立岬公園までのCコース29kmがあり、ゴールしたらAコースが水俣駅、Bコースが八代駅、Cコースが肥後田浦駅から貸切のサイクルトレインに乗って各スタート地点に到着後解散という流れになる。AとBコースは2時間差で2便サイクルトレインを用意され、募集は各80名、Cコースが40名で合計200名のイベントになる。
このライドの主催は熊本県南部広域本部(八代地域振興局)、協力は熊本県自転車競技連盟、熊本県サイクリング協会、肥薩おれんじ鉄道、そして企画運営がLocal Gainである。熊本県自転車競技連盟とLocal Gainといえば、ランとサイクルを兼ねた阿蘇パノラマヒルクライムの主催者と企画運営者であり、ラン関係が専門だったLocal Gainにとっては今回が最初のサイクルに特化したイベントになった。いい経験を積んで今後の熊本のサイクルイベント開催に期待したいものだ。
八代をスタートするAコースの開会式は、球磨川河川スポーツ公園で行われ、八代市長ほか超党派で構成されている自転車活用推進議員連盟幹事長の衆議院議員金子恭之さんがジャージ姿で挨拶に来られていた。金子さんはジャイアントに乗る自転車乗りで、次の会合のため少しだけだったが一緒にスタートされた。
九州3県の公道を使ったラインレース、ツール・ド・九州の来年の開催においても引き続きご尽力いただきたいものだ。
当日受付で渡されたゼッケンの裏には、中央に10cmくらいの両面テープのようなものが貼られて、それを剥いでジャージに付けるものと思っていたところ、自転車の大会では珍しい使い捨ての計測用のものだった。スタートとゴールのエアバルーンの下のマットに受信機があり、自転車のスピードではなく、歩く程度にゆっくりと通過すると計測できるものだった。
2016年に太魯閣のヒルクライムレースに行った際、フロントフォークに結束バンドで計測チップを装着してゴール後返却するものではなく、ヘルメットに貼るゼッケンのシールと、ハンドルに取り付けるゼッケンの2つが使い捨てのセンサーで驚いたが、今回のような順位を競う大会でなくてもリザルトが残るので大会への価値が高まると思う。それとLocal Gainデザインのゼッケンがいい感じなのでまだ捨てないで残している。
スタートして車の少ない海岸線の細い道が続いた。
一般的なサイクルイベントでは参加人数の関係だと思うが、このような自転車乗りが好みそうな道はなかなか採用されないが、オレンジシーサイドライドではサイクリスト目線の気持ちのいい道がコースに設定されていた。コースを引いた方は何度も走ったことがある方に違いないと思った。
八代海の穏やかな青い海と対岸の天草の島々を眺めながら、
往路は爽やかな海風を切ってサドルの上から、
復路はこの線路を走るサイクルトレインの車窓から・・・
こんな贅沢なサイクリングイベントを考えた人は凄いと思う。
コースは海岸線の道なのでフラットかと想像していたが、ガーミンに取り込む際に山はないのに獲得標高が1166mもあって不思議に思っていたところ、海抜ゼロから100m上るアップダウンの箇所が結構あって走り応え的にもいいコースになっていた。
かなり坂を上って御立岬公園に10時過ぎに着いた。
ここが最初のエイドだと思っていたところ・・・
昼食会場だった。
用意されていたのは、熱々の味噌汁にはご当地の柚子胡椒付き、不知火海(八代海)が獲れた太刀魚は漬け丼に、それに名産品のスイートスプリングとプチトマト。会場では湯気が立ち昇りいい匂いが漂っていた。朝が早かったので一気に食事モードのスイッチが入った。
太刀魚は船上活き〆のあと、タレで付けて瞬間冷凍したものをラッピングされたもので、会場ではひとりひとりにご飯の量を聞いて、その上に封を切った太刀魚を盛り付けて提供された。太刀魚のコリコリとした食感と甘味を感じる美味しさ、熱々のご飯に冷たく豊潤な甘じょっぱい味の染みた太刀魚の組み合わせは最高に美味しかった。
ここが全コースの昼食場所を兼ねていた。私たちは先頭グループの次に来たのでCコース含めて後から来る人たちは昼近くの時間になるのだろう。サイクルトレインの往復利用のため、水俣スタートのBコースは私たち八代スタートのAコースより30分早くスタートしているので、その当たりのバランスも考えられているのだろう。
昼食会場を10時30分頃スタートした。
静かな漁港の前の道には、ときおり年配の方が手を振って応援してくれた。一気に通るにはもったいないと思えるほど風情に満ちた雰囲気の道が続いた。しかし、14時10分発の最初の便に間に合わないと次は16時21分になるので淡々と走って必ずもう一度訪ねようと思った。
ここが57km地点で残り20km、まだ12時なので急がなくても最初の便には余裕で間に合うので写真を撮りながら足の揃った方々と一緒に走った。
61km地点の津奈木町エイドに12時15分に到着。
コースから少し入り組んだところにあったので解り難く、迷走している人がかなりいたのでここは次回の課題だろう。
スィートスプリング、ジンジャースープ、干しエビ、ドリンク類が用意されていた。スィートスプリングはほろ甘くてジューシー、ジンジャースープはカラダに沁みる美味しさ、エイドの女性スタッフは優しく声を掛けて何より元気が出るエイドだった。
3kmほど走ると上りになった。それからは何度もアップダウンが続いた。終わりに近いが上りは踏み込んで、下りは安全にゆっくりと走った。こういうのがあるとゴールした後の達成感に浸れる。
最後の峠を越えると紺碧の海だった。
大崎鼻公園というところらしい。正面に獅子島、右が御所浦島、左の先が長島、獅子島の先は天草下島の真ん中あたりか、今日一番の絶景ポイントだった。
エコパーク水俣にゴール、13時10分だった。
MCの方もおられて結構早くグループで着いたので称賛と労いの言葉が嬉しかった。会場はちょっとした祭り広場みたいな賑やかな雰囲気にとても満足できた。
会場にはこの日3回目の熊本県南地域をアピールするスィートスプリングとプチトマト、温かいおしるこ、しらす、それにジビエも有名なのか鹿とイノシシの炭火焼きという豪華な料理が振舞われ美味しく頂いた。
地元の子供さんや学生さんの今風な太鼓演奏も披露された。
ショーが終わったところで1.5km先の水俣駅に向かった。
13時45分水俣駅到着、生まれて初めての駅はとても新しかった。八代駅発のBコース第1便は12時58分発なので45分くらい前に到着しその車両に乗車する。Aコース第1便の発車は14時10分。
車両は沿線の芦北町が舞台の肥薩おれんじ鉄道をモデルにした列車や駅が登場するTVアニメ「放課後ていぼう日誌」のラッピング列車になっている。
ホームには改札口ではなくゼッケンをチェックして建物横の夜間通路から入るよう案内された。自転車を押しながら歩くホームはすでに非日常的体験に満ちていた。
みなさん写真をバシャバシャ撮られていたが撮りたくもなる。
どうですか、これ?
