コルナゴ部長こと中尾公一さんレポート「ツールド九州外国人観戦モニタ―ツアー」

コルナゴ部長こと中尾公一さんから最新レポートが届きました!!
10月11日(金)~14日までの4日間、福岡・大分・熊本を舞台に繰り広げられた熱い戦いの「ツール・ド・九州2024」
今年の熊本阿蘇ステージは天候にも恵まれ、美しい阿蘇の絶景を世界へ発信できたのではないでしょうか。
ご覧ください

◌˳⚛˚⌖.。‎(ღˇᴗˇ)。o.:*˳⚛˚⌖◌˳⚛˚⌖.。‎(ღˇᴗˇ)。o.:*˳⚛˚⌖◌˳⚛˚⌖.。‎(ღˇᴗˇ)。o.:*˳⚛˚⌖

昨年に引き続き2回目の大会となった「マイナビツール・ド・九州2024」は、11日に北九州市の小倉城周辺を周回するコースで開幕。ロードレースは12日に大分県、13日に熊本・阿蘇、14日に福岡県で開催され各地に熱狂を生んだ。
私は西鉄サイクルカーゴバスを移動の足とする外国人サイクリスト15名のツール・ド・九州観戦モニターツアーを受けて、10名の日本在住の欧米の方と、中国から今回のツアーのために来日された5名の方を11日から3日間、観戦とサイクリングに案内した。今までアジア圏の方の案内は何度もやったが欧米の方は初めてで、いろいろ学んだことがあったのでレポートをしよう。

11月10日、博多駅に集合された15名のうち6名は、瀬の本レストハウスにある阿蘇くじゅうサイクルツアーのロードバイクのレンタサイクルを利用され、自転車を持ち込まれた日本在住の福岡近郊の方以外は輪行袋、中国の方はハードケースに収納したままバスのトランクルームに入れて来られると想定していた。
ツアーを組まれた会社はサイクリストに慣れてなかったので、この日の宿泊先となる黒川温泉の宿の狭いスペースより、瀬の本でレンタサイクルの手続きをしている間に広い駐車場なら試走も出来るので、ここで自転車を組まれるよう勧めていた。そのため工具やポンプを用意して今回一緒にガイドするミユキさんと手伝う準備をしていた。

ところが持ち込まれた自転車は、いつでも乗れる状態でバスのサイクルスペースに整然と並んでいた。多分、中国の方のハードケースは前泊したホテルに置いて、輪行袋の方はバスに乗る前に袋から出して組まれたのだろう、ちょっと拍子抜けだった。
これから3日間サイクリングするために、ポンプに工具、リムとディスクブレーキのホイールをバスに載せ万が一に備えた。

ロードバイクのレンタルが今回一番の壁だった。
6名のうち欧米の方の身長186cmが4名、対応できる58のLサイズは1台のみであとは54のMサイズになる。ほかの店に問い合わせても需要がないためLサイズは用意されていないとのこと。E-bikeやクロスバイクならまだしも、ポジションの合わないロードバイクに長時間乗る不快感と、坂道での疲労度はよく理解できるがその旨了解の上事前予約していただいていた。欧米系を対象にしたサイクルツーリズムに取り組むならLサイズは必須である。

また、持ち込まれた自転車のペダル交換はもちろん、ロードバイクのレンタサイクルではハンドルやサドルの調整のほかに、ブレーキの配置は日本では右前・左後ろが標準だが、世界的には左前・右後ろが一般的なので個人の好みや慣れにより、事前予約の場合はブレーキ配置の変更を対応可能な自転車について検討すべきかも知れない。
ただし、ブレーキは安全性に大きく関わるため、専門のサイクルショップに依頼することを考えなくてはならないだろう。面倒・・・? 手数料加えればいい。円安効果で「日本全国オール30%オフ!」という彼らは金銭感覚が違う。

