コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「7月の阿蘇満喫グラベルライドと2つの林道を走る編」

コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「7月の阿蘇満喫グラベルライドと2つの林道を走る編」が届きました。
七夕の日に開催したグラベルライド。
織姫と彦星の力が働いたのでしょうか(*´▽`*)
梅雨の季節でしたが予定通りに開催することができました☆彡
ご覧ください(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 

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梅雨の晴れ間に恵まれて7月7日は3回目の阿蘇満喫グラベルライドを開催した。
今回は4名の方のグラベルバイクのシェイクダウンもあって、阿蘇のグラベルライドも少しずつ盛り上がりを感じるようになってきた。今年の第111回ツール・ド・フランスは、開催当初を振り返るべく土への回帰が始まったのか、前半の山場となるステージにグラベルコースが取り入れられた。いよいよ世界最大の自転車レースも白い砂埃の中へ飛び込んでいく時代になったようだ。
さて、この日以降は思い出したように降りやまない雨が続き14日のツール・ド・九州応援ライドは多くの参加者があったがやむなく中止した。翌日にメンバーと打ち合わせて、アテンドは1名減って3名になるが28日に延期開催することにしたので時間がある方は一緒にいかがだろう。
といいながらまた雨かも知れない。貴重な休日に阿蘇を走りにきた自転車乗りは雨の日に何をするのか、残念ながら阿蘇には何もない。何もないというのは、1週間の疲れをリカバリーできるような対案をいつも考えているが阿蘇では思い浮かばない。そこで阿蘇から熊本市内に移動して雨の日のサイクリストのための私の提案を紹介してみよう。
まず、そのためには事前に今年1月に出版されたこの本を読んでいただきたい。内容を話すと長くなるので村上春樹さんの推薦文(帯裏)がすべてを語っている。
『「熊本かわりばん」』を読んでいると、「ひさしぶりにまた熊本に行きたいな」という気持ちにじわじわとなってきます。吉本さんの個人的ガイドで巡る熊本の街は、ことのほか素敵なところです。それから田尻さんの「橙書店」の白玉くんは元気にしているかなあ。』
村上春樹
「熊本かわりばん」は、18歳で上京、64歳で帰郷したスタイリスト吉本由美さんの他界した親から譲りうけた実家で綴る熊本と、祖父母が暮らしたエリアに住まいを移したセレクト書店を営む田尻久子さんの毎日散歩しているような日常、そんな猫が大好きなふたりが熊本市内での暮らしの手ざわりを「かわりばんこ」に綴ったエッセイだ。
吉本由美さんと村上春樹さんはカルチャー体験隊「東京するめクラブ」で活動され、村上さんは田尻久子さんの白玉くん(猫)の魅力に惹かれて、田尻さんの橙書店で朗読会やトーク会をされたり、紀行文集「ラオスにいったいなにがあるというんですか」の梅雨真っ盛りの熊本旅では吉本さんがガイドされ白玉くんも登場している。
ということで雨の日は傘を差して橙書店と白玉くんを訪ねたり、近くにあるお二人もひいきにされている単独映画館「Denkikan」もおすすめだし、長崎次郎書店は6月で休業したのが残念だが、この本に登場するところを散策や市電で遊歩すると、自転車乗りには影響がない心の体重だけ増えて来週また頑張れるのではないか。
最後におふたりより
「東京を去るとき、人・こと・もの、とのたくさんの別れがあった。そして今、新しいところで、人、こと、もの、とのいろいろな出会いを経験して、これが人生さ、長生きさ、と笑っている。それらを綴ったこの本が、手にしてくれた方々の日々のちょっとした安らぎ、励み、楽しみの発見に役立ってくれたらいいなと願う・・吉本由美(まえがきより)」
「吉本さんと私の、ささやかで少々愚痴っぽい日常を綴った本著が、読んでくださる方々の日々の解像度を上げるお役に立てればよいなと思う。よく見れば、小さな楽しみや喜びは意外なところに転がっている場合もあるから。・・田尻久子(あとがきより)」
では、晴れの日の阿蘇満喫グラベルライド。
今回は6名の方が参加され、そのうち4名の方がグラベルバイクを買われて来られていたのでそれぞれのバイクを紹介しよう。
ハマダさんは3年待ってようやく納車されたFuji FEATHER CX+
タイヤ 35C
空気圧 3.0bar
ヨシタマさんの2台目のとなったグラベルバイクは、キャニオン・グリズル、RockShox Rudy 30mmのフロントサスペンションで荒れたグラベルも快適走行が可能。
タイヤ 42C
空気圧 2.0bar
私と同じ歳くらいのオガタさんは、若い頃に乗っていたバイクをイメージしたレトロ感あるパナソニック グランドキャニオン。ホイールは小さく26インチに50Cのタイヤ、空気圧は2.0bar、舗装路でかなり飛ばした時でもこのバイクで私の後ろにピッタリと付いておられた。GINRINのお父さんが店長の頃、練習されていたというから今のイエロージャージレベルだったのだろう。
イリサさんはトレック・チェックポイント
タイヤ40C
よしたまさんだけ2台目なのでホイールは前車より移植したマビックのオールロードで、前回参加された高巣さんはサドルだけ交換という風に、グラベルバイクを買った方は、ロードバイクと違いほとんど完成車のまま乗られている。ロードと混在して走る場合は別だが、グラベルロードだけで走る場合はほとんどポテンシャルが同じなので、あえて軽量ホイールにしないと遅れをとる、なんてことは一切なく経済的であると思う。

