コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「REBOUND ASO GRAVEL RIDE」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポート「REBOUND ASO GRAVEL RIDE」が届きました。
阿蘇の路は魅力的なところが多く、グラベルライドのためのコースの組み合わせもたくさん考えられたライドだったようです
それでは、ご覧ください

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アメリカ・カンザス州を舞台にグラベルレースの最高峰イベント、「UNBOUND GRAVE ( アンバウンド・グラベル ) 」が6月1日に開催され、その日に合わせて世界中のグラベルライダーがいつものライドとは異なるグラベルルートを開拓しながら、規定の距離を好きな場所から始める「REBOUND’24 ( リバウンド’24 ) 」をシマノが協賛して日本でも身近なグラベルライドイベントになった。そこで福岡のスポーツバイク専門店「正屋」の岩崎正史さんが 「REBOUND ASO GRAVEL RIDE ( リバウンド阿蘇グラベルライド ) 」として同日に開催されたので取材してきた。
また、シマノのグラベルバイク用コンポーネント「GRX」が、2023年に登場した機械式12速から1年を経て待望のDi2モデルが仲間入りしたので、自転車専門誌「Cycle Sports」のインプレッション取材も合わせて行われた。
photo by koichi hirowatari

今回の写真は参加された福岡市の広渡浩一さんの撮影と、ライドの取材も兼ねたCycle Sports誌のフォトグラファー丹野篤史さんの写真を提供していただいた。いずれもプロによる撮影なのでいつもの阿蘇の景色が一味違ってとても新鮮な写真になっている。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・Photography@e_climber2丹野篤史

ライド中、私は最後尾を走ることにした。理由はMTB経験が豊富で、グラベルライドも長く走られている岩崎さんが私たちがいつも使う道をどのように案内されるのか、それに対する参加者の反応と遅れて走る人のサポートも知りたいというグラベルガイドの仕方を学ぶことだった。
それと今年の4月から阿蘇満喫グラベルライドを開催するようになり、年明け早々からいつもロードで案内しているメンバーで試走を繰り返した。そのようなグラベル経験が浅い私たちが4月と5月にグラベルライドを開催してロードでもよく来られる方を案内したが、今回はグラベル経験が豊富な参加者も多いとみて阿蘇のグラベルに対するリアルな感想も知りたかった。

岩崎さんの挨拶のあと、Cycle Sports誌からインプレッション取材の協力と、それぞれ自己紹介があったが、ちょっと緊張気味。
photo by koichi hirowatari

道の駅阿蘇をスタートしてすぐの田んぼ道に入ると、岩崎さんが水たまりやぬかるみを見つけるや否や、雨の日に子供が水たまりをバシャバシャ行くように、いきなり水しぶきを上げながら突っ込まれた。当然、岩崎さんの自転車もウェアも泥だらけになって一気に場が和んだ。
岩崎さんに続いて乗りのいい人が水たまりに突撃された。みんな大笑いと、遠慮する必要のない大きな歓声が田んぼ中に響いた。おとなしい大人たちがヤンチャな子供に一瞬にして変身すると参加者それぞれの壁が消えた。
岩崎さんは止まらない。
次に水たまりがあると、正屋恒例なのか常連の女性の進路を閉ざして、ぬかるんだ水たまりに誘導すると、「キャーッ」という泣き笑いの絶叫とともに自転車は水たまりへ!
当然ながら盛り上がり、スタートして10分で「チーム」になった。
photo by koichi hirowatari

大観峰グラベルでも同じことが続いた。
みんなが「ワーワー」言いながら水たまりを抜けると、サイスポの方がお代わりに挑戦、森の中で大笑いが止まらなかった。これで参加者の気持ちは、「どんな取材も協力しますよ!」、Cafe du Cyclisteのグラベルジャージが泥だらけになったチャレンジャー記者への返事になった。
photo by koichi hirowatari

もちろん岩崎さんもお代わりされた。
子供になって思い切り遊ぶ。これもグラベルライドの魅力に違いない。みなさんにとって貴重な休日を非日常的体験でとことん満喫するひとつの方法なのだろう。しかし、私にとって阿蘇のグラベルライドは日常なので、ライド後の自転車の洗車や注油、泥汚れしたジャージの洗濯は考えられなくて、水たまりや泥区間は避けて、避けてクリアした。私たちが案内する「阿蘇サイクリング」の文字の前には、「どこまでも、徹底的」という「とことん満喫」があるが、他のメンバーも泥だらけにはなりたくないだろうから切り口として学ぶことにした。

 

 

photo by koichi hirowatari

岩崎さんは先頭や後方を移動しながら参加者の様子を見て、休憩ポイントや上りなると遅れた方と一緒に走られていた。後ろから前に行くとき、狭いなかを人の間をぬって走られるテクニックは相当なもの。「横を通るよ」と言われた瞬間、ペダルを踏むのが緩むわけだが、そのスピードが落ちて身構えたところをサクッと抜いて行かれる手際の良さはさすがだ。
photo by koichi hirowatari