サイクリングの初日となる11日は、牧ノ戸峠からダウンヒルで長者原に下りて、翌日選手が走る大分ステージの泉水グリーンロードと、四季彩ロードを走って九重ふるさと館で折り返した。ここから昔の田舎の風景が残る町田地区をゆっくり走って、鳴子川側沿いの県道40号から九酔渓を上り、やまなみハイウェイで帰って来る45km・獲得標高900mのコースになる。大型バスが入れない道が多いので、リュックにはエイドキットと工具にタイヤ、チューブを背負って走った。

九重ふるさと館で休憩した際に、かなり遅れて走られていた女性の方がいらした。
サイクルカーゴは大型バスなので回収してもらう場所は、20㎞地点となる国道沿いの九重ふるさと館と、35㎞地点の夢大橋付近の2ヵ所しかなかったので、「バスを呼びましょうか」と尋ねると、笑顔で即答され早速迎えに来てもらい以降2名の方は車窓から景色を楽しまれた。海外からお越しの場合は、体調を崩されている方や、坂道が苦手な方も想定しなくてはならないのでサポートカーが帯同すると安心だ。

自動販売機ではないコーヒーの希望が多かった。もちろんソフトクリームも大好きのようだ。やまなみハイウェイ沿いの高原堂はどちらも揃って格好のエイドになった。

サイクルカーゴバスの運転手さんはこのバス専属の方で、1日数回自転車を降ろしたり、積んだりする場面があっても、笑顔で「私の仕事です」と気持ち良く対応されており、「サイクルカーゴ」はその名通り機能も中身もサイクリスト専用車だった。

長者原にゴールしたあとはこの日の宿泊地、天ケ瀬温泉に移動され、私とミユキさんは牧ノ戸峠までバスに乗せてもらい駐車していた車で帰りサイクリング1日目が無事終了した。

2日目、大分ステージは好天に恵まれた。
この日は天ケ瀬温泉から選手たちが走るスカイファームロードでバスが停められる日田市陸上競技場までのサイクリング21kmを走り、レース観戦のあとは翌日の阿蘇ステージのスタート地点の瀬の本に移動して、阿蘇神社まで走るという欲張りなプランになる。
天ケ瀬温泉からスカイファームロードまで3.5kmの上りになるので、運転手さんにお願いしてスカイファームロードまでバスで移動してスタートすることにした。すると宿を出たばかりなのにトイレに行きたいという女性がいた。しかし、この道沿いにはコンビニも無いしトイレがある公園もなさそう、なので道沿いの森林組合に寄ってトイレを借りたようだが、みなさんかなりコーヒーを飲まれるので日本人の感覚以上にトイレが近い。

試走の際、途中1カ所だけここに立ち寄ることにしていた。

日本人なら大半が興味を示すところだが、

欧米の方の半分くらいは、「何?」って感じだった。

逆光の朝陽にキラキラ輝くススキに感嘆の声が聞こえていた。
天ヶ瀬温泉からのスカイファームロードは下り基調だがアップダウンがあって走りがいもあったようだ。分岐が2ヵ所あってここでロストすると交通規制に引っ掛かる可能性があるので全員揃って再スタートした。
なのでその合間は撮影会になった。

陸上競技場からシューズを履き替えて観戦ポイントに移動した。

白いの私の26cm、巨大なスニーカーは身長186cmの方

会場で昨年の大分ステージにご一緒したロードとMTBのオリンピアで、現在もロードレーサーとして活躍されているキング三浦さんこと三浦恭資さんにお会いした。するとアメリカの方に知っている方続出、これには驚いた。

VCサポーターの方とも不思議とワイワイとなった。
ゴール地点の大原八幡宮前から日田市役所まで続くキッチンカーはかなり好評だった。

圧倒的に人気だったのはニック・サーズさんも驚きの日田焼きそば。普通の麺としっかり焼いた麺のバランスとソースの味、これはみなさん美味しいと絶賛だった。ただ残念だったのはメイン会場にも座るところがなく歩道に座っての飲食になった。

欧州の方は作者が日田出身である進撃の巨人をよく知られていた。中国の女性の方々は弱虫ペダルの作者、渡辺航さんのファンでメイン会場で開催されていたトークショーやサイン会を楽しまれていたようだ。

