’九州の水かめ‘といわれる理由が分かった❣

皆様、こんにちは。

本年3回目のバッテン荒和のブログとなりますが宜しくお願いいたします。

今回阿蘇が‘九州の水がめ‘といわれている理由をチョット調べてみましたので、お付き合い下さい。チョットだけ後半部分は馴染みのない用語もでてきますがご勘弁下さい。


ところで世界中で水道水をそのまま飲める国や地域は日本を含めわずか9か国と2都市(国土交通省「2021年版日本の水資源の現況」)しかなく、アジア圏では日本のみで欧州からはオーストリア・アイスランド・アイルランド・スロベニア・デンマーク・ドイツ・フィンランド・ノルウェー、上記にくわえてオーストラリアの首都シドニー・スウェーデンの首都ストックホルムでも水道水がそのまま飲めるそうですが、なかでも熊本の水道水は水質がよく、それが阿蘇の火山活動や草原の地層と深い関係があるそうです。

 

九州北・中部を流れる一級河川である筑後川、大野川、白川、緑川、菊池川、五ヶ瀬川の計六河川もの源流が阿蘇にあり、そのために阿蘇は‘九州の水がめ‘といわれています。

具体的には阿蘇の広大な草原では年間平均2500㎜以上もの雨が降り注ぎ、特に阿蘇山上では年間降水量が平均3200㎜(阿蘇山観測所観測記録)にも及び、全国的に見ても実は有数の多雨地域だそうです。

加えて冬の積雪も水の確保につながり、阿蘇に降り注いだ水が巨大な地下水盆に蓄えられ、地下水が地表へと湧き出し川になり、また地下水として蓄えられて人々の生活に利用されているそうです。

因みに私たち熊本市民(約74万人;令和5年4月1日現在)も勿論、上水道はすべて地下水で賄われていますが、これは上述の阿蘇で育まれた水のお陰です。

それではまず、阿蘇の水を私共が生活を営む熊本市などの下流域に提供する際の地形的な流れを見てみましょう。

熊本県北部を流れる一級河川白川の水源は阿蘇の根子岳(標高1433ⅿ)に発し、阿蘇山カルデラの南部「南郷谷」を西流し立野でカルデラ北部「阿蘇谷」を流れる支流の黒川と合流し、急流の多い上中流域を抜けると熊本の市街部を南北に分けて貫流し、最後有明海に注いでいく過程は単に水は高い方から低い方に流れて行くという地形的な構図は比較的容易に理解できると思います。

そして阿蘇の大地が‘九州の水かめ‘と呼ばれる理由が、火山噴火による火砕流たい積物や火山灰などが積もった表面で覆われ、普通の地域より5~10倍も水がしみ込みやすく、その下が水を比較的通しにくい粘土層、そしてそのさらに下には地下水の受け皿となる強固な基盤岩で構成される地層となっており、これで巨大な水かめ形成の地理的条件が整った次第です。

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そこで今度は同じ自然界に存在しているたとえば「森林」と阿蘇の「草原」とを唐突ですが少々強引に比較してみます。

なぜ阿蘇が自然のままの雑木林や荒野あるいは森林に至るべく何もせずに放置されたのではなく、その「草原」を守るために地元の人たちは約1000年もの歳月をかけて、わざわざ草を刈り、毎年危険を犯して野焼きをし、牛に草をたべてもらってまで管理してきたのかをご紹介致します。

草原が森林などよりも下流域への水の供給力で優れていることが、近年の研究で分かってきたそうです。

葉や枝に付いた雨がそのまま蒸発する「遮断蒸発」と、植物が根から吸い上げた水を葉から大気中へ放出する「蒸散」といわれるキーワードがここでは重要となります。

まずは「遮断蒸発」から見ると森林の木々は葉や枝、幹などは広く高く伸びる一方、草原を覆うススキなどは背丈が低く、水が付着する表面積は当然、草原に多く自生するススキの方が小さいので「遮断蒸発」の量が減るらしいのです。

くわえて阿蘇の草原は毎年春、野焼きで一時的に草がなくなることで結局、「遮断蒸発」量は森林などの木々に比べ、当然大きく減少することになります。

つぎに草原が森林より「蒸散」の量が少ないことも明らかにされているようで、阿蘇の牧野などで専用のセンサーを用いて植物の年間「蒸散」量を比較したところ、草原でよく見られるススキは約130㍉で、スギやヒノキの約250㍉を大きく下回り、さらにススキがもつ、少ない水で光合成ができる特性が裏付けられた研究成果を得たそうです。

以上のように「遮断蒸発」と「蒸散」の量がともに少ない草原は、より多くの水を地表に届けることができ、水は地下に浸透するだけでなく、地表を流れて河川に達し、下流域の水田で蓄えられて地下水を再び供給しているというまさに、大自然の水の自然循環の確かさに阿蘇の大地の奥深さを感じた次第です。

’九州の水かめ‘といわれる阿蘇の成り立ちを少しでもご理解いただけたら幸いです。

ところで今年はいまのところ、例年より暖かい日が続きしかも、ここ阿蘇はシーズンオフとなり、大した人混みもなく、来月10日前後から始まる春節(旧正月)前に是非、火の国そして水の国の両方を兼ね備えた阿蘇の魅力を満喫して頂き、お帰りの際には、ここ道の駅阿蘇にもお立ち寄りくださいませ❣

 

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