素晴らしいでしょう!
自転車を置くスペースも固定する器具のないので自転車は手で支えることになる。よって入口の4人くらい座れるベンチシートは2名2台、車椅子スペースに1名1台、4人用のボックスシートは1名になる。1車両の収容は20名、車両は2両編成、なので1便40名で2便あるので収容は80名。往復運転する八代駅からも同じ収容なのでABコース募集は各70名ということになる。
貸切でない通常運転の乗車人数は、ボックス席は不可でベンチシートと車椅子スペースになるので、車両によって異なるらしいが1車両3~4名、2両編成なので6~7名の予約制。
詳しくはこちらを
肥薩おれんじ鉄道
定刻の14時10分発車
ワクワク感が半端ない。
子供みたいにはしゃぎたくなる。
沿線の街並み、海岸線の風景、
落ちそうなくらい海が近い。
電車広告がこれだよ。
そんなに揺れないので手で支える必要はなかった。
ビンディングシューズなので床からの振動が直接足に伝わって少しこそばゆい。
15時04分八代駅到着、56分の列車旅は貴重な体験だった。
駅舎には15時19分発水俣行きのBコース第2便の参加者が待機されていた。
八代駅で流れ解散。しばしBコースの自転車仲間と楽しいライド話に花咲いた。車を駐車しているスタート地点の球磨川河川敷スポーツ公園まで1.6km自走して「おれんじシーサイドライド」は無事終了した。
受付で頂いたもの。これにスィートスプリング1個が付いていた。走ってきた地域の観光パンフレットなどは、SNSや自転車仲間にライドの楽しさや価値を伝える資料に役立ち、集客や再訪に繋がっていくと思う。大変な手間とボランティアの皆さんの参加で成り立つこのようなイベントの目的は、地域にお金を落とすために開催されるのだから。
企画運営のLocal Gainはいい仕事したと思う。統一されたデザインは素敵だし、計測ゼッケンのお陰でリザルトまで出ていい記念になった。事前の案内やブリーフィングの際にレースではないことをくり返し説明されていた。安全に走って順位やタイムが出ることは来年開催のリピーターになるに違いない。
リザルトの☆をクリックすると完走証が出てくる。
幟やゼッケン、エアバルーンには「SINCE 2023」と書かれている。「ツール・ド・九州2023」と同じように「おれんじシーサイドライド」も今年が第1回大会で以後継続を目指す大会であるという意味だろう。
今回のエントリーフィは8000円だった。警備員・エイド・保険料など運営費用と、肥薩おれんじ鉄道2両2往復の貸切料金を含めてなので、かなり手頃なサイクルイベントではないかと感じた。
交通整理や警備は万全であったが、コースを案内する歩哨スタッフが少なく多少道に迷う箇所があった。なので次回大会には、サイクルコンピュタ―やスマホにコースを落とし込んでいれば何の問題もないので、個人は必須、グループは責任者を決めて走るようにしたらいいと思った。更にサポートライダーとして参加する人は、グループを引いて走り道案内を兼ねると趣味とボランティアのすべて解決するのではないだろうか。
スタートからゴールまで続いていた八代海は、旧暦の8月1日の深夜に九州に伝わる怪火「不知火(しらぬい)」が海上に現れることから不知火海とも呼ばれている。私がイメージしていた不知火海は、波穏かで美しく、球磨川を筆頭に多くの河川が栄養を運ぶ豊饒な海だった。当日はまさに期待通りで、白い帆を膨らませたうたせ船も見ることができた。想像以上だったのは海沿いに続く山の斜面を、黄色く染めたみかんやスィートスプリングだった。それはこのライドの名の通り おれんじシーサイドライド だった。
あまりにサイクリング濃度の高いコースだったし、井上君とみゆきさんはマーシャルライダーでフルコースを走っていないので来月にでももう一回走ろうと思っている。その際には水俣駅から輪行になるかも知れないので輪行袋持参のライドになる。また、阿蘇ライドと組み合わせると滞在型のインバンド用としても魅力がありそうなので、そのような視点での試走も兼ねたいと思っている。
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