コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました。
今年度より始まった新たなライド「グラベルライド」のご紹介です★
初開催となった第1回目は、お天気にも恵まれ素敵な笑顔の花が一日中咲き誇っていました♪それではご覧ください
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道の駅阿蘇主催による阿蘇満喫ライドに加えて、舗装路だけでなくグラベル(砂利道=未舗装路)をコースにして、これまでにない阿蘇カルデラの大地をダイレクトに、そしてゆったりと楽しむために『阿蘇満喫グラベルライド』を4月14日に開催した。
グラベルライドには、オンロード(舗装路)・オフロード(未舗装路)のどちらでも快適に走行できる専用のグラベルロードという自転車がある。最も大きな特徴としてはワイドタイヤが装着できることと、安定した制動力を維持するディスクブレーキが採用されており、走行におけるポジションもオールマイティな快適性を追求しつつ、長距離走行と路面を選ばない安定性との両立を図るための設計になっている。阿蘇満喫グラベルライドでは、グラベルバイクやマウンテンバイクを推奨しており、ロードバイクでも参加は可能だがトラブル等は自己責任で対応してもらうことになる。
さて、2021年にグラベルレーサーの世界一を決めるUCIグラベル世界選手権の開催以降人気が高まり、UCIグラベルワールドシリーズは今年一気に大会数が増え、世界中で「グラベル」というワードがブレイクするなか、日本でもじわじわとグラベルライドの人気が広がり始めてきた・・・このような認識で1月から開催のため試走を繰り返してきたが、グラベル発祥の地である北米のようなグラべルフィールドが無いこともだが、国内ではグラベルレース開催の機運もなく、またグラベルイベントも稀なことから認知度はかなり低いのが現在の状況のようだった。
これについては4月6日・7日に開催された日本最大級のスポーツ自転車フェスティバル「サイクルモード東京2024」で、1995年から欧州で活躍されたプロロードレーサー三船雅彦さんが、アスリートワークショップのセミナーでグラベルをテーマに講師をされたところ、昨年の長距離走行やブルべがテーマの際には立ち見が出来るほどだったものの、今年はガラガラだったとブログに以下のように書かれていた。
「グラベルはまだまだ日本では浸透していないから実際バイクを購入しても遊びきれていないのではと感じており、ちょっと時代を数歩先に行っちゃた感はいなめませんでした。」また、サイクルモード東京では出展されているグラベルバイクも少ないとポッドキャストで話され、メーカーも国内ではまだトレンドになっていないと読んでいるようだと言われていた。
そのようなことから参加者はあるのかと思っていたが、福岡から2名、大分から1名、熊本から4名の方が来られ、下城さん、井上君、ミユキさん、それに私のいつもの4人で7名の方を案内した。
道の駅阿蘇の集合場所でみなさんに会うと、どんなバイクで来られたのか大いに話が盛り上がったのでグラベルバイクで来られた方の機材を紹介しよう。
福岡の高巣さんは今回に備えてグラベルバイクを購入されていた。
リドレー カンゾ アドベンチャー
タイヤ:700×38c
大分の浜田さんは最近乗るのはこればかりと話されバイクは、スパークルおおいたレーシングチームのチーフメカニック吉田柊哉店長の「COLORS BIKE」で購入された軽量なマグネシュムフレームのグラベルバイクだ