日田市の観戦を終えて瀬の本に移動中も皆さんご機嫌だった。この頃には私とミユキさんとも気心が知れて楽しい会話が続いた。

大山町で渋滞になった。
そこには横転した車が道路の真ん中にあった。
ほかに車はないので自爆に違いなかった。
警察や救急車はまだ来ておらず事故直後という感じだった。
道路で数人の方が交通整理をされていた。
その人たちの服に「VC福岡」の名前があった。
道路脇の駐車スペースにはサポートカーもあった。
さっきまで走っていた選手たちだ!
それを知ったバスの車内は騒然となった。

今回のレポートとしては脇道に逸れるが、VC福岡の勇気ある行動としてブログに書いていたので紹介したい。
『熱い走りの感動のまま幕を閉じたマイナビツールド九州2024でした。
その陰で目の前で起きた自爆事故にVC福岡のみなさんが、救急車や警察車両が到着するまで救助や交通整理をされているところに遭遇しました。大分ステージを終えて熊本阿蘇ステージに向かう移動中のVC福岡と同じく、私は外国人によるツールド九州観戦モニターツアーの案内で西鉄サイクルカーゴからVCのみなさんが、機敏に行動する事故直後と思われる光景を目撃し、驚きとともに勇気ある行動に同じ自転車乗りとして感動しました。
このことについてVC福岡の佐藤監督に確認したところ以下のご返事をいただきました。

「我々の目の前でそれが起きました。自走で阿蘇に向かうサイクリストを応援するため、駐車スペースに停めておりましたら、目の前で軽自動車が左の壁に激突した拍子で横転されました。なので、我々は人数もいましたし、救助をすべき立場でした。
すぐに運転者様が脱出でき、命に別状はないことを確認でき、警察と救急への連絡、逆さまになった車が道路のど真ん中にいたため、あとは選手スタッフで警察や救急が来るまでの交通整理をしようと動いておりました。途中で主催者の救急隊などが先に通られたため、あとはその場を任せて行かせていただきました。
当たり前の行動だとは思いますが、選手たちは翌朝が早かったため、なるべく早く帰ってマッサージをしようという日だったので、文句も言わずによくやってくれたと思います。何はともあれ、本当に多少のお怪我で済んでよかったです。」

みなさんの行動は、残念ながらシャッターチャンスを逃し事故車両だけになりますが、サイクルカーゴのドライブレコーダーには動画が明確に残っていると思いますので、多くの方にその模様を見て頂けたらと思います。
VC福岡の事故対応エピソードは、「義を見てせざるは勇なきなり」を地でいくものでしょう。「目の前に困っている人を見かけたら、見て見ぬふりをするのでなく、手を差し伸べることの出来る人こそが勇気を持った人である」。この言葉は日本の武士道の根本であり最も大切にされてきた心です。バス車内の外国人の方においても、少し前にレースで見たチームの勇気ある行動に歓声が上がっていました。』

瀬の本に到着後、明日の阿蘇ステージのコース、やまなみハイウェイを阿蘇神社まで走った。

涅槃像をバックに城山展望所での一枚
ここから九十九折りの下りになるので、気が緩むこの時間帯の対応として、「ぜったい私を追い越さないで」と念を押し、ひとりの怪我もなく阿蘇神社へゴールした。この日の宿は選手たちと同じになり賑やかな一夜になることだろう。

最終日、熊本・阿蘇ステージも素晴らしい天気になった。
この日は道の駅阿蘇のE-MTBにより阿蘇パノラマラインで中岳火口に行き、米塚圓地でサイクルカーゴに乗り換えてゴール地点の南阿蘇村役場でレース観戦の予定だ。ただ、11時35分フィニッシュ予定なので11時必着になるが、海外の方はゆっくりされるので時間配分が難しい。
さて、ここでも4名の身長186cmに合うサイズのE-MTBはなくMサイズとSサイズだけになる。そもそも需要が少ないE-MTBのLサイズが国内に流通していないようで取り扱うサイクルショップはない。ヤマハが唯一販売しているようだが福岡なので日常的にメンテナンスすることができない。
今まで日本人やアジア系の方がE-MTBライドの対象だったので、大きいサイズが必要なく、逆に小柄な女性などSサイズ以下のニーズが多かった。そこで今回は身長に合わせてMサイズでも大き目の方が乗れるよう割り当てたがこれもなかなか手こずった。