あと、女性を楽しませるのがうまい。
photo by koichi hirowatari

女性が楽しそうだと全体の雰囲気も明るくなる。
とても大切なこととして憶えておこう。

大観峰を含めた北外輪山の麓は植林されたスギやヒノキに覆われている。その中の林道はほとんど景色が閉ざされているが、伐採の樹齢になったのか、3月に通ったときの大観峰グラベルでは重機が入って伐採した原木が林道脇に並んでいた。ここもその現場かも知れないが、光が入って風も通り休憩するには絶好のポイントでいいところを押さえられていた。参加者がひと息入れる間にこれも予定通りだろう、GRX Di2の撮影が始まった。
休憩しているとグラベルに入る前にタイヤのエアーを下げ過ぎたのか携帯用の電動空気入れで補填されている方がいた。尋ねると充電式で25cタイヤ2本分(0~80PSI)、0~60 PSIなら4本分使えて25分で充電可能、価格は10,000円程度。これは買いかも知れない。
林道は薄暗いところが多いので、視力の弱い人や、暗いと見えにくくなる人は、レンズの色が濃いアイウェアだと段差や浮いた石など路面状況を瞬時に見極めるのに支障が出るので、晴れててもグラベルライドでは調光レンズのアイウェアがお勧めだと思う。
私は鯖江から誕生した鼻パッドを無くして、サイドパッドによるホールドで鼻への圧迫感を排除し、グラベルの連続する段差でも汗で滑り落ちることがないエアフライの調光レンズタイプを使っている。鼻でかけないため前後の装着具合を自在に決められるのでまつ毛がレンズに当たることもなく、長時間装着してもストレスにならない。ロードバイクで走る時も曇りのときや、早朝からのスタート、暗くなるまで走る可能性があるときはエアフライの調光レンズが出番となる。

阿蘇谷から上って下った大観峰グラベルはみなさん感激の様子だった。今までは途中までを下りのコースにして、その先は植林伐採の車両があったり、厳しい上りと下りもあって躊躇していたが、今回休憩を入れながら走ってみると、ある程度の女性の方だったら問題なく走れることが判ったので、第3回開催のグラベルライドのコースにしようと思っている。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

深緑の木々の隙間から差し込む光と、かっこうの鳴き声の効果音はしっとり感に浸れる。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

4km以上続く大観峰グラベル最高だった。
厳しい大汗の上りもあったが終わってみると変化に富んだいいコースを決めるポイントになっていた。アンバウンド・グラベル200マイルには、半分あたりにある勝負どころの坂を”Little Egypt” といい、100マイルには”The JUDGE”(審判)と呼ばれている激坂があるそうだが、いいネーミングはその価値を高めるので阿蘇でもちょっと考えよう。
(Little Egypt:リトル・エジプトは有名なベリーダンサーのことらしくて、マーク・トウェインがそののダンスを見て心臓発作を起こしたという伝説が名の由来なのか=心臓発作の激坂)
大観峰グラベルを下って麓に降りたら、「進まない」と女性の方が声を掛けて止まった。

リムブレーキなのでタイヤクリアランスが少なく泥が詰まってロックしていた。これがなかなかとれない。アンバウンド・グラベル版「ピーナッツバター状の泥」ということだろうか。
photo: Life Time

昨年のアンバウンド・グラベルでは、ピーナッツバター状の泥区間が13kmも続き困難を極め、リタイヤ率が高すぎたため今年の大会では泥区間が意図的に避けられたとも言われていたという。
(自転車情報サイト・シクロワイヤードより)

しかし、2022年ミラノ〜サンレモでドロッパーシートポスト装備し、衝撃的なダウンヒルテクニックで独走勝利を飾ったバーレーン・ヴィクトリアスのマテイ・モホリッチが、アンバウンド・グラベル初出場のため前日試走して泥だけの写真がInstagramに投稿されていた。

バイクにこびり着いた重い泥をスキー板のような木材で掻き落とす様子もアップされ、「ピーナッツバター泥地獄」の再来を予感させたという。大観峰グラベルも雨天後は泥区間が多く、リムブレーキ使用のバイクにとっては要注意ということだろう。
2022年のアンバウンド・グラベル200マイルクラスに挑戦した山本和弘(キャノンデール・ジャパン)さんの体験レポートに、「受付時に配られた謎のスティックは、タイヤに詰まった泥を掻き出す必需品だった!」と書かれ、タイヤクリアランスのない場合はこのような物もグラベルライドの備品として必要かも知れない。
photo by koichi hirowatari