VAAST BIKES A/1
タイヤ:650b×48c TLR 空気圧2.0~2.1
グラベルジャージがお似合いの城音寺さん。グラベルライドではロード用のパツパツのジャージより、こんなゆったりした感じのサイクルウェアがお洒落だ。
キャノンデール スレイト レフティー オリバー
タイヤ:650b×45c
こちらもグラベルジャージがいい感じのガイドの井上君
キャニオン グレイル
タイヤ:700×35c TLR 空気圧2.5~3.0
私の場合はそもそも欲しくてたまらなくなって「念願の愛車を手に入れた!」のではなく、今年になって今回のグラベルライドを開催すると決まり、コースを作るために最初は自分のマウンテンバイクで田んぼのあぜ道や砂利道を探して走っていると、段々と楽しくなって回を重ねる度に深みにハマって購入することにした。
コルナゴG3-X
タイヤ:700×40c 完成車のまま乗っているのでクリンチャー 空気圧3.0
ガイドのミユキさんはジャイアントのグラベルバイクでタイヤは650b×35c、あとの方はシクロクロスタイプのTREKのクロスリップでタイヤは700×30c、ジャイアントのシクロクロスバイク、MTB,30cタイヤのスペシャライズドのe-bike、下城さんはチタンフレームのロードバイクにドロッパーシートを後付け、タイヤはフレーム最大幅の前25c、後28c、修理工具一式と転倒に備えて肘と膝のパットも装着されている。このようにグラベルバイクやMTBだけでなく、自分のバイクを工夫して参加されても大歓迎だ。
第1回阿蘇満喫グラベルライドは、根子岳の麓から阿蘇谷の北側に行き、内牧から豊後街道を通り、ニベ塚を経由して帰って来る距離52km、獲得標高600mのコースにした。
それでは初グラベルライドのスタート。
まずは挨拶代わりに踊山神社の20mの上りグラベルから舗装路を繋いで田んぼのあぜ道へ。一見穏やかな田んぼ道の感じだが、見通しが良くなく、草に隠れた段差がある泥道なのでコース取りが必要。
あぜ道は水無川へ続いている。ここの砂場は柔らかく通常のグラベルバイクの空気圧では無理。
でもグラベルコースのいい感じのアクセントになるポイントだ。
次は林間コースの日ノ尾峠へ。
上りになるがロードバイクのように頑張らず話しながらのサイクリング。
日ノ尾峠の中腹にある高岳の絶景ポイントに到着
最初の記念写真、天気が素晴らしい。
しばらく走ると、
峠道から黒川の源流付近の水無川を担いで横断する。
グラベルライドにはいいアクセントだ。
e-MTBの方が歩きに向いていないSPD-SLだったが、グラベルライドにはこのような箇所もあるのでクリートがシューズから出っ張らないSPDが必須。
またこういう難所では女性の方はみんなでサポートするので安心の程。
さあ、今から森の中へ分け入る。
ほとんど車が通らない下りの林間コース。気持ちいいが枝や石が転がっているので要注意。
爽やかな風が抜け小鳥の鳴き声が森に響き渡る。この先の道は土砂で埋まって遠巻きがあるかも知れない。ロードバイクなら諦めて引き返すところ、歩けるように設計されたグラベルシューズと幅広いタイヤの自転車の組み合わせなら担いで通り抜ける(ハイク・ア・バイクセクション)ことができるし、かなり荒れた道の走行も可能だ。いつでもこの気持ちの余裕があると非日常の世界を濃厚に楽しむことができる。「難所よ、どんと来い、ストレス、ウェルカム!