各自マイバイクになったところでツール・ド・九州観戦モニターツアーの最後のライドがスタート。

今まで走った道とは雰囲気が違って気分転換になる車の少ない杉山を抜ける旧道でパノラマラインに合流、すると景色が開けて青空を背景に、「左からノコギリの歯のようなギザギザ山が根子岳、山肌が露わで岩の塊のような高岳、噴煙がないので多分そのあたりの中岳、その横に尖がった烏帽子岳、そして丸っこい杵島岳の右側を巻いて行くんだよ」と私のグループの方に説明しながら火口を目指した。

火口までは4%くらいの上りが15㎞続くが、E-MTBなら静かなモーター音の力強いアシストにより、息が荒れることなくおしゃべりを楽しみながら走ることが出来る。一定のパワーなので遅れる人もなく放牧の牛や馬の風景を眺めながらサイクリングは魅力的だったようだ。下りでは軽いタッチでしっかりと制動するディスクブレーキは女性に心強く、幅広いタイヤの安定感とソフトな乗り心地もE-MTBの良さになる。

草千里は自販機の場所が遠く長居してしまうのでスルーして2km先の山上ターミナルでトイレ休憩する予定だったが、どうしてもトイレに行きたい方がいたので立ち寄らねばならなかった。また、サイクルカーゴと合流すると、乗せていた自分のロードバイクで火口に上りたいという人がいたのでペダル交換などミユキさんが対応され私はみなさんと一緒に火口に向かった。

阿蘇山上広場から中岳火口までの厳しい上りがあり、異星のような景観の阿蘇山公園道路をE-MTBで行く体験は好評のようだった。

火口では予想通り時間が経過したので、サイクルカーゴに乗り換える予定の米塚圓地から急きょ阿蘇山上広場駐車場に変更し、ミユキさんの息子さんが担当する3トン車でE-MTBを回収してもらった。

お陰で南阿蘇村役場に余裕をもって到着、フィニッシュに立ち会うことができた。

その後は、走り終えた選手に合ったり、くまモンステージを観覧したり、キッチンカーでランチしたり、それぞれ好きなことで楽しまれたようだった。

私とミユキさんはここでみなさんとお別れをして、この日井上君と下城さんにより開催された阿蘇満喫ライドの観戦ツアーに合流して参加された方と道の駅阿蘇へ帰った。

火口見学で早く戻って来られた左のオーストラリアのブラウンさんと、右のアメリカ人でニセコ在住のベネットさんから、温かい労いの言葉とまた必ず来ると言われグッときた。九重町、天ケ瀬町、大山町、日田市で下見を重ねて車が少なく外国人に喜ばれそうなコースを作り、細かく時間配分という当たり前のことだが、みなさんに3日間満足してもらえるよう準備したことが火口展望所で一気に花が咲いた。いい仕事ができたことに満足、みなさんから学んだ経験を活かして新たな出会いを楽しみにしたい。

*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――

道路情報や店舗情報など道の駅阿蘇Facebook道の駅阿蘇ホームページでもお知らせしておりますのでご活用下さい。

道の駅阿蘇(NPO法人ASO田園空間博物館)

TEL0967-35-5077

HP:http://www.aso-denku.jp/

阿蘇市内の地図はコチラから

あかうしのあくびvol.40最新号が出ました!

道の駅阿蘇は、9時~18時まで営業中。

道の駅阿蘇ネットショップ」で阿蘇の特産品絶賛販売中です!

*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*――*+†+*

 

カテゴリー: おすすめ, 道の駅阿蘇 ブログ, 阿蘇のイイとこ紹介集   タグ: , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

関連ページ