阿蘇ペディアより転載
コース紹介の前に阿蘇谷からミルクロードに上るよく使っている道を小嵐山の道や木落ロードと言っていたが、阿蘇市の図書館で調べていたら木落坂本道とあったので以後は「木落坂」と呼ぶことにする。ちなみに木落坂から分岐する片隅坂は、ローカルゲインの森本さん(マウンテン&トレイルランニング世界選手権2023出場・10月に韓国で開催されるアジア太平洋選手権大会の日本代表)に案内してもらった道で、森本さんたちの呼びかけで地元高校生と一緒にトレランのコースとして整備されていたら、石畳みや石積が多く出てきて牧草を運ぶ道として大切に整備されていた当時の様子が再現された。
自然と文化阿蘇選書シリーズ 阿蘇に見た日本より転載
昭和40年代の手野地区の写真と説明書きがあったので撮影は片隅坂麓周辺かも知れない。外輪山で刈った牧草をこのように6束も牛に積んで片隅坂を下りていたのだろう。

コースは田んぼ道を繋いで木落坂を上りミルクロードへ、扇谷展望所、菊池阿蘇スカイラインから清水谷橋、かぶと岩林道(九州自然歩道と呼んでいたが現地の標識には「かぶと岩林道」となっているので以後その名称にする)、かぶと岩展望所で休憩、ミクルロードから212号、途中から大観峰林道、田んぼ道でゴールする距離66km・獲得標高974mになる。ひとつ問題があって、コース上に昼頃に食事をするところがないためブリーフィングのあと道の駅阿蘇でおにぎり等買ってもらうことにした。グラベルバイクは、みなさん好きなところにバッグを装着されているのでこのような時は便利だし、携帯食だけでなく好みの嗜好品を持参できるのもグラベルライドの楽しみだ。
話しながら走る田んぼ道で軽快なウォーミングアップのあと、6km上る木落坂の朝一の汗は健康のしずくになる。体内に蓄積した毒素を含んだ煮詰まったような汗がフレームに滴り落ち、中腹まで来ると爽やかな汗に変わる。その間、ボトルの水で補給を続け、暑い日はボトルが空になる頃に塩分サプリで補給する。これが私の夏の定番妄想。
それぞれのスピードでフリーに上って展望スポットに集合。ここは頂上付近だけ陽が射すので夏の上り道に最適、それに吹き抜ける風が気持ち良く、汗で濡れたジャージもみるみる乾いていく。

頂上の先から下り基調の気持ちのいい草原の道になるが、道は少し荒れていたり、タイヤを取られそうなゆるい砂利もあるので細目のタイヤの人は注意が必要。
草原(牧野)で川みたいなところは見当たらない。どんなに大雨が振っても全部地下に浸透するのだろう。その広大な面積に降った雨が九州の一級河川、大分の大野川、宮崎の五ヶ瀬川、福岡の筑後川、熊本の菊池川、白川、緑川の源流になり各地域を潤している。草原は地中に水をたくわえたり、地表の土砂が流れ出るのを防ぐ大切な役割を果たしている。草原の中を走ると、むき出しの土はなく、一面に青々と成長したカヤがそのことを物語っているようだ。
ミルクロードに出たら扇谷展望所へ、谷底を縫うような道が通称蛇の道とその先に大観峰、南側には阿蘇五岳が眺められる。ここは雨天以外の土日には、土地所有者となる麓の集落の方の管理を兼ねたキッチンカーが軽食を販売されている。

ここでおにぎり等で補給してミルクロードで7.8km行くと北山展望所、そこから菊池阿蘇スカイラインの4.3kmの木漏れ日のダウンヒルを楽しんで九州自然歩道清水谷橋入口へ。
菊池阿蘇スカイラインから入るとすぐに清水谷橋の三叉路に着く。以前にも書いたように菊池渓谷方面は散策する人が多いので、清水谷橋を渡りかぶと岩方面がコースになる。
広葉樹の原生林の新緑、野鳥の鳴き声、涼しく車止めの林道、そんな最高のグラベルライドのコースになるが、散策の方がいること、片側は谷であること、浮いた石があること、それに豪雨による荒れた路面に注意してスタートした。

以前紹介したように菊池阿蘇スカイラインが開通する昭和48年(1973)までは、清水谷橋から阿蘇方面への道はなく、かぶと岩展望所まではこの道が生活道として使われており、かぶと岩展望所から麓の西小園までは崖をつたうような坂道だったという。
そのため最初は古い舗装路や錆びたガードレール、固く締まった砂利道だが林道が分岐するところから道は荒れてくる。
なので押し歩きする箇所が多くなる。


