今こそ!花満開のあの場所へ!!~長寿ヶ丘公苑の震災直後と現在(いま)~

■長寿ヶ丘公苑

 狩尾地区から北外輪山の端辺原野にでる農道、通称「ラピュタの道」の途中に位置するこの公園は、農家の暮らしを支えてきた「草の道」を伝える場として設けられました。昭和40年代から地元老人会を中心にツツジや桜が植樹されたこともあり、「健康と長寿」を祈願し「長寿ヶ丘公苑」と名付けられています。

 現在も狩尾1区~3区の老人会223名が「長寿ヶ丘公園管理組合」を組織し、管理を行っています。

 毎年5月にはツツジが一面に咲き誇る保養地として地元の人々に愛されていましたが、平成28年に発生した熊本地震では大きな被害を受け、その後しばらく立ち入りができなくなってしまいました。
またインターネットを通じて広く知られるようになった、長寿ヶ丘公苑から続く道「ラピュタの道」にも甚大な被害が生じ、狩尾区の人々も心を痛めておられました。

熊本地震前のラピュタの道 (写真協力:カルキフーズ)

熊本地震後、長寿ヶ丘公苑からラピュタの道を見上げると崩れている様子が一目瞭然。
道は大きく崩壊

 平成31年4月にようやく園内の芝生広場まで立ち入りが可能となりましたが、被災のためツツジ等の手入れがままならず、大規模な整備が必要であることが確認されました。
 このような事態に対応するため昨年11月5日には地元の人々を中心にツツジに巻き付いたに葛の除去や老木の伐採、草刈りが行われ、併せてトイレの清掃も行われました。

地元の人々やボランティアによる整備作業

 作業完了後はその甲斐があって美しい景観を取り戻すことができました。


 トイレは地震の影響で現在も水が通らなくなっています。しかしながら、前管理組合長の鎌倉博昭さん(阿蘇市狩尾)が、タンクに水を貯めて自家発電で送水する仕組みを作られ、組合員が日々点検や水を補充することで通常通り使用できるようになっています。
このような整備活動以外にも、週1回のトイレ清掃、月2回の広場の芝刈り作業、年2回の葛取り作業などが地元の人々によって実施されています。まさに地元に育まれ、守られ、愛されてきた公園であるといえます。


 昨年4月から管理組合長になられた永富傳次さん(阿蘇市狩尾)は、復旧に向けて次のように語られました。
まだまだ整備することは山ほどあるが、今回の整備作業で公園からの見晴らしがとてもよくなった。モミジの植樹も実施する予定なので、やがては紅葉も楽しめるスポットになると思う。みんなで力を合わせて管理をしているので、ぜひ多くの人に来てもらい、この景色を楽しんでいって欲しい。」

 毎年5月に行っていた「観音祭り」は電気が復旧したら再会する予定です。満開のツツジを観ながら、祭りに集まった皆さんの満面の笑顔を見ることが地域の夢であるということです。
 地元の人々の愛情と情熱に支えられたこの公園。ぜひみなさんも長寿ヶ丘公苑に足を運んでみてください。

【長寿ヶ丘公苑】

住所:熊本県阿蘇市狩尾
駐車場:あり
トイレ:あり
※現在は苑内芝生広場までの立ち入りが可能です。ラピュタの道は通行不可。

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