コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「Demo Day in阿蘇」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから先日開催したイベント「Demo Day in阿蘇」の最新レポートが届きました。
各コースに分かれてのライド、第2駐車場で開催した試乗会ともに来場いただいた皆様に満喫していただきました★
それではご覧ください。

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スポーツバイク31社のブランドが集まった試乗会「Demo day in阿蘇」が4月20日・21日に道の駅阿蘇の第2駐車場で開催された。九州各県や山口県からも来られた200名の参加者は、会場内の試乗コース以外にも、中岳火口や草千里へ続くパノラマラインでも試乗できるため、好みのバイクのポテンシャルを見極める上りや下りで試されていた。

九州でサイクルショップの試乗会以外として初めての取り組みになった「Demo day in阿蘇」は、主催が道の駅阿蘇、共催はDemo Day in 阿蘇企画室、後援は阿蘇サイクルツーリズム学校「コギダス」により開催され、その経緯については、昨年、福岡のサイクルショップ「サイクランドシライシ」さんがスポーツバイクブランドMULLERと自転車部品ブランドGOKISOの「MULLER&GOKISO試乗会」 を同じ会場で行ったところ、MULLER代表の大塚さんが環境の素晴らしさに感動して他のメーカーに呼びかけ今回の大規模な試乗会が実現した。

初日には「ヒルクライムコース」、「旧街道コース」、「グラベルコース」の3つのライドイベントが朝一番に3時間ほど開催され、参加者は事前に試乗車リストから好みのバイクやホイールを選んで参加できるようになっていた。自分の走りたいコースで憧れのバイクの乗り心地を最大に試すことができることこそ、今回の試乗会の目玉ではないだろうか。
ヒルクライムコースをアテンドするのは、乗鞍ヒルクライムのチャンピオンクラス4連覇を含む全8回制覇している最強のクライマーで山の神と称される森本誠さんと、同じく女子の乗鞍チャンピオンで昨年の台湾KOM Challenge 2位の牧瀬翼さんという阿蘇の山岳コースに相応しいお二人だ。

旧街道コースは、MULLERブランドマネージャーで、外国人サイクリストが日本の景色の中を旅しながら走るNHKワールドTV放送の「CYCLE ARAOUND JAPAN」に出演されているZac REYNOLDS(ザック・レイノルズ)さんだ。Zacさんは日本の古道を走るのが趣味で、阿蘇に試走に来られて選ばれたのは、江戸時代に加藤清正によって拓かれ熊本藩の参勤交代に用いられた豊後街道を訪ねるコースになる。

私が案内するグラベルコースは、田んぼのあぜ道を繋いで内牧から豊後街道のグラベル区間を走り、ラピュタの道を横切って、狩尾区の見頃となったシバザクラを田んぼのあぜ道を走りながら眺めて、阿蘇カルデラに浮かぶ三つの小火山丘のひとつ、ニベ塚のグラベルをちょっと上って帰ってくるコースだ。
グラベルロードは、ロードバイクの中でも一般的なエンデュランスロードよりも高い汎用性があるので、レースに出ないのであれば、もしくは2台目としては、快適に道を選ばずに楽しめるバイクであることを体験してもらえればと思ってコースを考えた。

では、森本さんのヒルクライムコースから紹介しよう。
山の神が選んだのは仙酔峡。道の駅阿蘇から8.2kmで頂上になり、419mのヒルクライムが楽しめて車も少ないので森本さんに紹介した峠道だ。

途中は牧野が広がり、放牧の牛を眺めることもできるので阿蘇らしい景観が集約されているコースだ。

森本さんは初めて阿蘇を走られるということだったので、私のライドによく来られている鬼塚君にサポートを頼んだ。

仙酔峡は、阿蘇山の溶岩流が造り出した峡谷で、「仙人も酔うほど美しい峡谷」から「仙酔峡」の名の由来になり、自生するミヤマキリシマが見頃となる5月中旬から6月にかけて、ピンクの絨毯を敷き詰めたように渓谷の山肌が染まる壮観は見事だ。当然、この時期だけは賑わうが、その期間を外すと静かでひっそりとしたところなので、自転車乗りにはお勧めのヒルクライムスポットである。