林間コースの立ち寄りスポット日ノ尾村跡の天狗神社へ到着。
この村は大正8年(1919)に書かれた登山家 北尾鐐之助の「根子岳―雨の火の尾峠」に当時の様子が書かれている。日ノ尾峠の真下に17戸程の火尾村(日ノ尾村)があり、噴火のヨナ(降灰)にも負けず火山灰の土を耕し、少しばかりのトウモロコシやサツマイモなどを作っている寒村であったと当時の様子が記されていた。そこでガイドメンバーと2020年に訪ねたレポートがあるので詳しくはこちらをどうぞ。
コルナゴ部長の阿蘇天空の旅
では行ってみよう。
小さな祠の中の天狗様
高さ約40cm・幅14cmの石佛は天狗殿(でん)と呼ばれ、根子岳、高岳の神々・天狗様をここから拝んだ所だったという。
天狗神社から一旦265号に出て、浄土寺牧公園から豊後街道十三里跡を通り田んぼのあぜ道に入った。
車との遭遇がないサイクリングとは、こんなに気持ちがいいものだろうか。
その気持ちがずっと続いて笑顔で話が弾む。
パンクが1回だけあった。
スペシャライズドのe-bike、タイヤは30c。
あとでフェイスブックに38cが推奨と今回の感想を書かれていた。このバイクは42cまで大丈夫らしい。
ゆっくり、のんびりもいいが、たまにはグラベルを全開で走るのも刺激になる。これはスリルがあって実に面白い。
昼食は内牧のBakery Genkiへ。
阿蘇に来たらコギダスの看板とサイクルラックがある店はサイクリストウェルカムの証だ。
イートインスペースも充実
昼食の後は内牧のMTBパークで遊んでみたが、所詮サスペンションがないグラベルバイクはロードバイクと同じで、このようなコースには向いていない。
次は今回のメインとなる豊後街道へ。
ここは登山客が多いので注意が必要。上りなのでゆっくりとしたスピードになるものの、登山客には声掛けしながら、もしくは自転車から降りてすれ違うことも大切。少し先に石畳が再現されている箇所があるが、そこは自転車を降りて通過しなくてはならない。
登山口の階段を過ぎたら見通しがいい下りになる。石が浮いた箇所もあるので前後少し離れて走ろう。
太陽光発電のパネルが並んでいるところが唯一開けた箇所になる。豊後街道は戦後植林された杉に覆われてここ以外景観が望めるところはないが、参勤交代では阿蘇五岳が眺めながら歩いていたことだろう。
階段区間はグラベルバイクでは厳しいので押して降りる。
水無川の担ぎ区間、これもいいアクセントだ。
豊後街道のあとはカフェに寄って帰ろうと思っていたが、予定していたところが満席だったので、道の駅阿蘇の近くの喫茶店で談笑しながら今回の概ね満足したという感想を話しながら第1回のグラベルライドを終了した。このような息抜きはロードで走る時と違い大切にしたいと思っている。
グラベルライドのコースは、オフロードといっても「道」であり、マウンテンバイクの山の中を走る走破性と快適性までは必要なく、マウンテンで参加された方は物足らなかったようだった。代わりにオフロードに行くまでオンロード(舗装路)を走るためロードバイクのスピード感と軽快性が必要になってくる。そのため私は当初、自分のマウンテンバイクで今回のグラベルライドを走ろうと思っていたが、前述したとおり試走を重ねるうちにその両方の特徴を持つオールラウンドなグラベルロードが今後の自分には必要と思い買った。その感想はこうだ。
田んぼのあぜ道は話しながらのんびりと、砂利の上り坂では軽いギヤで頑張って、そしてグラベルライドの最大の魅力であるダウンヒル、未舗装路の下りでは、浮いた石、木の枝、段差、水たまり、泥など次々と変化する路面を一瞬で判断するコース取り、これはスリルがあるし、集中してうまく回避できたときは、脳内ホルモンが分泌するのだろう、得も言われぬ快感に浸ることができた。これは阿蘇を走るためにロードバイクを始めて17年になるが、初めて走る道による初めての体験になった。
グラベルバイクに乗って考えていたのは知らない脇道があると行きたくなることだ。何度も入って途中から細い砂利道になっても動じず進んでいくと、思わぬところに出てパズルを解いた時のような嬉しさ、それは子供の頃の探検気分と同じだ。ロードバイクだとそうはいかない。グラベルバイクは走る場所を選ばず、ゆったりと走りたくなるオールラウンドなスポーツバイクであることがこの日まで400km走った私の感想である。
最後に今回一緒に走った高巣さん、浜田さん、井上君が口を揃えて話されるグラベルバイクの感想は、「こんなに楽で、気持ち良く、安全に走れるバイクはない」ということだった。それにロードバイクに比べて速さや、軽さを追求するものではないので、価格も比較的安いことも今の時代に合っているように感じた。第2回阿蘇満喫グラベルライドは5月12日(日)に開催する。コースは阿蘇から小国方面を予定し、距離約60km、獲得標高940mを想定している。
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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook、道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。
道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)
TEL:0967-35-5077
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