両側から木の枝や笹がせり出してきているところもあるので腕は露出しないがおすすめ。



倒木区間もいいアクセントになって楽しいものだ。

自転車から降りたところの写真ばかりになるが、走りながらの撮影は無理だし危険すぎる。走行シーンはバイクや身体に固定したカメラが必須となる。
森を抜けると草原景観になりかぶと岩展望所に到着。そこで持参したおにぎりやパンで食事した。今回は菊池阿蘇スカイラインの舗装路から、かぶと岩林道に入って走る4.6km、155mアップの緩やかな上りをコースにしたが、かなり荒れているのでグラベルバイクでは下る逆コースは危険すぎる。道が整備されることはあり得ないのでグラべルライドでは今回のコースが必須となるだろう。
かぶと岩展望所からミルクロードを走り、212号で阿蘇谷方面に降り、2か所目の展望所になる山田展望所で一旦集まってこの先にある大観峰林道に入った。
212号から山田地区の小西製材所までの大観峰グラベルは7.5kmで150m下る。この日、走り始めてすぐに参加者のひとりが落車され5針縫う怪我をされた。ヘルメットを見たら割れていた。ヘルメットは割れることで衝撃を和らげている。この方もヘルメットが頭部も守ったことで後遺症もなく不幸中の幸いだったと思った。
ロードレースの元プロ選手で現在はレース解説で有名な全日本実業団自転車競技連盟副理事長・日本自転車普及協会常勤理事の栗村修さんの「輪生相談」のなかに自転車の危険度について書かれているので紹介しよう。
「10年以上前のデータになりますが、文部科学省の報告書によると、中学校・高等学校の部活動での死亡・重度障害事故の発生頻度は自転車が10万人あたり29.29件です。残念ですが、この数字は2位のボクシングに倍近い差をつけていて、突出してトップです(「学校における体育活動中の事故防止について」平成24年)。よく危険性が話題になる柔道も4位ですが、10万人あたりの件数は5件を下回っています。自転車競技はその6倍も事故リスクがあるわけですから、どれほど危ないかがわかります。悲しいことですが、この競技はきわめて危険なスポーツであると言わざるをえません。」
現在、ロードバイクに乗る上での積極的な安全装置は、事故死の6割を占める頭部損傷を守る「ヘルメット」だけになる。ヘルメットは丈夫そうだし、頭を打つなどの強い衝撃を与えなければずっと使えそうな気もするが寿命がある。 製品安全協会と日本安全帽工業会では、ヘルメットの耐久性を考慮し、有効期間を『購入後3年間』と定めている。
自転車事故のうち死亡事故や後遺症が残る事故のほとんどは脳へのダメージが原因と言われている。そのような背景から、転倒による回転衝撃を軽減させる『MIPSレイヤー』
搭載ヘルメットが注目されている。万が一の事故を防ぐヘルメット。万が一の時に大事にならないための最後の一手として、MIPSヘルメットという選択肢も覚えていたがよいだろう。

大観峰グラベルが終わって舗装路に出る100mのところでパンクがあった。アテンドの井上君が速攻でパンク修理を行ない無事復帰された。パンクはクリンチャーだったのでリム打ちが原因である。最後の露出した石の段差が連続するところで、私が「段差!」という喚起が少し遅れたこともあってか、減速が遅れそこで打ち付けられたのだろう。タイヤの空気圧を落とすと地面との食い付きが良くなって安定した走行ができるものの、このようなパンクは起こりやすい。
そこでチューブがなくパンク防止のシーラント液を入れたチューブレスレディのタイヤは、空気圧を落とせてパンクリスクも減りグラベルバイクに有効だろう。ただし、専用ホイールとチューブレスレディタイヤが必要になる。ちなみに私は完成車のまま乗っているので40Cのクリンチャーで空気圧はパンクを嫌って3.5barも入れている。なので上り坂でダンシングするとスリップするし、コーナーもゆっくり入らないと滑ってしまう。そこで以前紹介した携帯用の電動ポンプ、空気圧をその場で調整できてこれは使えそうだ。落車やパンクの原因、ヘルメットの有効期間については知らない方がいたので帰ってすぐ注文すると言われていたし、教訓を自分のものにすることが何より大切だと思う。
この日、参加者のひとりが来年のアンバウンド・グラベルにエントリーすると話された。うれしくて、うれしくなって、モノからコトと言い続けている者としては、この上ない喜びだった。ただ、同時に羨ましくもなった。
最後に今年4月に開催したスポーツバイクの試乗会「Demo Day in 阿蘇」に続く、グラベルバイクとMTB試乗会を走行に適したうぶやま牧場に場所を移して10月26日・27日の2日間開催される。ザックさんとグラベルを走るサイクルイベントもやる予定だ。グラベルバイクに興味がある方は、このような機会はあまりないので乗り比べて試すのもいいかも知れない。

 

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TEL:0967-35-5077

HPhttp://www.aso-denku.jp/

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