半島のように突き出た頂上付近から眼下に阿蘇谷、その先に北外輪山、そして久住連山の眺めが素晴らしく、昔よく走ったラピュタの道を思い出すところだ。

森本さんのコースにはGOKISOの超高級ホイールでの試乗が多かったようだ。
気になるバイクにGOKISOを組み合わせたり、自分の自転車にGOKISOを組んでの本格的なヒルクライムは、濃厚な体験になったのではないだろうか。「雲の上のGOKISO」が「いつかはGOKISO」になった方もいらしたようだ。

続いてZacさんの旧街道コース。

ここは豊後街道の近くにある的石御茶屋跡。江戸時代、熊本城を出発した細川藩の参勤交代の一行が昼食を取るために休憩した屋敷跡と庭園がある。

ここには勝海舟が「底は山泉一面に流る」と記した美しい庭園が今も残されている。庭園には北外輪山から湧き水を引いた池があり、紅葉の時期には水面に赤や黄色の紅葉が写り、サイクリングの際にはトイレもあるし、美味しい水の補給と写真撮影によく訪れている。

豊後街道の宿場町・坂梨に鎮座する天神社の横に架かる天神橋。阿蘇谷に残された唯一のめがね橋(1847年竣工)で「天神めがね橋」とも呼ばれている。しかし、ここはあまり知られていないところで私は行ったことはなかったがよく見つけられたものだ。

二重の峠から1.6km、3m幅の石畳の道が続く降り口が公園なっている「参勤交代の石畳」。ここがZacさんのメインとなるところのようだ。江戸時代に肥後国と豊後国との間を結ぶ200年続いた参勤交代の道であり、庶民にとっては一生に一度は行きたい伊勢参りへの名残の道だった。途中にある的石御茶屋跡や、天神めがね橋という当時の歴史を記憶した豊後街道沿いの史跡を訪ねるコースは、まさに「CYCLE ARAOUND JAPAN」そのものである。

最後に私が案内するグラベルコース。その前に最近、世界的にトレンドとなっている「グラベル」とともに、日本でもじわじわとひろがり始めたグラベルロードを所有して思ったことについて紹介しよう。
グラベルロードはドロップハンドルなので見た目はオンロード用のロードバイクと変わらないが、グラベルを快適に走るための機能を持つため、私のグラベルロードとロードバイクと比べると2kg以上重くてタイヤは40Cもあり、全力で走ろうという気に慣れない。代わりにオンロードでもオフロードでも乗り心地の良さから、ゆっくりとサイクリングを楽しむバイクだと感じている。グラベルロードで阿蘇の大自然を楽しむ方法としては、走破力と長距離を走れる機能を活かして、今まで踏み入れたことのないところに行けることがグラベルロードの魅力だと思う。

砂利や舗装路された田んぼのあぜ道は、滅多に車が来ないので仲間と並走して走ることができる。車との遭遇がないリラックス感、これもグラベルライドの魅力だ。

豊後街道の入口に到着。かっては熊本城から豊後国鶴崎までの124kmの道が続いていたが、自転車で走れる三久保から当時のまま現存する豊後街道の3km区間のグラベルを走る。

砂利や泥、浮いた石がある上りや下りで試乗車で試すこと、それと森の中の車が通らないグラベルを走る楽しさは伝わっただろうか。

階段と水無川の担ぎ体験もグラベルライドならではだ。

戦後植林された杉により現在は風景が閉ざされているが、太陽光発電により伐採されたここだけが当時の豊後街道の眺めが再現されている。

シバザクラと阿蘇五岳を見ながら砂利道を快適に走る。

グラベルライドにふさわしい好奇心旺盛で大の冒険好きなウソップ像がゴール。
グラベルロードには、ワイドな35c~45cのタイヤ装着されているためパンクリスクが少なく、空気圧も下げられることから通勤や通学における道路の段差など危険個所にも安心だ。また、別のホイールに細めのタイヤを用意すれば、エンデュランスロードのようにオンロードを軽快に走ることも魅力のひとつになる。1台で2通りの遊びができるグラベルロードには、走る目的によってタイプがあるので、今回のように試乗したり、サイクルショップに相談して自分のライフスタイルに合ったグラベルライドに挑戦したらいかがだろう。

