皆様こんにちは、アントモです。阿蘇の夏もお盆を過ぎ、暑さが少しずつ和らいできました(^^♪
阿蘇は比較的涼しい地域で、夜はクーラーなしでも眠れるほど気温が下がります。
しかし、ここ数年で阿蘇の気温も着実に上昇し、クーラーを使う家庭も増えてきたと聞きます。
さかのぼること、8月初頭。夏真っ盛り、狩尾地区で伝統の扇切りが行われました。
狩尾地区の住民やこの活動を支えるボランティアたちは、毎年8月の第一日曜日に「扇平」と呼ばれる山の斜面を扇形に刈り込む作業を行っています。
「狩尾の扇」として地元では有名な写真スポットです✨
扇切りは、牛や馬、人々の健康を祈るために行われます。
また、扇の形から「悪い虫が稲田から遠ざかるように」という願いも込められているそうです。
今年も道の駅スタッフが参加させてもらいました。
この伝統は大正時代、もしくは明治時代から続いていると言われています。
戦時中に一度途絶えましたが、地域の人々によって復活されました。
今では、扇切りを行っていた人たちも高齢化が進み、彼らだけで伝統を守るのは難しくなっていますが、保全会やボランティアたちの協力で、伝統は今も受け継がれています。
8月の第一日曜日、私たちは霧深い薄暗い朝6時過ぎに集合し、山のふもとに立ちました。
山と言っても整備された登山コースはなく、先人たちが切り開いた道を辿りながら進みます。
両脇は背丈の高い草に囲まれ、道のあちこちには小さな窪みや穴があるため、足元に気を付けながら進まなければなりません。
朝露に濡れた草は滑りやすく、傾斜が急な部分では横の草を掴んで進むのがやっと。
15分ほどほとんど休まずに登り続けると、前方にうっすらと一本の道が見え、その先には昇る太陽が見えてきました。
山の幻想的な風景が、私たちの前に広がっていました。
さらに10分ほど歩くと、すでに多くの人々が集まっている場所に到着しました。
彼らは電動芝刈り機を手に、全員の集合を待っています。
後ろを振り返ると、コブのように連なる山のピークが三つ。
昔は、この道を通って扇切りに来ていたとは信じられません。
70歳を越える方々が、私たちと同じルートを上ってきたことには驚きです。
私たちがようやく辿り着いたのに、一回り以上年上の方々が同じ道を登ってきたのですから。
町に面した斜面に進むと、雲の隙間から市内の風景が少し見えました。天気が良ければ、そこから阿蘇山を一望できるそうです。
残念ながらその景色を直接見ることはできなかったので、2年前に撮影した雲海の向こうにそびえる阿蘇山の写真を掲載します。
外輪山から阿蘇山を眺めるのは、阿蘇の最高の景色の一つです。
電動芝刈り機のスイッチが入り、扇切りが始まりました。
扇の形は去年の形を参考にし、最終的には遠隔で確認しながら調整します。
急な斜面で草刈りをするのは非常に難しく、私が立っている場所ですら滑ることがありました。
特に難しいのは「扇の要」と呼ばれる部分です。
扇の根元にあたるこの場所は非常に急な傾斜があり、ここを担当できる人は「流石だな」と尊敬されます。
刈った草は均等に広げる必要があります。そうしないと、草が枯れた後に扇の部分がまだらになってしまいます。
草は2〜3日で枯れ、扇の形がはっきりと見えるようになります。
夏には緑で涼やかな扇が、冬には狐色に変わり、さらに美しい印象になります。
雪が降った日には真っ白な扇が現れ、非常に美しいそうです。
作業が終わると、再び山を下らなければなりません。
下りはとにかく滑りやすく、私は帰り道で3回以上滑り、二回以上小さな穴に落ちました。
これらの穴や割れ目の中には、2016年の熊本地震や昨年の地震の影響でできたものもあります。
最も酷い場所では1m以上の段差が生じたこともあったそうですが、時間が経つにつれて少し埋まってきているとのことです。
災害や人手不足という困難を乗り越え、受け継がれてきた狩尾の扇を見学できたことに感動しました。
多くの人々の思いが込められた狩尾の扇、阿蘇を訪れた際にはぜひご覧ください。
皆様のお越しをお待ちいたしております♪
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