グラベルのあとの舗装路はスーッと抵抗なく進んで最高に気持ちいい。それから田んぼ道を繋いで内牧経由の豊後街道へ。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

コンビニで休憩の後は豊後街道入口に到着、走る前に少し歴史の勉強をするのが定番。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

薄暗い林の上りから、田子山・そらふねの桟橋への登山口を過ぎると、少し荒れたグラベルのダウンヒルはパンチがあって大観峰以来の目覚ましになる。。

石畳区間は史跡にて押し歩きがルール。

石畳みの先には階段区間があって、そこは押して下り、水無川の段差は担ぎとなる。乗って走るばかりではなく、こういったアクセントもいいと思う。
photo by koichi hirowatari

そのあとは木漏れ日の中を走る気持ちのいいグラベルが続く。
photo by koichi hirowatari
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

杉木立から竹林になる木漏れ日のフカフカしたグラベルは、喩えるなら高級絨毯を敷き詰めたような快適な乗り心地だ。

photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

豊後街道が終わると狩尾川沿いの田んぼ道になる。
photo by koichi hirowatari

眺めのいいところでGRX Di2の撮影が始まった。
photo by koichi hirowatari

インプレッションライダーは岩崎さん、グラベル専用コンポということで今まで走ってきた泥だらけの状態で撮影されていた。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史
photo by koichi hirowatari

最後は阿蘇グラベルライドの定番の阿蘇谷にちょこんと飛び出した火山の名残のニベ塚へ向かった。
photo by koichi hirowatari

ニベ塚も牧野なので牧野ガイドの案内と牧野保全料が必要になるが、上らないで麓の田んぼの道は走行可能。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

草原景観も阿蘇グラベルライドの魅力
岩崎さんも牧野ガイドなので牧野保全料を払うことで、このままニベ塚に上ることは可能だったが撮影が残っていたのでアフターパーティのあとになった。
photo by koichi hirowatari

13時ゴール、「リバウンド’24」 終了、ゴールはゲストハウス阿蘇の森。
4時間ほどのグラベルライドあとはアフターパーティ。これもリバウンド’24に必須という点もアメリカ的で面白い。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

ゴールの時間に合わせてBBQの用意がされ、そのまんま乾杯!
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

阿蘇の自転車乗りである軽木フーズの一人前ずつパックに盛り合わせたBBQ。
これだと好きな部位を、好きな時に、気兼ねも遠慮もなく、マイペースで焼いて食べることができるので自転車乗りが集まるときは定番にしている。盛り合わせには、あか牛もあれば馬肉もある。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

本業がトウモロコシ農家のゲストハウス阿蘇の森さんから、生でも食べられる極上スィートコーンを提供いただき、あまりにも美味しくてその場で購入される方も多かった。今の時期の阿蘇の土産にはこれが一番のおすすめだ。15時に解散となった。参加者はほとんど福岡の方なので、こういう日程だと終わったあとに、道の駅阿蘇のサイクリスト特典である夢の湯割引券を利用して、温泉でサッパリすれば気持ち良く疲れも残さずに帰られるだろう。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

解散したあと岩崎さんとCycle Sportsさんは撮影にニベ塚に上られた。
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史
photo byサイクルスポーツ@cyclesports_official ・ Photography@e_climber2丹野篤史

GRX 12速Di2のインプレションが阿蘇で行われたのは光栄なことだ。今後もこのような要望があれば絶好の撮影スポットへ案内したいものだ。
photo by koichi hirowatari

こちらはライドの途中で写真を撮る参加者。
グラベルライドを始めて半年になり、阿蘇五岳を背景に砂利道の愛車も素敵だと思うようになった。未舗装路の走行感を楽しむ魅力も最近分かってきたし、アメリカ発祥のグラベルライドには、レース以外だったらパツパツのジャージより、ラフなアメリカ的ウェアもいいなあと思うようになってきた。ロードバイクで走る時は車の少ない道を選んでいたが、グラベルライドはそのストレスから完璧に解放されて聖地が聖域、サイクリストのサンクチュアリーといえるものだった。
グラベルレースの最高峰「UNBOUND GRAVEL」をリスペクトした「REBOUND ASO GRAVEL RIDE」は、試走ともいうべき35kmだったが、阿蘇谷に碁盤の目のように広がる田んぼ道や、大観峰グラベルにはパヴェを彷彿する絶叫ダウンヒル、水たまりやピーナッツバター泥地獄もあり、歴史の道・豊後街道には押し歩きに階段に担ぎ区間、それにヴェルヴェットの絨毯のようなところも全部魅力的のようだった。そんな阿蘇グラベルライドを初めて体験した参加者の笑顔は、これから特別なイベントになっていく予感がした。

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道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。

道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL:0967-35-5077

HPhttp://www.aso-denku.jp/

阿蘇市内の地図はコチラから

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