では試乗会に戻ろう。

参加ブランドは31社
DE ROSA / BOMA / ORBEA / MULLER / Birdy / CARRYME / REACH / MERIDA / YONEX / KHS / 毘沙バイク / GOKICO / !CYCLES / MAVIC / BESV / Manhattan / Corratec / FOCUS / tradizione / Tommasini / NOVATEC / Cakamita / CASATI / FUJIN RACING / Eroica JAPAN / DIZO / GIOO / MIYATA /  Panasonic / SCOTT / TREK店舗/

受付は初日がミユキさん、2日目はあづささんが担当、試乗には登録と身分証明書が必須だが、QRコードで事前登録もできるようになっていた。MERIDAのブースには延岡のミッチーこと三井さんが、
YONEXにはGINRINの外村君、Eroica JAPANには下関の水口さんDE ROSAには
keiさんが店舗のサポートに来られていた。

また、試乗会訪ねてサイクリングに来られる方もあり、大藪サイクルさんやGINRINチーム、正屋さんも来られ、2日目は阿蘇満喫ライドを開催し、午後から試乗会に参加する予定だったが、途中で雨になったので解散して試乗会へ参加するなど自由行動にした。熊本市内でサイクルショップをしていた山下君がワイズロード福岡天神店に転職して同僚を連れて来てくれて、鹿児島のPapicrossを主宰する牧瀬さんほか良くお見受けするみなさんは最後の撤収作業まで手伝っていただいた。会場は57号線から良く見えるところだったので、「何事か」と、知り合いの方も飛び入り来場されていた。

今回、目を引いたこのカラフルなバイクは、ミヤタサイクルが若者への新たなアプローチとしての取り組みを開始したもので、アーティスティックなデザインを手掛けるタトゥーアーティストのAruこと「arumajirooo」とコラボし、魅力的なデザインで若者や感性豊かな人々へスチールバイクの魅力を発信していく限定41台の完成車だ。

GOKISOのブースはいつも多くの方が来られ、お隣のYONEXとの組み合わせ、自分のバイクとの組み合わせ、そして小径車「birdy」との組み合わせにはみなさん感激されていた。

出展されなかったTREKは熊本市内の「しゃりんかん」さんが試乗車を提供されていた。

気になっていたMAVICのグラベルホイール「オールロードSL」を自分のバイクで試乗した。グラベルで試す時間はなかったがオンロードで試して間違いない性能だった。リムテープ不要で手頃な価格と軽さが魅力的なホイールだ。

KHSの2人で漕いで進む「タンデム自転車」。前職で欧州の夫婦の方がタンデム自転車で自転車旅をされていたのを何度か見掛けていた。

イギリスはオックスフォードからお越しのマーティンさんご夫妻。欧州ではこのような自転車旅は珍しくないそうだが、車に積めそうにないし、輪行もできず日本ではちょっと考えられないと当時は思っていたが、KHSには折り畳み式もあるので車で運べて便利だ。

2017年と2018年にジロに行った時にダンデムを何台も見かけたが、2018年のフィネストレ峠で見かけたバッテリー2個搭載のe-bikeのダンデム「Moustache」は珍しかった。いつまでも二人で同じ感動の体験をすることができるので、体力を補ってくれるe-bikeの存在は、これからのシニアの象徴のように思えた、とその当時の感想だ。

こちらも2018年のジロでトレーラーに子供乗せて引いてプラト・ネヴォーゾ峠を上るお母さんとか100年以上の自転車の歴史がある欧州ならではだと思った。ちなみにこの日の解説は宮澤崇史さんで映像にたまたま映ったこのお母さんにびっくりされていた。

ついでに2017年ステルヴィオ峠を上る料理道具満載のシェフ。今ならグラベルバイクでのキャンプツーリングスタイルみたいだ。このようないろんな用途の自転車が集まるサイクルフェスティバルも面白そう。

こちらはGOKICOのブースだが、航空機ジェットエンジンの軸受けを製造する近藤機械製作所がその構造から着想を得て、高性能自転車用ハブの開発に着手し、ブランド名を「GOKISO」として世に販売し人気のメーカーになっているのはご存知の通りだ。
その近藤機械製作所の社長さんがフジチカという会社を立ち上げ、チューブスレスタイヤのタイヤを外さない手軽なパンク修理に加えて、シーラント液がタイヤの中で動き続ける抵抗の解消、重量軽減、エア漏れやバルブ固着を解決する施工を発明され今回のブースで実演されていたが、写真を撮り忘れたのでこちらの写真ということになる。
施工はチューブレスタイヤに専用のシーラントを入れて馴染ませると、タイヤの内側に約16g程度のラテックスがコーティングされるので余計なシーラントを専用の工具で抜き取ることで施工の完成。この状態で走行中にパンクしたら、同社が開発した超精密な「TUBELESSCUE」と「ゴムパッチ」を用いることで、タイヤに空いてしまった穴を完全に塞ぐことができるというものだ。
そのブースには年配の女性がおられて熱心に説明されパンク修理の体験をさせてもらった。あとで年配の男性の方が戻られて、より詳しい説明と失敗しない施工上の注意をされたが、実はこのお2人は近藤機械製作所の社長さんと奥様だった。
施工まで少し手間が掛かるので自信がない方のために、この完全チューブレス化を学び習得しているマイスターの販売店に依頼できるということで、試乗会に参加されたGINRINが九州で始めての販売になり、しゃりんかん、山下君のワイズロード福岡天神もマイスター店になった。
一度チューブレスにしたけどパンク修理の不安からクリンチャーに戻した方も少なくないはず、しかしそこはRolls-Royce社サプライヤー認証企業であり、航空機ジェットエンジンの部品を製造し、GOKISOを誕生させた自転車乗りの近藤社長の執念で生み出したこの施工で考え方が変わるかも知れない。
タイヤがパンクしてもホイールから外すことなく体験でも3~5分もあれば修理が完了した。これは私にとって、ガイドとして案内する際に自分の自転車がパンクしてお客に迷惑をかけることを最小限に回避できるのでさっそく施工してもらうことにしている。一緒に体験した方にはネットでこの施工は知っていた人もいたが、現実に体験してみるとやはり大違いで、こういうイベントの醍醐味は、自分の知らない情報に出会えることだと痛感した。

ブースを回っていたら「もしかしてコルナゴ部長さん?」と声を掛けられて、「三浦恭資さんから預かり物があります」とキング三浦さんサポートのDT SWISSのTシャツを頂いた。そのブースはDT Swissやマキシス、TOPEAKを扱う総合代理店のマルイさん、あとで記憶をたどると、ユーチューブで出演されてプロフェッショナル解説で有名なあの安達琢也さんだった。 このような人との出会いや、各メーカーの担当者からの自社商品の熱意をもった詳しい説明を聞けることもこのようなイベントの魅力である。


メーカーのみなさんのメインとなる宿泊先は貸し切りの阿蘇の森だった。初日が終わった夜は、せっかく阿蘇に来られたのだから美味しいものを食べて頂きたいと、阿蘇の食材によるBBQの交流会が開かれ、牧野ガイドも参加して大いに盛り上がったようだ。

今年第2回大会となる「マイナビ ツール・ド・九州2024」は、10月11日~14日に大分県・熊本県・福岡県で開催され13日が熊本阿蘇ステージになる。UCI公認のサイクルロードレースであるツール・ド・九州は、九州の経済団体トップと各県知事で構成される九州地域戦略会議において、九州でのサイクルツーリズムの推進及び普及拡大に大きな期待が寄せられている。阿蘇くじゅう国立公園という素晴らしい環境の阿蘇で、世界中のサイクルスポーツ車が集まり、熟知した販売店スタッフによる説明付きで試乗できることや、あまり出会うことがない機材側の専門家から知る情報は、九州におけるサイクルツーリズムの推進及び普及拡大に大きく寄与するものであると思った。

道の駅は道路利用者へのサービスから始まり、現在は農業・観光・防災・文化などの地域の個性や魅力を発信する拠点としての役割に変化している。サイクルツーリズムの取り組みにおいても、道の駅を拠点とすることで、滞在型の観光需要を創出する新しい旅のスタイルが提案できるのではないかと道の駅阿蘇で自転車に関わる活動をしていて感じており、今回の大試乗会もその一環であることが参加された方々の表情から見て取ることができた。この感触を得て秋のMTB、E-MTB、グラベル試乗会を走行に適した産山村で、そして来年の「第2回 Demo day in阿蘇」の開催に向けて今回の経験をもとに関係者のみなさんと挑戦したいと思っている。

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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。

道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

HP:http://www.aso-denku.jp/

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